中国産餃子による中毒事件が、ニュースを独占しています。被害に遭われた方には不謹慎で恐縮なのですが、なんとこの事件以来我が実家「セイジロー肉店(http://www7.ocn
ただそうはいっても、件の商品は20個280円で、10個300円の我が家の餃子の半分以下の値段です。また、例えば近所のスーパーから我が家に「今までの中国産冷凍餃子を全面的にそちらに切り替える。値段はそのままで良いからこれこれの量を生産してくれ」というオファーがあったとしても(勿論実際はそんなオファーはありませんが)、我が家には(というか我が母には)その生産能力はありません。中国が「世界の工場」となってしまっている現状に置いて、価格面、数量面で現実的な代替措置を取ることはほとんど不可能で、一月もすればスーパーには再びパッケージを新しくした中国産冷凍餃子が並び、我が家の餃子の売り上げも元に戻るでしょう。
今回の件で図らずも明らかになったのは、日本経済、いやほとんど世界のすべての経済が、中国12億人の労働力に決定的に依存していて、良かれ悪しかれその影響を受けざるを得ないと言うことです。その影響をすこしでも日本にとって「良い」ものにするために、この「統制されない巨大市場」とどうつきあって、どう日本の要求を入れさせるのか、外交・経済・国防上の戦略が求められています。
今回の中国産冷凍餃子の騒動に関してはことさら中国の安全衛生管理体制の不備云々だけを声高にあげつらうのではなくて、米山さんも記事文中に書いておられる様に今の日本あるいは世界の食料(あるいは他の工業製品もそうですが・・)がいかに中国に依存しているか、またそれが何かの事情で依存できなくなった場合にじゃあどうすればよいのかという事を再認識させられるよい機会だという様に捉えるべきだと思います。
中国産冷凍餃子の問題が単に食の問題だけに終わらずに危機管理上の問題として今後にどう生かしていくか見守りたいと思います。
・・で話は変わりますが、ご実家の餃子おいしそうですね。
ぜひ一度食べてみたいです。
魚沼まで行かないと無理かな?(笑)
中国産餃子や最近の穀物価格の高騰を聞くと、昔読んだレスター・ブラウンの食糧危機の本を思い出します。当時は「なんて心配症な学者なの!こんな地球的規模の危機は国家や国連が解決してくれるでしょう。(だから私達は何もしなくて大丈夫!)」と思ってました。もちろん、今回の餃子事件で、「中国産イコール全て危険」となるわけでは無いですが、やはり心配です。
同時に生産地の方々の健康被害や環境汚染も心配です。日本人がおいしくて簡単な食品を手に入れる一方で、決して食べることはない高価な輸出用野菜や加工材料を生産している現地の方は環境汚染を強いられました。中国だけじゃありません。アジア、中南米の多くの人が同じ目にあっています。
日本人の食の安全を守る対外的強さと食糧自給率の向上、一方で生産国の人々の安全、環境も守れるリーダーシップが日本には必要であり使命だと思います。(本を読むだけの私が言うのも変ですが…)
私は、今回の事件は中国の工場内部の問題について論じるより、やはり日本の食糧自給率について関心を向けるべきだと思っています。
もし中国側が「私たちのミスです、すいませんでした。私たちも日本の皆様に迷惑をかけて申し訳ないですから、日本には今後一切食料などを輸出しませんので、許して下さい」と言ったらどうなるでしょうか。
そのようなことはありえない話だと思いますが、先進国では日本とシンガポール以外、ほとんどの国が確固とした農業の基盤を持って経済活動を行っています。
もし、この資本主義社会が崩壊してしまったらどうなるのか?
戦中のアメリカの日本に対するオイルの禁輸措置ではないですが、たとえそうなった場合、一番パニックになるのはわれわれ日本人かもしれません。
今回の事件は、日本がいかに海外に依存しているのか、それがどのような問題を引き起こす可能性があるのか、(中国側の工場内部の問題より)日本人に考えさせる機会を与えてくれたと思っています。
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