活動報告
自民党の西川TPP対策委員長が、自民党が聖域として守るとして公約で掲げていた5項目568品目について、一部の品目の関税を撤廃する検討をするべく、「方針転換をした」と報道されています。
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正直に言って、失笑ものです。
現在FTAでは、関税自由化率は90%以上が世界の潮流となっています。「より高度な貿易の自由化を目指す。」としてスタートしたTPPが、関税自由化率95%程度を目指すであろうことは、TPPの議論がスタートした時から、何度となく指摘されていたことです。
「5項目の関税は聖域として死守する」
は、方針転換などではなく、「TPPに参加する」と言った瞬間から、「守れない約束」でした。
私は衆議院選挙、参議院選挙を通じて、一貫して「TPP交渉参加賛成」「TPPに参加する以上5項目の死守は不可能であり、むしろ早期に農業保護対策を策定すべき」と訴えてきましたので、結論そのものは、やむを得ないものだと思います。
しかし、衆議院選挙において自民党の対立候補は、「TPP交渉参加絶対反対」とTVインタビューをはじめ各所で明言されていました。参議院選挙における対立候補は、「5項目を死守できなければ、TPP脱退。」と踏み込んだ表現をされていました。
確信犯的選挙戦術で、それでいいんだという意見も、勿論あるでしょう。しかし、選挙のたびに、それぞれの政党が「守れない約束」を繰り返し、ものの半年もせずにそれを撤回しては、「○○だから公約違反に当たらない」と開き直りの弁明をされるのでは、それを信じた人は多大な迷惑をこうむりますし、政治の信頼性と言うものが大きく損なわれてしまいます。
汚染水のコントロール、大胆な規制緩和、景気回復と財政再建の両立、安倍総理は、既にたくさんの、極めて重要な約束を国民のみならず世界に対してされています。それらが、「有権者の心を繋ぎ止めるための守れない約束」ではないことを、祈ります。
TPPの方針を変えるというのは、公約違反だと思います。5項目の関税を、「死守する」という強い言葉を使って表明していたのにも関わらず、あっさり方向転換しようとしています。当然、国民の怒りを買い、自らの信用を失うことになるでしょう。公約違反をするとどうなるかは、民主党政権を見て十分に分かったはずです。政府には、現実をしっかりと見据えた政策を考えて欲しいと思いました。
その一方で、米山さんの読みが正しかったと証明されました。やはり、TPPで国際協調を図る一方、大規模な農業改革で、強い農業、続けられる農業を実現することが必要だと、私も思いました。
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