来年度予算、公共事業など10%削減…政府方針
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との報道がなされています。
それ自体、大変結構なことだと思います。しかし同時に、「そもそもじゃあ何で、当初予算で公共事業費13.3兆円を計上したの?『必要な防災・メンテナンス』だったのはずなのに、なんで1.3兆円も簡単に削れるの?」という疑問を感じます。そして、「ほんの1週間前まで本県候補が声高に叫んでいた新潟県強靭化、国土強靭化、日本海国土軸」はいったいどうなったの?と伺いたくなります。
因みに削った予算1.3兆円は、「年金・医療の増加分」や「医療の研究開発や農業を含めた成長戦略に関連する事業、子育て支援」に使うとのことですが、「年金や医療などにかかる費用が、高齢化の進展で1兆円前後増える」のは最初から分かっていたことであり、この1兆円は典型的な「朝三暮四」、最初から「削るための見せ金」だったと言われても仕方がないものと言えます。
さらにこの1兆円を差し引くと、「医療の研究開発や農業を含めた成長戦略に関連する事業、子育て支援」に使える額はわずか3000億円になります。この額を研究開発から農業成長戦略から子育て支援にまでまんべんなくばらまいたら、その効果はほとんどゼロでしょう。結局これは、最初から「年金・医療の増加分1兆円」「医療の研究開発や農業を含めた成長戦略に関連する事業、子育て支援3000億円。」という、付け焼刃的な「しょぼい」予算を、さも1.3兆円の大決断のようにかっこよく見せ、かつ選挙において建設業者の協力を得るために最初は公共事業予算に計上するという、極めて意図的に仕組んでいたことだと勘ぐられても仕方がないものと思います。
このブログでも複数の方からご指摘がありますが、政治にある程度の「戦略」が必要なことはその通りでしょう。「朝三暮四」も、時には活用すべきでしょう。しかし、あまりに選挙目当ての数字いじりでは振り回される方が迷惑ですし、その結果、結局は「公共事業にも医療にも年金にも研究開発にも農業成長戦略にも子育て支援にも」と言う形で、付け焼刃の改革がなされるだけで、根本的問題は一切解決しないという事態が続きます。「朝三暮四」の故事成語の通り、朝4つ夕3つのどんぐりの配分を、朝3つ夕4つに変えるだけの政治では、日本の社会保障制度の問題は解決せず、成長戦略も実現しません。
巨大与党は巨大与党らしく、数字いじりではない日本の政治経済社会システムの抜本的改革に取り組んでいただきたいと、思います。
朝三暮四はもううんざりです。民主党政権の、二の舞にならなければ良いのですが・・・。実現可能な政策を考えて欲しいものです。
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