極度に緊張が高まった後一旦落ち着いたウクライナ情勢が、アメリカ・EUの制裁発動で再度高まっています。
これに対して日本・安倍内閣はロシアに気を使ってどこか及び腰ですが、私ははっきりと、「米欧と歩調を合わせ、全面的に制裁に参加すべき。」と考えます。
ウクライナが東西で親欧米派と親露派に分かれており、どちらが正義と一方的に決めつけがたい複雑な背景事情があるのは、既に報道されている通りです。米欧に本当に大義があるのかないのか、正直定かではありません。
しかし、それは最初から当たり前のことです。「自由主義、民主主義、人権の尊重」と、「国家主義、独裁主義、人権の軽視」のどちらが正しいかを、論理的に決定することは出来ませんし、それ以前に欧米とロシアのどちらが前者でどちらが後者かを議論しだしたら、どちらも自分が前者、相手が後者であることを主張して論争が終わることはないでしょう。
そもそも最初からこれは、「どちらが正義かを判定する裁判」ではなく、欧米派と、反欧米派による、「どちらが有力か-どちらが勢力を広げるか-を決める覇権争い」です。そしてロシアは地政学と軍事でウクライナに自らの覇権を確保しようとし、米欧は経済力と外交でそれを確立しようとしているのです。
こういった争いの時に、どっちつかずの態度を取っていいことはありません。ロシアにいい顔をしたところで中途半端であれば領土での譲歩を得られるわけではありませんし、米欧に追随したところでロシアに妥協的であれば不興を買うだけです。
そしてどちらの側に日本がつくべきかの判断基準の第一は、「世界のパワーゲームにおいて、民主主義派が勝って欲しいか/勝つと思うか、国家主義派が勝って欲しいか/勝つと思うか。」、要するに、「民主主義派にベットするか、国家主義派にベットするか。」であり、希望においても勝算においてもその結論は明らかであると思います。
イソップ寓話の示す通り、蝙蝠はすべてを失います。私は日本・安倍内閣は、どのみち得られることのないロシアとの領土問題に目を眩まされることなく、はっきりと明確に、親ウクライナ、親米欧の立場を示すべきと思います。
クリミア半島はもともとロシアの領土でフルシチョフの時代に配置換えになっています。ロシア人が多く住んでいるので、それを保護するのは当然でしょう。たとえ、領土を取り戻すことは昔の拡張主義だと批判しても、住民保護は問題ないのではないでしょうか?
ましてやクリミア半島以外のウクライナ領土内で軍を展開しているわけではないですし。ロシアを追い詰めることで、日本の国益はそれほど多くないように思えます。
むしろ、欧米がウクライナを金銭的に支援するために日本をATMのように見ている方が問題だと思います。
アメリカに追従して何かメリットはありますかね?毅然とした態度は必要かと思いますがやはり北方領土返還のチャンスです。ロシア制裁したらそれが遠のくだけですよ。 キャロラインの無能の件から日本国民もアメリカに疑念を抱いています。
ロシアにごまをすったところで、北方領土が返ってくる事は、100%無いと見てます。
「さて」さん、「マルコム」さん、「takano」さん、コメントありがとうございます。
三者三様の見方と言うことでしょうか。ただいずれにせよ私は、日本は本件で自分の立ち位置を絶対に間違えてはいけないと思います。日本は冷静に見て、どう見ても、西側陣営の一員です。間違ってもロシア陣営の一員でも中国陣営の一員でもありません。
西側陣営の中で少しばかり自分の主張が通らなかったからと言って、また相手方であるロシア陣営から少しばかりリターン(領土)をちらつかせられたからと言って、中途半端な態度をとれば、西側陣営内での日本の立場はなくなります。その損失は北方領土の返還の蜃気楼で埋め合わせられるようなものではありません。
また、非常にそもそもですが、万が一と言うことなら、ロシアが北方領土を返してくれる可能性もなくはないのでしょうが、それがありうるなら、千が一位の確率で、むしろロシアが北海道に侵攻する可能性だってあります。そして勿論、中国がこの機に乗じて尖閣に上陸してくることだって、大いにあり得ます。
その時日本を守ってくれるのは、軍事的にはアメリカであり、経済制裁に参加してくれる可能性があるのは、ヨーロッパだけです。西側陣営に入ろうとするウクライナ、西側陣営を取りまとめようとしているアメリカ、さまざまなスタンスはあれそれに協力しようとしているヨーロッパに今手を貸せないなら、日本が困った時も、彼らは手を貸してはくれません。
安倍政権の、冷静、適切かつ果断な判断が、今正にに求められていると、私は思います。
間接的に信頼関係を維持すること自体否定しませんが、日本人の血税を使う代償としてもう少し明確な国益を要求していいんじゃないですか?むしろ安倍首相の今の立ち位置なら仲裁できる絶好機会ではないかと思いますが。やるかどうかは分かりませんけど。
さて、仮に外国で日本人がその国の軍隊に襲撃されたときは、米山さんは日本はどうすべきとお考えかお答えください。
「さて」さん、コメントありがとうございます。
>日本人の血税を使う代償としてもう少し明確な国益を要求していいんじゃないですか?
仮に中国が尖閣に上陸した時、同じ議論がアメリカで起こった場合、我々は何と答えるのでしょうか?
私たちは、「同盟」であり「仲間」だからアメリカから守ってもらえると信じ込んでいます。それなのに、その西側陣営の入ろうとするアメリカ、そしてウクライナの要請に応えずに、相手の足元をみて「国益」を要求するような国家は、まさに「蝙蝠」としてどちらからも信頼されず、何の「国益」も得られないと、私は思います。
>さて、仮に外国で日本人がその国の軍隊に襲撃されたときは、米山さんは日本はどうすべきとお考えかお答えください。
質問の趣旨を図りかねますが、自国民保護の為にやむを得ない場合は、相手国の了承を得ず軍隊を派遣して救出活動を国際法上も慣習的に認められていると考えてよいと思います。ただ、石破氏が記者会見で発言したように、「ロシア系ウクライナ人」の救出名目で、軍隊の持続的駐留を正当化することはできませんし、日本がそのような立場をとることは断じてあってはならないと思います。
議論がずれています。
尖閣諸島、竹島は外国の領土になったことはありません。しかも、無人島の時間が長かったのです。
クリミア半島は、元はロシアの領土でフルシチョフの時代に委譲されています。住民もそのまま管轄が移されました。その住民の意思によって移りたいと言っているのです。後から人を送り込んで独立宣言したのではありません。
尖閣、竹島はそのような状況ではありません。
>自国民保護の為にやむを得ない場合は、相手国の了承を得ず軍隊を派遣して救出活動を国際法上も慣習的に認め
これに反対しないことを聞いて安心しました。
民族自決権の行使によってバラバラになった旧ソビエト連邦のトラウマが根底にあるなぁ!これ必ずしも冷戦という地球規模のパワーゲームと直接の関係があったろうか?確かに米山さんの言うとおり、自由主義か共産主義か、資本主義か社会主義かといったイデオロギーの対立軸で捉えれば、歴史の軍配がどちらに上がったかは明らかとも言える。しかし、人間の可能性を100開花させ、ヨハン ガルトゥングのいう構造的暴力からの完全なる解放と世界人類の最大幸福社会の実現を政治の究極の理念とするのならば、日本国は孤高なまでの毅然さを発揮することで、世界に貢献できるのではないだろうか。政治は選択であり、現実に対応した決断である。しかしそこには崇高な理念と理想が必要だ。さすが米山さん!集まる人々の見識も素晴らしい。久々に熱くなりました。ありがとうございます^_^
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