昨日自民党安倍総裁がTPP交渉への参加を表明しました。経緯はともかく、私はその決断に賛成であり、歓迎します。
しかしより重要なのは、ここからです。「聖域を守る」「国益を守る」と言うのは容易ですが、その実現はそう簡単ではありません。是非政府には全力で頑張っていただきたいと思います。
と同時に、私たちは、たとえ農産物数品目の関税が残ったからと言って、それだけで農業が守られるわけでも国益が守られるわけでも全くなく、農業も、国益も、私たち自身の汗と努力によって守らなければならないことを、強く認識すべきです。
カエサルではありませんが、賽は投げられました。後は、この状況下で勝ち残るために、全力を尽くす以外にありません。
農業は、集約化に向け、大きく舵を切るべきです。「とおりすがり」さんが別稿で述べておられますが、「日本は特殊だから集約化は難しい。」と言い続けたその結果が、安倍総理自身が指摘している通りの、高齢化と後継者不足です。農地集約化に向けた土地取引については所得税、不動産取得税その他を一切免除するくらいの大胆な政策が必要でしょう。
そして何より、最大の対策、子供たち(学ぶ大人も勿論含みます)の教育に、私たちは思い切って国のリソースを投入すべきです。TPPによって10年後に、わずかな例外は残して、人・物・金の移動が自由になります。その時国を守ってくれるのは、その状況で堂々と外国と渡り合える「人」以外にありません。今10歳の子供は、10年後には20歳です。今20歳の青年は10年後に30歳です。この「残された10年間」に、彼ら(若しくは私たち)が、必死で学び、必死で働く以外に、日本の農業が、日本の国益が、日本自体が、生き残る道はありません。
しつこいですが、道路と橋を作り、「土木工事」で「国土」を強靭化して「災害に備える」だけで、10年後、日本が、東南アジアをはじめとする各国との競争に生き残れるほど世界は甘くありません。
勇気ある決断をされた安倍総理が、日本の最後の力ともいえる200兆円の予算を、土木工事のみに費やすのではなく、社会保障改革に使って「医療・福祉」を強靭化し、農業改革に使って「農業」を強靭化し、教育改革に使って「人」を強靭化して、「TPP後の世界競争に備える」こと、つまりは「日本の未来に備える」ことを、心より期待します。
なぜ集約化にこだわるのか理解に苦しみます。
そして特殊な事(前述の地権者の違い等)という事で述べられていることへの対策として挙げられている(農地集約化に向けた土地取引については所得税、不動産取得税その他を一切免除するくらいの大胆な政策が必要でしょう。)という例が全く対策になっていない気がするのですが・・・。
土地を手放してもいいと思っている人に対しては有効でしょうが、手放したがらないんですよね?
「よくわからない」さん、コメントありがとうございます。
お返事が長くなりますので、稿を分けてアップさせていただきました。ご参照いただけると幸いです。
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