短期決戦、ブログ活躍 立候補予定者、声が届きます
2005年08月18日
降ってわいたような解散・総選挙。「造反」「刺客」「新党」といった政界の混乱ぶりには事欠かないが、実際に投票する立候補予定者の生の声は伝わりにくい。そんな中、ネット上で立候補予定者の政策や活動を知ることができるブログが登場。短い準備期間で公開討論会を企画する学生や市民も出てきた。
パソコン画面に全国の立候補予定者24人の名前が並ぶ。名前をクリックすると、それぞれの政策や日々の活動を書き込んだ画面が現れる。
選挙情報専門のインターネットサイトを運営するイーハイブ・コミュニケーション(福岡市)が、04年の参院選に合わせて始めた政治家用ブログ「ele―log(エレ・ログ)」だ。
今月17日からは総選挙用に、ブログに参加している立候補予定者を都道府県ごとに並べ替えた。山崎拓氏(自民)と平田正源氏(民主)が参加する福岡2区など、対立する立候補予定者の主張を比較できる選挙区もある。
日記形式で手軽に書き込め、毎日更新が可能。閲覧者の意見も書き込める。更新が遅れがちな陣営もあるが、新たな陣営からの問い合わせもある。準備中の3人を含め、参加者は増えそうだという。
政界の激動に合わせてアクセス件数も急増。普段は5、6千件だった1日のアクセス数は、解散直前で1万件、解散後は2万件に跳ね上がった。イーハイブ社の平井良明社長は「立候補予定者の日常を知ってもらうことで、投票行動に結びつくのではないか」と自信を見せる。
公開討論会の準備も進んでいる。
九州大経済学部2年の土岐謙介さん(20)は衆院が解散した8日以降、会場手配や各陣営との交渉などに追われている。4月の福岡2区補選で公開討論会を企画した学生グループのメンバー。今回は約10人の学生の代表を務める。
今回も福岡2区で計画しているが、短期決戦ということもあり、まだ立候補予定者全員の了承は得られていない。「先輩たちが実績をつくってくれた。2区に討論会が定着するよう頑張りたい」と決意を込める。
全国で公開討論会を支援するNGO「リンカーン・フォーラム」は解散の翌日から、討論会主催者の募集を始めた。
本来なら準備に1カ月程度はかかる。今回は特に日程が厳しい。福岡県内には、同NGO主導で討論会の準備が進む選挙区もある。福岡地区の担当者は「立候補予定者が一堂に会する場で話を聞けば、人となりや考え方も伝わりやすい。急な選挙で大変だが、多くの選挙区で討論会が開けるよう、支援していきたい」と話している。
エレ・ログのアドレスは、http://www.election.ne.jp/
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