ニュースの感想
率直に言って、言葉は悪いですが、支離滅裂です。3%の増税で景気が腰折れするのを防ぐのに、2%バラ撒くなら、誰が考えても最初から1%の増税にすればいいだけのことです。また既に別稿で指摘していますが、3%は国民全員から平等にとっておきながら、2%の経済対策は公共事業中心で土木建築に流れるのですから、これは好き好んで所得の不平等を作るということです。極めつけは、「減税分を給与上昇にせよ」ですが、どう考えても2%の経済対策による給与上昇は、増税による3%の実質賃金の低下より低く、しかもそれを実行できる企業は限られます。国民のほとんどすべての人の実質賃金を3%低下させたくないなら、普通に考えて消費税増税をやめるのが一番です。
私は従来、「増え続ける社会保障を賄うためには、消費税増税はやむを得ない。」と主張してきました。そうである以上、経済対策は規制緩和を中心とし、必要な財源は行財政改革で確保しなければなりません。それをせずに、消費税増税の2/3、過半数を公共事業に突っ込んでしまうなら、「社会保障の継続性の確保」と言う意味は雲散霧消してしまいます。
そして「景気対策」と言うことなら、上述の通り、「消費税を上げない」と決断しさえすれば、消費税を上げた場合に比べて何も言わずに「全国民」の給与を、一律3%上げる効果があるのですから、最も効果的です。
繰り返し、これならいっそ、消費税増税はやらない方がましです。
安倍総理、政府与党は、どう見ても、「社会保障の持続性よりも景気の回復が最優先」と考えているように見えます。そうであれば、堂々と、「社会保障のことは後で考えるから、景気回復の為に消費税増税は先送りします。」と言うのが、正直で、かつ効果的でしょう。
本当のところやる気のない社会保障の持続と言う建前の下消費税増税を実行しておきながら、結局その大半を景気対策に費やすのは、朝三暮四であるばかりでなく、非効率で、景気対策としての効果すら十分に発揮できません。
せっかく圧倒的多数を取り、その気になれば、今の日本に必要な改革、必要な対策を打つことが出来る立場にある政府与党が、八方美人的弥縫策を繰り返していることに、強い危惧を覚えます。
ご意見賛成です。景気が良くなって欲しいから消費税は上げません.」と言ってもらった方が安心してお金を使うことができます。車や住宅の駆け込み消費による反動は大きいんじゃないでしょうか?そして何の恩恵も受けられそうにない、私たち零細企業に勤める者の生活は実際はどうなるのでしょうか?何だか太鼓の音が大きくてつられて遠くで踊っているような国民の姿にも見えるのですが......
消費増税は、これから増え続けるであろう、社会保障費に当てられる予定であったはずです。それを大企業のみ優遇の経済対策に当ててしまうのは、大変不公平なことです。政府は、格差社会を作るつもりなのでしょうか。消費増税の目的を、もう一度考え直して欲しいと思います。
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