活動報告

入管法改正案についての立憲民主党の対応が話題になっています

朝日新聞「立憲が加わった入管法改正の修正協議 なぜ結実しなかったのか

ご参考までに、この時の党内討議での私の発言原稿を、ご紹介したいと思います。


 -----以下発言原稿-----

 発言の機会を頂きありがとうございます。

4月13日に入管法改正案が審議入りして以来私は4回の委員会全てで質問に立ち、128分の質疑をしてきました。条文を読み込み、関係者の話を聞き、資料を調べ、私はこの法律の問題点を熟知し、国会の場で最も多くの反対意見を述べ政府を追及してきた一人だと自負しています。私も原案に問題が非常に多い事は、よく分かっていますし、出来る事なら廃案にし、我が党の難民保護法案を成立させたいと、心から思います。
 しかし、ご承知のように、我々の人数でそれはかないません。我々が修正案に反対すれば、法案はこのままの形で通ります。まずその現実は、前提として議論すべきです。

その上で、この修正案も、もちろん満足のいくものではありません。根本的骨格は全く変わっておらず、弥縫策である事は間違いありません。
 その一方で、この修正案は、
①ビラ配りは送還停止効要件から削除される

②「『テロ犯と認めるに足りる相当の理由がある者として法務大臣が認定する』と疑うに足る相当な理由がある者」、という2重推定が修正され、「法務大臣が疑うに相当の理由があると認める者」になる。

③在留特別許可の考慮要件で「家族関係」となっているものが「家族関係(子どもの利益を含む)」となり、条文上こどもの利益が明示される。

④「健康状態に十分配慮して仮放免に係る判断をするように努めなければならない」が「健康状態に十分配慮して仮放免に係る判断をする」になる。

⑤「難民認定に関する第三者機関の設置について検討する」が付則で明記される。

という、実質的前進を含むものです。

私は今100人しか救えない法案を修正する事で110人を救えるのであれば、今千人、1万人を救えないとしても110人を救う道を選択するべきだと思います。それは、将来に渡って、千人、1万人を救うたゆまぬ努力をすることと、いささかも矛盾するものではありません。

 昨日の議論で、「修正案に賛成したら、今後反対できなくなる」と言う意見がありました。それは、崇高だと思いますが個人の信条であり、そうでなければならない論理的・合理的根拠はありません。我々は「110人を救うための次善の策として修正案を賛成する」と堂々と述べ、そして成立したその次の瞬間に、これを我が党の難民保護法に改正する為のたゆまぬ努力を堂々と始めればいい事です。

また、「修正案に賛成すると、起こった事態に責任を問われる―殺人に手を貸す事になる」と言う意見もありましたが、それは間違っています。立法は様々な事情で行われ、その法制下で起こった殺人にまで責任を負うとなったら、立法はできません。一方で我々が仮に修正案に賛成したら、110人を救った事は誇れるけれど、千人、1万人を救えなかった無力には責任を負う事になります。だからこそ、修正案が成立したその次の瞬間から、これを立憲の難民保護法案に改正する為のたゆまぬ努力を始めるのです。そしてそれまでの間、修正案の行政執行が適切になされるよう、不断の行政監視を続けるのです。
 そして仮に修正案に反対するなら、我々は110人のうち10人を救えなくなる事に責任を負う事を、自覚しなければいけません。

 更に昨日、「修正案がなくても、従前の答弁があるから、弁護士が在留特別許可を勝ち取れるから大丈夫」と言う意見が出ましたが、これも違うと思います。条文と答弁とは重みが全く異なります。答弁は何時でも変えられますが、条文は国会の承認を得なければ変えられません。裁判の根拠となるのは条文であって答弁ではありません。そもそもこの論理なら、今の法案でも大臣は「ちゃんとやる」と答弁しているので、今の法案でも問題ない事になってしまいます。条文の一言一句にこだわり、少しでも適正な行政運営、少しでも公正な裁判の根拠となる法律を作る努力を否定する事は、立法府の、立法府の一員としての義務を否定する事です。

 「我々が反対しても政府・自民党は修正案を実現するから大丈夫」と言う意見もありましたが、これも私は、理解できません。その様に政府・自民党が信用できるなら、先ほど言った通り、今の法案でも大臣は「ちゃんとやる」と答弁しているので、今の法案でも問題ない事になってしまいます。政府・自民党がどうあれ、きちんと法律、条文を作って権力を規制する為にこそ立法府はあり、我々野党議員は存在します。立法府の一員として、野党議員の一員として、修正案の実現を望むなら、政府・自民党の善意に委ねたりせず、自ら賛成し、自らその責任を負うべきです。

 勿論、今迄応援してくれた人たちの中に、厳しい反対の声もあがるでしょうし、現に今私はそれを受けています。しかしそれに対しては、それこそ院内集会でも何でもして、言葉を尽くして説明し、説得するのが、私は国会議員としての私達の義務だと思います。私自身は、いつでも喜んで、その役目を担わせて頂きます。

 最後に、私達が目の前の現実を変えながら、見上げる理想を実現する努力をし続ける意思があるのか、それとも理想を唱える事で良しとし続けるのか、この修正案への私達の対応を、多くの国民が注視している、と申し上げて私の意見を終わります。

<修正案>


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コメント

こんにちは

10人救える修正案を通した方が良いのか反対した方が良いのかどうしたら良いのか考えても私には答えは出せませんでした
反対すれば反対しかしないと言われ、修正案にのれば弱腰だと言われ、どちらにしても叩かれて苦しいですね
私は法務委員会で立憲の皆さんが頑張っている姿をずっと見ていたので結果は反対となりましたが考えて考えて議論された結果でしょうから支持します
国会をもっと沢山の人に見てほしいですね
誹謗中傷や分断工作に負けずに頑張って下さい

  • Posted by 名無し
  • at 2023/04/29 10:21:06

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