活動報告

憲法改正

  • 米山 隆一
  • at 2007/5/05 21:01:12

 5月3日は憲法記念日でした。現在自民党が憲法改正のための手続きを定めた「国民投票保運案」の採決を進めていることもあって、「憲法の改正」が政治上の大きな課題になっています。

 現在あまり話題に取り上げられなくなっているのですが、実は自民党はこれに先立つ、2005年の11月22日に、森元総理大臣を委員長とする「新憲法起草委員会」によって、「新憲法草案」を出しています( http://www.jimin.jp/jimin/shin_kenpou/shiryou/pdf/051122_a.pdf )。興味のある方は是非ダウンロードして中身をご覧になって下さい。

 この草案に対する私の意見の一部を記します。

1. 現憲法の前文は大変格調の高い名文で(多少「翻訳調」は気になりますが)、国民にも浸透していると思われるのであえて改正しない。自主憲法、国家に対する責務、環境に対する取り組みは、「日本国民は、自らの意思と決意に基づき、前憲法の崇高なる精神を受け継ぎつつ、新たな時代を切り開く為に、新たなる憲法を制定する・・・」とした第二の前文にいれる。
2. 象徴天皇制の維持には全面的に賛成(巷で取りざたされている「元首制」への移行には反対)。
3. 「総理大臣の衆議院の解散権限」の明確化に賛成。
4. 9条の1項 「戦争の永久放棄」の維持に賛成。
5. 9条の2項 「自衛軍」、「集団的自衛権」の明確化に賛成。正式名称は「自衛隊」のままでもかまわない(どの道英語表記は Self-defense force です)。
6. 12条 「国民の責務」で「公共の福祉のために」から「常に公益および公の秩序に反しないように」への改正に反対。-自由は公共の福祉に反しないように行使しなければならないのは当然で、いずれの文言を選ぶにしても、それは象徴的なものにすぎません。しかし、それでも私は、日本が、「リスクを負ってもあえて自由を取る」事を明言する社会であって欲しいと思っています。
7. 13条 「個人の尊重」で「公共の福祉に反しない」から「公益および公の秩序に反しない」への改正に反対。理由12条と同じで、あくまで象徴的なものに過ぎないとしても、「最大限個人の幸福追求を尊重する社会である」と宣言して欲しいと思います。
8. 14条 「法の下の平等」に「障害の有無」による差別の禁止を導入することに賛成。
9. 19条の2 「個人情報の保護」の導入に賛成。
10. 20条 「信教の自由」で世俗的な宗教行為を容認することに賛成。

 改正点はこの他たくさんありますが、その一つ一つに意見を述べていくのはあまりに長くなってしまいますので、割愛いたします。上記の点を含めて私の意見をまとめると、

1. 人権と平和主義を高らかにうたう現憲法の崇高な理念を維持しつつ発展的改正を行う。
2. 戦争の放棄は明示しつつ、自衛隊の存在と集団的自衛権を明確化する。
3. 自由が公共の福祉に反しないように行使されなければならないのは当然だが、濫用のリスクを犯しても尚自由と幸福を追求する社会である事を、宣言する。
4. プライバシー、環境、知的財産等時代に即した権利を導入する。
5. 内閣総理大臣の権限を明確化する。
6. 2院制のあり方については詳細な検討を要する。
7. 地方自治のあり方については詳細な検討を要する。

 となります。こんな事を言うと怒られてしまうのでしょうが、憲法のある部分は実際の政治に直結しますが、ある部分は単に理念的なもので、どの様な文言を選んでも現実にはそれほど影響を及ぼしません。しかしそういった全てを含めて憲法は「国のあり方」「国の精神」を問う極めて重要なものであると、私は思います(いわずもながでしょうが)。国民投票法案を契機に、多くの国民が憲法に興味を持ち、国民的議論を経て新しい時代にふさわしい新しく、崇高な憲法が作られる事を願うと同時に、政治に携わる者の端くれとして、少しでもよい憲法を作っていく為に、力を尽くしたいと思います


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