ニュースの感想

 自民党の悪いニュースについてばかり記事を書くようで恐縮ですが、二つの新年会を終えて帰宅した私は、「中川財務金融担当大臣続投」のニュースを聞いて絶句しました。

 私は同じ伊吹派に属するものとして、中川大臣が極めて明晰な頭脳の持ち主であり、かつ人柄の大変すばらしい方であることをよく知っています。また大臣が麻生内閣と言うより麻生総理のよりどころとなっていることも、聞き及んでいます。流布されている画像から判断して「風邪薬を飲み過ぎた」と言う中川大臣の言い分をにわかに信ずる気にはなれませんが、「推定無罪」の原則を貫くなら、少なくとも「飲酒はしていない」と言う主張は信じても良いのかもしれません。

 しかし、です。世の中には、理由の如何を問わず、責任をとらなければならない失敗があります。又リーダーには、部下の事情が如何に同情すべきものでも、泣いて馬謖を斬らなければならない時があります。其れを無視したら、組織の規律が失われて組織が組織として存立し得なくなってしまうからです。
 「日本の代表として出席した国際会議で、明確な意志疎通が出来ない酩酊状態にあった」これこそは、誰がどう見ても、無条件に責任をとらなければならない失敗そのものでしょう。これの責任をとらなくて良いのなら、国会で居眠りしようが酩酊しようが、誰かの批判をしようが失言をしようが、すべからくこれよりはましな訳で、「すみません、故意ではありません。うっかり○○だったからです」と言えば其れですんでしまうことになってしまいます。「おまえが故意ではなかったことは分かっている。能力を生かして再起を期して欲しい」は、きちんと責任をとらせた後で、二人きりの時に言うべき台詞で、決して表に出して良い言葉ではないはずです。

 世間的感覚からあまりに遊離した内輪の「本音」を、本来原則が守られるべきパブリックな場で垂れ流し続けること、それは世間に「自民党は、所詮世間とは全く異なる、内輪の論理で動いている集団だ」と言う印象を与え、完全に見放される結果につながりかねません。自民党が国民政党として生き残る為に、リーダーである麻生総理には、断腸の思いで、泣いて馬謖を斬る事を求めます。


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