ニュースの感想
安倍総理が、外資系の証券会社が開いた投資家向けの講演会において、「日本は『買い』です」とのメッセージを寄せたと報道されています。
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気持ちは分かりますが、感心しません。総理大臣は、日銀に対する影響力、財政当局に対する影響力、更には、各種年金基金に対する影響力を使って、比較的容易に、少なくとも短期的には、株価を上下できる立場にあります。これは、「当面異次元の金融緩和は続く。」「消費増税に対する追加的財政出動が決定したに違いない。」といった推測を惹起して、ある意味で究極の、「特定の投資家に対する、インサイダー情報の提供」となりうる可能性があります。
勿論安倍総理にそんなつもりはないでしょうが、しかしたとえば相場が下げに転じたときに、総理の立場を慮った当局者が、何らかの手を打たなければならないという無用のプレッシャーを感じる可能性も否定できません。
また、総理の言を信じて株を買った投資家が仮に損をして、「総理が言ったことを信じて買ったら損をした。日本国として損失を補填して欲しい!」といってきた場合、もちろんそれに応じる義務はありませんが、しかし倫理的に寝覚めの悪い思いは残ります。
私は文句ばかりつけていますが(野党ですのでご容赦ください-苦笑)、冷静に見て、安倍総理は現在のところ大変うまくやっておられます。その評価は、黙っておられれば、自然マーケットが下してくれるでしょう。
一国の総理が、限られた特定の投資家に対して、マーケットの特定の動きに言及することは、厳に慎むべきものと思います。
米山さんのように、「物事をより良い方向に持っていくために、改善すべき点を適切に指摘し、代替案を出す。」このような文句のつけ方であれば、全く問題ありません。某最大野党のように、ろくに代替案も出さず、安倍政権の揚げ足を取って、あれもこれも否定するような、見苦しい方法は感心しませんが。
さて、今回の安倍総理大臣の発言ですが、これは、一部の投資家に有益な情報を与えていますので、適切な発言ではありませんね。総理の、「日本の景気を上向きにしてみせる。」という意気込みはご立派なものですが、規則はきちんと守り、御自身の品格を落とすことの無いようにして頂きたいと思います。
新潟県民さん、コメント、ありがとうございます。そういって頂けると嬉しいです。頑張ります。
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