政治と金の問題が世の中をにぎわせています。この問題に関して我が自民党は「基準が出来ればそれに従って公開する」と言う立場を取っています。一般の方から見るとこれは「やましいことが無いならさっさと公開すればいいのに、何故?」と思われることと思います。それは勿論最もなのですが、初めて政治をやってみた私から見て、「止むを得ない部分もあるので理解してもらえると有難いな」、と言うところもあります。その辺を弁解がてら説明させていただきたいと思います。
先ずは「家賃ゼロ」にも関わらず結構な額の事務所経費を計上しているところが少なからずある点についてですが、実際やってみると、政治は驚くほどお金がかかります。と言っても、別段「ふふふ、越後屋、おぬしも悪よのう・・・」と言うような世界が展開されているからではありません。極普通の後援会活動を行うだけで、あれよあれよと言う間にお金が飛んでいってしまうのです。例えば私ごときの後援会でも、既に登録者数は5000人を超えています。この方々にA4版の会報を郵送すると、1通80円として、それだけで40万円になってしまいます。ブログでも書きました「男前ポスター」も、品質にもよりますが、数ヶ月雨風に耐えるものとなると一枚300円〜500円にはなります。これを1000枚用意したらそれだけで50万円になってしまいます。又事務所を構えたら、例え家賃が格安でも、事務の方を数人雇わなければなりません。その人件費は少なく見積もっても500〜600万円にはなってしまいます。事務所経費は「事務所の維持に通常必要とされるもの」と言う曖昧な定義ですので、少なからぬ事務所で、そんなこんなの諸経費をひっくるめて高額の「事務所経費」が計上されたものと思われます。
勿論「そんなのは別に疚しくないのだから、公開すればいいではないか」と思われるかもしれませんが、例えば人件費のように、「A秘書の給料がB秘書より高いことはB秘書には内緒にしているのに、ばれたら喧嘩になるよなぁ・・・」と言うような微妙なものもあります。又事務所経費とは違いますが、ポスター代一つ取っても「A代議士は300円でポスターを作っているのに米山は500円で作っていて贅沢だ」と非難されてしまうかもしれません。更に私は「男前ポスター」を作成するに当たってメイクさんに「御化粧代」を支払っていますが、これだって「気取っている」と揶揄の対象になってしまう可能性があります。メイク代くらいならご愛嬌ですが、中には高額の「かつら代」や「しわ取り手術代」のように疚しくは無いけれど絶対人には知られたくない支出を計上している方もあるでしょう。統一の基準で皆いっせいに公開するならまだしも、「曖昧な基準」故にその辺の微妙な問題を処理せずに計上していたものを、後から、「こいつは怪しい」と言う恣意的な判断で槍玉に挙げられたらたまったものではないと言うのは、理解できなくも無いと思っていただければと、思う部分はあります(歯切れが悪くて恐縮です)。
ただ勿論、物事には限度と言うか節度というものがあります。「曖昧な基準」に甘えて、「事務所経費の中に」雑多なものを放り込んでしまっているが故に、その公開に「新たな統一基準」が必要だと言う事は望ましくはなくても理解していただける部分があると思うのですが、「電気、ガス、水道の使用料及びこれらの計器使用料等をいう」と明確に提示されている光熱水費の公開に「新たな基準が必要」と言うのは正直常識的論理ではありません。恐らくは「別段疚しい事に使ったのでは無いけれど、定義通りではない支出や少々公開しづらい支出を放り込んでしまっていた」故のことと思いますが、ここはそれを素直に認めて、きちんと謝るのが、政治家としての筋であり、それ以前に節度ある態度というものだと、私は思います
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