ニュースの感想
昨日、特定秘密保護法成立しました。「南魚沼参だめひかり」さんのコメントへの回答を含め、私の意見を述べさせていただきます。
安全保障上、特定秘密保護法が必要であることそれ自体に、私は異論はありません。それは維新の会も同じです。しかし、担当の森大臣の答弁が事項によって二転三転し、ほんの昨日になって突如「秘密指定・運用の監査機関」の話が出てきているように、この法案は、実際問題非常に生煮えです。その上生煮えの部分は要するに、すべて「官僚丸投げ」状態になっていて(事務次官を集めて運用の監視を図るという案も突如出ており、「官僚丸投げ」法案の運用の監視を更に「官僚に丸投げ」する状況になっています。)、正直官僚が好きなように特定秘密を設定して、好きなように延長できる状態になると考えてよいと思います。
その結果生じるのが、左翼の方々が言うような「戦争の危険」や「治安維持法時代の再来」だとは、私は正直思いません。いくらなんでも時代が違います。
私が恐れるのは、むしろ、「官僚の失態や意図的サボタージュ、天下りをはじめとする利権構造等々」が意図的、組織的、継続的に隠ぺいされることです。
何せ秘密は40万件を超えます。この指定、運用、監督の方法をきちんと決めずに法律を作りこれを官僚に丸投げしたら、巨大な官僚組織は、いくらでも理屈をつけて、自らの不祥事や利権構造をこの秘密の中に潜り込ませることが出来るようになります。勿論多くの官僚の方はまじめに職務に取り組まれるのでしょうが、組織的に不都合な事態が発生した時に、「この際秘密指定に紛れ込ませて隠蔽してしまえ。」という誘惑に勝てるほど高潔な人ばかりだと考えるのは、非現実的でしょう。
実際官僚の組織的隠ぺいは、薬害エイズ、警察不祥事、福島原発事故と何度となく発生しており、それがいかほどに日本と日本国民を傷つけたかを我々は既に十分学んでいるはずです。
したがって私は、特定秘密保護法を作ることそれ自体には賛成ですが、秘密の指定方法、運用方法、監督方法を厳格に定め、官僚による乱用の危険がない、かっちりとした制度を作り上げてから、それは実現されるべきことだと思いますので、現在のように、「とにもかくにも官僚任せで作れば良い。」と言う与党の姿勢には、正面から反対します。
衆議院選での自民党の大勝以来、何かと物事を「右か左か」「親国家か反国家か」「自民党に賛成か反対か」だけで人を判断する論調が増えているように思います。しかし特定秘密保護法ひとつとっても、その問題点・影響はきわめて多岐にわたり、簡単に割り切れるものではありません。
一旦作った制度は、そう簡単に変えることが出来ず、思いがけない影響を社会に及ぼします。それをよく肝に銘じて、国民生活に負の影響が出ないようしっかりと考えて制度を作りこむのが、政治に携わる者の仕事だと、私は考えます。
追伸:南魚沼産だめひかりさん、自民党時代にお世話になったとのこと、大変ありがとうございます。機会を持てるようでしたら、是非地元、新潟、日本の未来について議論しながらとことん飲み明かしましょう(笑)。確かに私は相手構わず持論を展開する悪い癖がありますが(苦笑)、右の方とでも左の方とでも勿論真ん中の方とでも、喧々諤々、朝まで楽しく議論し続けられるうえ、酒飲みの地魚沼にあって、ほぼ誰にも飲み負けたことがないくらいお酒が強いという良い癖もありますので(笑)。
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