活動報告
春闘のベアで大手企業が3000円程度の賃上げを回答しており、安倍政権はこれを「安倍ノミクスの効果」「経済の好循環の始まり」と大々的に喧伝しています。
勿論、賃金が下がるよりは上がった方が、良いに決まっています。月末にお財布に3000円残っていて、ちょっと一杯できるのは、ささやかな幸せであるのに間違いありません。しかし、そうはいってもこの月3000円のベースアップは、民間平均給与約400万円の、1%にすぎません。そして、安倍ノミクスによる金融政策によって、今年1月の物価は、前年より1.4%ほど上昇しています。
要するにこの賃上げは、物価上昇率にすら追いついていないもので、月3000円給与が上がったから、月末にはお財布に3000円残って一杯飲めると思っていたら、実は日々買うものが値上がりしていたせいで、最終的には1200円のマイナス、給料日前日はお昼ごはん抜き、と言うのが安倍ノミクスの実態なのです。
それでもベースアップしてもらえる大手企業はまだましですが、ベアゼロの中小企業では、1.4%の値上げによって、月4000円程給与が減少したのと同じ効果をもたらします。これらの企業に勤める人にとって、安倍ノミクスは、「給料日前の3日ほど、昼飯抜き」を意味することになります。
再三再四指摘していることですが、安倍ノミクスは、現在までのところ、金融政策で人為的にインフレを作りだし、一般消費者のコストで一部の資産保有者を豊かにしたにすぎません。これで経済が成長することはまずありえず、経済改革・規制緩和が望まれるのですが、安倍内閣が打ち出す経済政策は、どれも国家統制経済の色合いが強く、規制緩和はいずれも官僚によって換骨奪胎された実体のないものになっています。
安倍ノミクスの将来と、日本の将来を極めて強く憂います。
最近のコメント一覧