橋下氏が私に対して,

 ほんと現職新潟県知事の米山は頭の悪さは天下一品だね。批判すること先にありきで理屈をこねくり回し、肝心なところは読み飛ばす。古賀茂明と同じ。
僕は大阪府が当初内規(私学審査基準)違反したことは認めている。内規を変えたというのは、まさに平成29年7月のこと(http://blogos.com/article/285979/

とおっしゃられているとの記事がBLOGOSに掲載されておりますので、少々長くなりますが、事実関係を示した上で、疑問点を示させていただきたいと思います。

 先ず事の発端は、氏の以下のツイートです。

・完全に事実誤認。もっとしっかり取材しなさい。個人の名前を出したら名誉棄損は確定だよ。大阪府は条件付き認可適当として審議のテーブルに上げただけで最終的な認可はしていない。最後は学園が申請取り下げ。内規に違反していたことは事実。しかしそれは内規の方がおかしかった。 https://twitter.com/kogashigeaki/status/975643418230628352

・借地上に校舎を建てることを禁止した理由は何か?それは財務的に破たんした際にせめて校舎だけは残す趣旨。それなら財務上問題なければ借地上の校舎でも問題ない。だから内規の方がおかしかったので、大阪府は借地上の校舎でも審議のテーブルには乗せる内規変更を行ったらしい。

・森友学園が普通の学校でお金も十分に持っていた場合、この規定でしゃくし定規に申請を却下したら、あなたは新規参入を認めろ!既存の私学の保護だ!と大騒ぎしていたでしょう。事前の却下をできる限り避けて、審査のテーブルに上げてしっかり審査することが既得権打破の黄金則。一から勉強しなさい。

・しかし、ほんと古賀茂明も頭が悪いというか、感情先行型。いつも改革、改革、既得権打破!規制緩和!と騒いでいるのに、自分の気に食わない相手には、もっと規制強化しろ!と言う。どっちなんだよ。借地上の校舎を禁じるルールが妥当なのかもっと考えろ。おかしなルールは変えるのが改革だ。ボケ!(http://blogos.com/article/284877/

 この一連のツイートはそもそも①借入金がある法人の小学校設立を禁止する内規(審査基準)の事を言っているのか、②借地の上に校舎を建てる事を禁止する内規(審査基準)の事を言っているのか、二つの話が混在していて非常にわかりづらいものです(分かりづらいのは私の頭の悪さもあるでしょうが、そもそも氏が意図的か意図的でないかはさておき、どの内規にいつ違反し、どの内規をいつ変更したのか書いていない事が大きいと思います。)。

 ただ、ともかく大阪府は(1)規制緩和・既得権益打破の観点から内規の方がおかしいから内規違反をした(それが①の内規か、②の内規かは文章からは不明確)。(2)「内規の方がおかしかったので、大阪府は借地上の校舎でも審議のテーブルには乗せる内規変更を行った」の二点は明確に書いてありました。

 私は(1)(2)から、
(A)恐らく内規違反は①の方で、②の借地の上に校舎を建てる事を禁止する内規の方は、内規変更を行ったうえで審議のテーブルに乗せたのだろう。
(B)仮に②の内規変更を行わずに内規違反をして審議のテーブルに乗せたにせよ、(1)(2)と言っている以上、内規はすぐに変更したのだろう。
と考えました。

 そこでこれを確かめるべくGoogleしてみると、他ならぬ大阪府が平成29年8月7日までに実施した「森友学園瑞穂の國記念小學院設置認可申請に関する大阪府検証(監査)報告」と題する文書.pdf がヒットしました。
 私自身の記事「森友学園瑞穂の國記念小學院設置認可申請に関する大阪府検証(監査)報告書(http://blogos.com/article/285756/)」に詳述しているところですが、この報告書によると、内規変更の時系列は以下の通りとなります。

・平成23年11月
籠池理事長が、橋下府知事に対し、小学校設置の基準の見直し(緩和)を要望

・平成24年4月1日
①の借入金がある法人の小学校設立を禁止する内規を、パブリックコメントを実施した上変更

・平成26年10月31日
森友学園が「小学校認可申請書」を府に提出。大阪府教育長私学課は②の借地の上に校舎を建てる事を禁止する内規を変更することなく、借地を「自己所有」とみなし(内規違反をして)、審査基準に適合するとの判断。尚この際、判断の根拠となる文書は作成されていない。

・平成26年12月9日
松井府知事が、大阪府私立学校審議会に「瑞穂の國記念小學院の設置」について諮問

・平成29年7月27日
②の借地の上に校舎を建てる事を禁止する内規を変更

 これを見ると、②の借地の上に校舎を建てる事を禁止する内規は事前に変更されていないばかりか、諮問から2年半以上も変更することなく放置され、この件が報道され問題視された後、パブリックコメントなしで突如変更された事が分かります。

