1月19日~21日の間、ハーバード大学の学生、Eugene Beh (馬 興明)さんが魚沼市に遊びに来ました。彼は昨年の8月、魚沼青年会議所が行った「高校生論文コンクール Boston Trip」で、私達一行をとても親切に案内してくれた素晴らしい青年です。
19日夜魚沼市に到着したEugeneさんを我が家(私の実家は「セイジロー肉店」と言う肉屋を経営しています)で、近所で美味しいと評判(?)の焼き肉と餃子で歓待した後、翌20日は魚沼市の須原スキー場でEugeneさん生まれて初めてのスキーとなりました。
その後これまた魚沼市名物(?)大湯温泉で、宴会・温泉卓球と由緒正しいジャパニーズ パーティを開いた後、21日は魚沼市内を観光して分かれました。
道中Eugeneさんから
「ボストンに来た3人の中でハーバード大学にアプライする子はいないの?今ハーバード大学は外国の高校生の受け入れにとても熱心だから是非アプライしたらいいよ」
と聞かれたので、私は、
「いやーー、僕もそう言っているんだけど、皆やろうとしないんですよね。一般に日本の高校生はあんまり海外に行こうとしないんですよ。」
と答えました。Eugeneさんが
「それは皆が東大に行きたいと思っているからですか?」
と聞いてきたので私は、
「まあそれもあるとは思います。でも今は東大ブランドもかつての威光はありません。どちらかというと日本人の『ランキング思考』が原因じゃないでしょうか。あんまり根拠もないんですが、日本人は何となく、『新潟大学の上が慶応大学で、その上が東大、その又上がハーバード大学』、というようなランク付けをしてものを考えがちです。そして、『慶応大学に行けない』と思った瞬間、もうその上の、東大とかハーバード大のことはすっかり忘れてしまうんですよ。大学のランキングなんて所詮平均値でしかないんだから、慶応に入るようが入れまいが、東大でもハーバード大でアプライスりゃ良いのにと思いますけど、なかなかそうはしないんですね。」
と答えました。これに対してEugeneさんは、
「へー、それはもったいない。今アジア全域で、アメリカの大学に入学する一大ブームが起きているのに。韓国ではハーバード大学に通う韓国人留学生同士の恋愛を描いた『ハーバード』なんてドラマが国内でヒットしたくらいです。僕だって別段国(Eugeneさんはシンガポール出身です)で一番優秀な生徒の一人って訳でもなかったですし。第一大学によって求める学生は違うんですから、ランキングにそれほど絶対的な意味はないでしょう。」
と答えました。
Eugeneさんを初めとして、豊かになったアジアの学生達は、今大挙してアメリカの大学に向かっています。それはアジアの国々に、「世界最先端の知識」と「国際的ネットワークへの参加」という次代の成長の原動力を与えるでしょう。勿論アメリカの大学に良いところも、悪いところもありますし、日本の大学で学びたいことがあるなら、そこで学ぶことに何の問題もありません。しかし、もし仮に日本の若者達が、「アメリカの大学で学んでみたい」と思っているのに、「○○大学にも受からない自分がそんなことをするのは恥ずかしい」とか、「自分くらいのものが、海外の大学にいけるはずがない」という発想でそれを躊躇しているなら、Eugeneさんの言うように、非常に「もったいない」事だと思います。
世の中は、私達の想像を凌駕して進展しています。世界はびっくりするほど近く、海外の大学も社会も、驚くほど広く門戸を開いています。魚沼市に限らず、湯沢、南魚沼、川口、小千谷、長岡、新潟、そして日本中の若者(勿論老若男女を問わず)が、自由に世界を行き来できる、そんな教育と社会を実現することが、次の世代の日本の発展の為に不可欠だと、私は思います。
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