昨日の日本経済新聞の夕刊で、3月下旬に、オランダで開かれる核安全保障サミットに際して、米中首脳会談が開催されることが報じられています。
勿論これは日本と直接かかわることではありませんし、「なぜこの時期に、かつ急に米中首脳会談が設定されたのか」の真実を、確かめようはありません。
しかしあくまで推測として、私は、これが、アメリカが、「もはや日本に極東を任せておいても騒動を大きくするだけで事態のコントロールは望めない。今後は直接中国と話す。」と考えたことによるものであること-アメリカが、日本の、アジアにおけるアメリカの名代-アジアNo.1としての役割に見切りをつけ、米中による「アジアG2時代」へ踏み出す第一歩である可能性を、強く危惧します。
途上国への気前の良い援助で華やかに見える安倍外交ですが、昨年2月の極めて短い日米首脳会談と、シリア問題の根回しの為の会談の他、日米首脳会談は開かれていません。今の日米関係は、「緊密さ」をアピールする安倍総理の意図とは裏腹に、「目の前の問題があれば必要最小限で話す」域を出ていないのです。
冒頭の核安全保障サミットには、安倍首相も出席を検討し、日米首脳会談の設定を検討しているとのことです。それが実現するのか、実現したとしてそれは単なる「靖国釈明の場」になってしまうのか、それを超えて「日米の緊密な関係」を実現し、世界に向けてそれをアピールできるのか、安倍外交の真価が問われています。
また、米中同盟でしょうか。米国は日本を抑え、中国は北朝鮮を抑える事が、青木直人氏の言う、キッシンジャー・周恩来体制だったと記憶しています。基本、日本は敗戦国ですから。
>アメリカが、「もはや日本に極東を任せておいても騒動を大きくするだけで事態のコントロールは望めない。今後は直接中国と話す。」と考えたことによるものであること-アメリカが、日本の、アジアにおけるアメリカの名代-アジアNo.1としての役割に見切りをつけ、米中による「アジアG2時代」へ踏み出す第一歩である可能性を、強く危惧します。
極東地域の安全保障を日本がアメリカに任されているようなことはないと思います。あくまでアメリカの国益,太平洋の権益の確保のお手伝いをしているだけだと思います。
日本がこの事態をコントロールできないので中国を認めるというのであれば,現在進行形で日本を含む周辺国への侵略の野望,武力による現状変更の試みを行っている中国をアメリカが認め,極東地域の安全保障,ひいてはアメリカの国益にかなっているとの認識でしょうか?
ハワイを含む太平洋の覇権への野心を隠さない中国をアメリカは認めないでしょう。
Takanoさん、コメントありがとうございます。少なくともGDPを見る限り、米16兆、中8兆併せて24兆ドルで、世界のGDPの72兆ドルの1/3を占めます。中国のGDPは近い将来(およそ10年程度)、アメリカに追いつき、その時米中で世界のGDPの1/2を占めることになります。その時日本のGDPは、人口減もあっておそらく今のままであり、世界経済に占める割合は、5%台になっているでしょう。単純な「米中対立構造」は過去のもので、望むと望まざるとにかかわらず、「米中G2構造(少なくとも経済的に)の中でいかに生き残るか。」を模索すべき時に来ているのだと思います。
ななしさん、コメントありがとうございます。おっしゃる通り、日本はアメリカのお手伝いをしています。問題はその「お手伝い」の役を外され、アメリカが直接中国と話すようになる、少し前に言われた「ジャパン パッシング」が現実のものになるのではないかと言うことです。
これもおっしゃる通りで、アメリカは中国の現状変更をそう容易に認めないでしょうが、とはいえ上記の経済的事情もあり、何らかの対処はせざるを得ません。その先導役に今までは日本を使っていたけれど、日本を使っても騒動ばかり増えてコストがかかる、これなら直接乗り出した方が早い、そういう計算になりかねないということです。
世界の情勢は、日本の国内情勢、我々の希望的観測とはまた別のところで動いています。現実を見据えて、世界の現状と日本の現状を冷徹に計算したうえで、最もいい立ち位置を得るのが、政治の役割だと私は思います。
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