これは上記(A)(B)の何れにも当たりませんので、私は橋下氏が事実誤認をしているものと思い、私の記事で、

大変僭越ながら橋下氏には、「他人の失敗は針小棒大に批判してこれでもかという程あげつらい、自らの失敗は潔く認める風で実は実態より小さく見せるいつもの手法は手法として、他人を罵倒してあげつらう時には、感情を先行させる前にせめて5分ぐらいGoogleで事実関係を確認したら如何でしょうか。」とは申し上げたいものだと思います。

としたのですが、それに対して橋下氏が、

ほんと現職新潟県知事の米山は頭の悪さは天下一品だね。批判すること先にありきで理屈をこねくり回し、肝心なところは読み飛ばす。古賀茂明と同じ。
僕は大阪府が当初内規(私学審査基準)違反したことは認めている。内規を変えたというのは、まさに平成29年7月のこと(http://blogos.com/article/285979/

と反論してこられたわけです(尚、氏の指摘を受けて私は,元記事「森友学園瑞穂の國記念小學院設置認可申請に関する大阪府検証(監査)報告書(http://blogos.com/article/285756/)」を訂正しています。)。

 さて、やっと解説が終わって本論になりますが、橋下氏のこの主張は適正なものでしょうか?改めて氏のツイートを読み返すと、どちらの内規違反がいつ行われ、どちらの内規がいつ変更されたのか記載されていませんから、わたしの頭が悪くて読み間違えたのか、そもそも氏の文章からは私の様に理解する方が普通なのかはさておき、少なくとも氏の主張する「内規を変えたというのは、まさに平成29年7月のこと」と解釈すること自体は可能です。

 しかしです。そうだとすると、大阪府は、平成26年10月31日の時点で、②の借地の上に校舎を建てる事を禁止する内規が、規制緩和・既得権益打破の観点からおかしいと考えて、借地を「自己所有」とみなし(内規違反をして)、大阪府私立学校審議会に「瑞穂の國記念小學院の設置」について諮問したにも関わらず、その後2年半以上もこの内規を変更することなく放置し、この件が報道され問題視された後、パブリックコメントなしで突如変更した事になります。
 これは明らかに、氏の説明と矛盾します。②の借地の上に校舎を建てる事を禁止する内規が、規制緩和・既得権益打破の観点からおかしいと考えたなら、すぐに変更しなければ、全く規制緩和も、既得権益打破もできません。森友学園についてだけ内規違反を犯して借地を「自己所有」とみなし借地を「自己所有」とみなして審議会に諮問しておきながら、これを2年半以上、事件が報道されて問題視されるまで放置していたという事は、少なくともこの2年半以上の間、この内規変更(違反)を、森友学園以外には適用するつもりはなかったものとされても止むを得ないものと思います。

 また、変更の時期の問題を置いておいても、②の借地の上に校舎を建てる事を禁止する内規が、規制緩和・既得権益打破の観点からおかしいと考えて特例措置を取ったなら、正々堂々その旨の文書を残しておくのが普通であり、この意思決定に関する文書が一切作成されていない事も全く説明がつきません。

 大阪府が、[1]規制緩和・既得権益打破の観点からおかしいと考えて森友学園に内規違反をしたのに、何故その後2年半以上内規を変更をせず放置したのか、[2]規制緩和・既得権益打破の観点からおかしいと考えて森友学園に内規違反をしたのに何故その理由について文書を作成しなかったのか、私は全く知りませんし、その是非について論ずる立場にもありません。

 しかしながら橋下氏は、大阪府は規制緩和・既得権益打破の観点から内規違反をし、かつその内規も変更したから違法性が軽いと主張しているのですから、上記[1][2]について、常識的に考えて納得できる、明確な説明すべきだろうと、私は思います。


  • コメント (0)
  • トラックバック (0)
トラックバックURL :
http://www.election.ne.jp/tb.cgi/99857

エレログTOP | エレログとは | 運営会社 | 免責および著作権について | お知らせ

政治家ブログ”エレログ”地方議員版ができました。参加お申し込みはこちらから

政治家専門サイト ele-log 国政版 お申し込み 政治家専門サイト ele-log 地方版 お申し込み
国会議員、都道府県知事、市区町村長、都道府県議、市区町村議、および立候補予定者専用

Copyright by Promote committee of Online-Election.,2001-2007, all rights reserved.
ele-log and the ele-log logo are registered trademarks of
Promote committee of Online-Election