衆院選、「ブログ」から政策発信、開設相次ぐ
衆院選、「ブログ」から政策発信、開設相次ぐ
立候補予定者らが活動ぶりをつづるブログ 昨年の米大統領選で「ネット選挙」の主役を担った日記形式の簡易ホームページ「ブログ」。活動や政策を手軽に発信できるとあって、公示が迫る衆院選の立候補予定者の間で開設が相次いでいる。有権者の書き込みも簡単で、双方向の政策論争もできるため、中には閲覧が1日2万件を超える人気ブログも。「候補者の声に触れられる」「カネをかけずに有権者にPRできる」と双方に好評で、初の〈ブログ総選挙〉の様相も見せている。
「日々の想(おも)いをお届けします」。そう銘打って活動報告を発信するのは、京都5区から立つ民主党新人の小林哲也さん(34)。今月15日に「渡る世間は留守ばかり」と題して、あいさつ回りが空振りに終わった嘆きをつづって以降、連日更新し、街頭宣伝中に見た地蔵盆の風景やミニ集会の模様などを紹介。閲覧した有権者が携帯電話でメッセージを書き込める設定で、事務所は「候補を身近に感じてもらえたら」と期待する。
香川2区から立候補する同党新人の玉木雄一郎さん(36)のブログは「世界の中心で政策をさけぶ」。初回は衆院解散の8日で、〈今日、財務省に辞表を出してきました〉と、同省主計局主査を辞め、出馬を決断した経緯を、辞職願の写真入りで報告した。「簡単で安価、短時間で運営できる」のが開設の理由。閲覧は増え、今は1日400〜500件にも。有権者から激励の書き込みもあり、「知名度がないだけにうれしい」と喜ぶ。
政治家専用ブログ「ele―log」には、山崎拓・前自民党副総裁から、民主、共産党まで与野党35人の立候補予定者がネット上で“同居”しながら、それぞれの政策や活動ぶりを書き込む。「生の動きがつかめる」と好評で、閲覧は1日平均2万件を超える。
増大するブログ人口を見込んで、候補予定者らは解散前は週1回程度だった内容更新の頻度を高め、「接近」を図っている。
運営する「イーハイブ・コミュニケーション」(福岡市)の平井良明代表は「政治家は有権者が何を必要としているかマーケティングできるし、有権者も投票の判断材料を得られる」とブログの効用を話す。
ただ、ブログは、公選法上の「法定外文書図画」にあたる恐れがあり、30日の公示後は更新できない。各陣営にとって、公示前日までの内容が勝負だ。
(2005年08月26日 読売新聞)
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