萩生田光一自民党総裁特別補佐が、「野洋平官房長官談話の検証に関し「新しい事実が出てくれば新しい談話を発表すればいい」と述べたと報じられています。
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私は、河野談話の見直しそれ自体は賛成ですが、この問題を巡る安倍政権の迷走ぶりには、流石にげんなりします。そもそも安倍総理は、少なくとも自民党総裁選では、「河野談話見直し」を明言し、本年の2月20日に明確に河野談話の「検証」を明言しました。ところが3月14日には、これまた自らはっきりと、「見直さない」と明言しました。それが本日3月23日には、側近の萩生田氏の「新しい談話」発言です。
これはどう見ても、外から見たら、「2枚舌」さらに悪く言うなら、「嘘つき」にしか見えません。やるならやるでころころ変わるべきではないし、最後までやれないなら、最初から言い出さない方がましです。「日本政府は簡単に前言を翻す。」、「日本政府に何を言っても無駄」と、思われることが、どれほど日本の国益を傷つけるのか、分かっているのかと、僭越ながら言いたくなります。
また、これで本当に「見直し」に進めばまだましでしょうが、韓国のみならずメンツをつぶされたアメリカの反発で、非常に高い確率で、日米韓首脳会談で安倍総理が、「新しい談話は出さない。」と明言するか、若しくは菅官房長官が記者会見でその見解を発表することになるでしょう。その時「従軍慰安婦問題」は完全に現状で固定します。
まともな戦略も持たず、場当たりに言いたいことを言っても、ただ単に実現しないばかりではなく、その実現はむしろいっそう困難になります。再三再四、最後までできないなら、最初から言わない方がましです。
自民党は、何かにつけて民主党の外交を批判します。しかし冷静に見れば、従軍慰安婦問題に対する安倍政権の迷走ぶりは、普天間基地移転を巡る鳩山政権の迷走とまったく同じように、国益を害し、日米関係を棄損しているとしか、評価しようがありません。
「武士に二言はない」日本人が昔から持ってきたこの美意識を、トップの方こそ持っていただきたいと、切に思います。
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