靖国問題に端を発して、日米の亀裂が深まっているとの報道がなされています。
「日米首脳部が激しい応酬、関係亀裂の真相
(http://dailynew
また一方で、TPP交渉でアメリカの関税撤廃への要求は極めて厳しく、日本側は交渉脱退も考慮しているとのことです。
「甘利氏「国有企業で一定の方向性」 TPP閣僚会合2日目 米強硬姿勢続けば離脱も視野
(http://headline
私はこの状況を、深く憂慮します。
日米の亀裂の報道が真実かどうか確かめるすべは私にはありませんが、情報のディーテルに整合性があり、日米の政府関係者がリークしていることがうかがわれ、真実である可能性はかなり高いものと思います。
この「亀裂」がTPP交渉でのアメリカの対日強硬姿勢と直接つながっているか否かを確かめるすべもまた、私にはありません。しかし、外交は基本的に細かい貸し借り、メンツとメンツの応酬の積み重ねです。私は、アメリカのTPPでの強硬姿勢は、対日不信感に端を発しているものと推測します。
そしてそうである限り、アメリカはほぼ確実に、今後もTPP交渉で折れてこないものと思われます。日本は、大幅な関税撤廃の受け入れか、TPP交渉離脱かの二者択一を迫られるでしょう。
その結果がどちらであっても、日本は多くのものを失います。長期的にはともかく、突然の関税撤廃は、日本の農業に壊滅的な打撃をもたらすでしょう(私は、可能であるなら、時期的妥協を得ながら長期的撤廃を目指すべきであったと思います。)。
一方で安倍総理周辺が勇ましく「選挙公約を守れないならTPP脱退!」を選択した場合、今度は日本の産業全体が、長期的に壊滅的打撃を受ける恐れが強いものと私は思います。勿論今現在TPPは存在しないのですから、「TPPに参加しようがしまいがどれほどの影響もなく、現状維持が可能だ。」と、勇ましい方々は言うでしょう。
しかしそれは、アメリカと言う国の恐ろしさを、完全に見誤っています。彼らは、不合理な理由で自分たちの覇権を脅かす相手を、絶対に許しません。日本が今回、アメリカから見たら「日本国内の勝手な事情」で、一旦参加すると決めたTPPから脱退したら、アメリカは新たな立法をしてでも、国際的なルールを変えてでも、徹底的に日本を干してきます。如何にレームダックと言われていようが、オバマ政権は後3年続きます。そしてその間に作られたルールは、10年は続きます。その10年は、日本を国際経済の表舞台から退場させるには、十分すぎる時間です。
多くのおしかり受けてなお、私ははっきりと申し上げたいと思います。
無思慮な靖国参拝に見られる、徒に勇ましい方々の、徒に勇ましい言動は、これほど多くの犠牲、日本の安全保障を危険にさらし、日本の農業を壊滅させる危険を犯し、日本の産業の未来を潰すリスクを取ることに、値するものではありません。英霊には、何処からでも、新潟の護国神社からでも、どのようにでも、明日の朝にでも、参拝が出来ます。それで十分、英霊は国を守ってくれるはずです。
大げさだとお思いかもしれませんが、「英米何する者ぞ」と勇ましく国際連盟を脱退した日本がその後どういう道を歩んだか、私たちは思い出すべきです。
安倍総理とその周辺には、是非、冷静な判断と、それに基づく、日米関係の修復を望みます。
同感です。匹夫の勇というのでしょうか。言う事やパフォーマンスだけは勇ましいが、思慮が足りません。暴虎馮河ではなく、事に臨んで恐れ、謀をめぐらすのが賢明な政治家です。
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