ブログで選挙前哨戦、立候補予定30人が“参戦”中
衆院選(9月11日投票)に向けて、日記形式の簡易ホームページ「ブログ」を利用して情報発信する陣営が増えている。
福岡市のインターネット関連会社が運営する政治家用ブログ「ele‐log(エレ・ログ)」には約30人の立候補予定者が参加し、アクセス数は1日約2万件。政策から心情までライバル同士が競うように毎日書き込んでいる選挙区もあり、もう一つの「選挙戦」として注目を集めている。
ブログは、個人が電子メールを打つ感覚で簡単にホームページを作れるシステムで、見た人がコメントを書き込めるのが特徴。
福岡県内の選挙区から立候補する自民党前議員の陣営は、以前の選挙で無党派票を取り込んだ民主党新人に詰め寄られて以来、ネット戦略に熱心で、2004年6月からブログを始めた。
今回の解散が決まった8日には「『郵政民営化』のみを争点とする総選挙となります」と書き込んだ。コメント欄には「改革推進を掲げた自民党に期待します」「郵政民営化も結構ですが、もっと他の事にも目を向けて下さい」といった意見が集まった。
同県の別の選挙区から立候補を予定する自民党前議員は今春、ブログを始めた。「考えれば考えるほど厳しい状況。選挙とはこんなものでしょう。何回やっても悩みと不安は尽きません」。こんな書き込みに対し、「もっと強気な姿勢を打ち出して欲しい!」と支援者からと見られる叱咤(しった)激励が寄せられた。
これに対し、同じ選挙区で立候補する民主党前議員も7月にブログをスタート。8月21日には「眠い目をこすって毎日更新してます。さまざまな手法を使って関心を持ってもらうことは重要なこと。投票率をあげる意味でも続けてまいります」と書いた。陣営は「準備期間が短いだけに、有権者に伝わりにくい日々の行動や人柄を知ってもらえるのが利点」と話す。
佐賀県の選挙区の民主党前議員も、衆院解散後の8月12日からブログを開設した。
公職選挙法では、インターネットは選挙活動としては認められず、公示後は更新は禁止される。このため、ブログを利用する陣営は限られるが、パソコンに関心を持つ立候補予定者や詳しいスタッフのいる陣営が、文字通りの「前哨戦」として活用しているようだ。
この政治家用ブログを考案した福岡市東区のインターネット関連会社「イーハイブ・コミュニケーション」によると、エレ・ログには参加していないが、独自にブログを開設している立候補予定者は、全国に約50人いるという。
同社の平井良明社長(35)は、「有権者も巻き込んだ論争が増えれば面白い。政治家にとっても、政策決定や選挙対策の役に立つと思う」と話している。
エレ・ログのアドレスは http://www.election.ne.jp/
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