先日、本間税調会長が辞任しました。表向きは色々といわれていますが、実質は「愛人問題」での辞任でしょう。
私は、この問題は正直に言って双方に迷走を感じます。本来的に議論されるべきは、「相場50万円の施設に、7万7千円で入居できることを定めた『規則』の是非」であるべきでしょう。それがもし許されるなら愛犬と住もうが愛人と住もうが「規則」に従って届け出ている限り(今回はこの辺にも疑義がありますが)、倫理上の問題はありますが、少なくとも公にはとやかく言われる事ではないように思いますし、適切でないということであれば、一人で住もうが家族と一緒に住もうが公にはやはり問題なのだと思います。又これは一人税調会長のみに当てはまる問題ではなく、公務員全員についてあてはまる問題です。今回の件で、本間氏自らが「渋谷のあの物件に7万7千円で入れてくれ」と言ったとは考えづらくて、恐らくは本間氏が「どこかの宿舎に入れてくれ」といったのに対して財務省の担当者が、「それでは先生、調度渋谷の宿舎があいております。家賃は規則で7万7千円となっております」と応じて本間氏はそれに従っただけと考えるのが普通でしょう。それであればこの「規則」は全公務員(恐らくは財務省の職員)に適応されているはずです。
私は公務員に対する補助の全てが悪いとは思いません。議員会館はそれこそ都心の一等地にあります。そのオフィス料を民間の相場で取っていたら、議員活動の多くは成立しないでしょう。ほとんど終日勤務が続く省庁の官僚があまりに遠くに住んでいたら、それも又国家運営に支障をきたすでしょう。問題は、補助を提供する必要性と、徴収する対価の適切さをきちんと議論して、合理的で明快な基準を定めることだと思います。
本間氏は宿舎を出て行きましたが、「規則違反に当たらない」と言うその「規則」がそのままである以上、同じ宿舎にまた誰かが、同じ7万7千円の家賃で入居します。その中には、同居人がいる人もあるでしょう。本間氏であれば悪かったことが、財務省の局長であれば何の問題にもならないと言うのは、いかにもバランスを欠いているように私は思います。
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