今日は生涯学習総合センター、會津稽古堂の開館式を行いました。まずテープカット、記念植樹、式典を開催致しました
以下、市長式辞の内容です。
>まずはじめに、去る三月十一日に発生いたしました東日本大震災において亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、心からお見舞いを申し上げます。
>本市におきましても、公共施設や家屋の損壊などの被害を被りましたが、市民の安全・安心なくらしを守ることを最優先に耐震性に優れた、この生涯学習総合センター内に直ちに、本市の災害対策本部を設け、二十四時間態勢で復旧及び被災者支援に努めてきたところであります。
>このため、 本年三月二十六日に予定しておりました開館を延期することといたしましたが、地震から数週間が経ち、日本全体が復興へ向け大きく舵をとり始めた今、開館を待ち望んでおられた市民の皆様のご期待に応えるべく、生涯学習総合センターを本日開館させていただくこととしました。
>この生涯学習総合センター(會津稽古堂)は、本市の生涯学習の拠点として整備を進めてきたもので、平成六年に構想を発表してから十七年の歳月を費やした市民待望の施設であります。
>この十七年間を振り返りますと、この間の取組みは必ずしも平坦な道ばかりではなく、幾多の困難に直面し、その都度、最善を求め、懸命に対応してきた道程でありました。
>私が市長に就任した平成十一年には、本施設を旧謹教小学校跡地に整備することで基本設計が完了していたものの、きわめて厳しい財政状況の下、多額の事業費を要することから、行財政改革に向けた指針「明日の会津若松のために」において一時中断とされておりました。
>そうした中、私は、あいづ地方拠点都市地域計画 に位置づけたこの事業については、新たな手法で財源の確保とその負担軽減を図ることで、できるだけ早く市民要望に応えるべきであるとの認識から、PFI方式による整備を提案し、平成十四年九月に、(仮称)生涯学習総合センター基本構想(素案)を公表しました。
>しかしながら、PFI方式については、事業費の軽減と平準化を可能にするメリットがあるものの、新たな整備手法であるため、県内はもとより全国的にもほとんど実績がなかったことにより、それを懸念する、声があがり整備手法の見直しの陳情が出され、この陳情が市議会での採択を受けたことなどから、着手するにはいたりませんでした。
>さらに平成十七年八月には、県立会津学鳳高校用地を、県より無償で譲渡を受ける一方で、生涯学習総合センター整備予定地であった旧謹教小学校用地を葵高校グランド用地として無償で貸し付けるという大変大きな政治判断を行いました。
>生涯学習総合センターの整備位置を変更することは、これまで長い間整備を待ち望んだ市民に対し、大変なご心配をお掛けするとの思いもありましたが、北会津村との合併を経て、まちづくりの枠組みが大きく変化する中、本市のシンボルである鶴ヶ城に隣接する会津学鳳高校県有地を無償で取得し、今後の本市の街づくりに活用することも極めて重要な政策であり、市民のご理解を得て、早急に建設位置を決める市民懇談会を開催し、現在地に決定した経緯にあります。
>一方、本施設の大きな課題でありました整備財源につきましては、平成十六年の北会津村との市町村合併に伴い合併特例事業として新市建設計画に位置づけ、充当率95%と極めて有利な起債である特例債を活用するとともに、通常、国庫補助制度のない社会教育施設である本施設を中心市街地に立地するメリットを生かし、都市再生整備計画中央西地区に編入することにより国からの「まちづくり交付金」の対象事業として事業費の45%の補助金交付を受け、財政負担の著しい軽減を図ることができました。
>こうして財政上の課題も整理し、平成二十年六月に工事の発注を行ったところでありますが、折りしも、北京オリンピックの施設整備に端を発し、世界的な原油価格や建設資材の急騰の影響を受け、工事費の単価見直しや追加工事費の補正予算措置、再三にわたる受注者選定等、予測を超えた事態となり、当初予定していた平成二十二年秋の開館を平成二十三年の三月開館に変更を余儀なくされた経緯もございます。
>このように、生涯学習総合センターは、建設規模・機能、位置、運営方法等施設の根幹にかかわる見直しに加え、常に財政問題を抱えながら、幾度となく建設が危ぶまれることもございました。しかしながら、これらの難局を乗り越え、この日を迎えることができましたのも、狭隘で老朽化した中央公民館・図書館を改築し、本市のまちづくり・人づくりの拠点を整備するという強い意志とそれを強く望む市民の皆様方の熱い思いがあったからこそ実現できたものと感慨を深くするものであります。
>さて、この生涯学習センター(會津稽古堂)は、公民館機能と図書館機能をあわせ持ち、市民の皆さんが必要とする様々な情報の集積・提供から学習の成果としての創作・発表等の活動まで、生涯学習のすべての流れを支援する「生涯の学び舎」を目指しています。
>整備にあたっては、どなたにも安心してお使いただけるよう、段差のない空間や、エレベーター・エスカレーターを整備するなど、人にやさしい施設を目指すとともに、環境への配慮として地中熱や雨水等の自然エネルギーを活用するシステムを導入しました。
>また外観につきましては、様々な学習情報を集積するだけではなく、発信していく「新しい学びの蔵」をモチーフとし、会津若松市の歴史を感じさせ、また生涯学習のシンボルとなるデザインとしました。さらに雁木や格子のデザインに加えて漆の赤を効果的に使い周辺の町並みとの調和を図り、中心市街地に新しい景観を創出いたしました。
>今後は、複合施設のメリットや新たに整備した実習機能等を十分活かした事業を実施するととも、様々な学習情報を提供していくことで、市民の学習活動を支援してまいります。
>この生涯学習総合センターが、子どもからお年寄りまで、あらゆる世代の市民の皆さんに愛され、その愛称である「會津稽古堂」に込められた、会津の学びの精神を未来に伝えていく施設となり、本市の生涯学習が大きく羽ばたいていけるよう、さらに努力してまいりますので、より一層のご支援をお願い申し上げます。
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