核兵器については、色々な意見があります。私は、今後どうなるかはともかく、戦後60年間第3次世界大戦が起きなかったのは核兵器ゆえであると、認めて良いと思います。この60年間、「核の抑止力」は確かに働きました。
しかし今、状況は変わりつつあります。かつての、「大国だけが核兵器を所有できる時代」は、過ぎ去りました。技術の発達と情報化・国際化があいまって、「北朝鮮」「イラン」といった、決して国としての技術力や生産力が高いとは言えない国も、核兵器を開発できる時代になりました。あと60年経ったら、もしかしたら単なる「ならず者」が、核兵器を開発できる時代が来ているかもしれません。
「核拡散防止条約」は、理念としては矛盾が多い条約です。何故時代のある時期に核武装した国だけに核兵器の保持が許され、その他の国には許されないのか、それは単なる「既得権益」であると、言えなくもありません。しかし、世界的体制を組んで、核開発と核物質を厳重に管理しなければ、早晩世界は、「大国間の核戦争」ではなく、「世界中に拡散した核兵器の偶発的爆発の危険」にさらされるでしょう。
北朝鮮の核実験の現実的危険が、高まっています。残念なことに、「核実験以前」に行える措置は、日本政府にとっても国際社会にとっても多くはありません。「核実験」の結果が北朝鮮の現体制の破滅に直結すると言う、具体的で明確なメッセージを送るとこと、全ての核開発を放棄して無条件で6カ国協議に復帰するなら、体制問題は問わないことを伝えること、現在行われているこれらの措置が、おそらく数少ない現実的な措置でしょう。
北朝鮮が、この日本と、世界のメッセージを真摯に受け止めることを、祈ります。
話題になっている国際的核燃料銀行の設立という選択肢は有効なのでしょうか。。。?
以下ニューヨークタイムズの社説日本語訳です。
http://lancomne
kenさん、コメント有難う御座います。 「国際的核燃料銀行」アイデアは素晴らしいと思います。しかし残念ながらそれは「世界警察」に似て、実現は難しいように思います。国際的核燃料銀行を実際に運営しようと思ったら、巨大な核燃料製造施設を作るか、各国の核燃料施設を、国際機関の管理下におく必要があります。その技術と資金を持っているのは、大雑把に現在の常任理事国と、日、独くらいのものでしょう。日本は比較的積極的に動くとして、他の常任理事国が自らの核施設の自由度を狭めてまで、その様な体制を作ることに積極的に動く状況には今のところなっていません。 核の公平な世界的管理と言う理想は、各国、とりわけ既得権益を有する核保有国の利害と言う現実の前には、実現は困難に思えます。しかし一方で、現実を動かすのは、いつも、最初は非現実的に見える高い理想であることも事実です。 核と言う怪物を見つけてから100余年、人類はまだそれを管理する体制を築けていません。しかしそれにくじけずに、現実と折り合いをつけながら少しでも良い制度を構築する努力を、各国は続けていかなければならないと思います。 Posted
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