米山隆一の10年先のために

　一作日鳩山首相の公設秘書が政治資金規正法違反の疑いで起訴され、昨日は予算案が閣議決定されました。

　公設秘書の起訴についての釈明の記者会見をTVで拝見しましたが、流石に言い訳としては無茶であったと思います。私自身も多少は政治に携わっているので、「秘書がやったことで私は知らなかった」という言い訳を全否定するつもりはありません（実際、そう言う事って有るでしょうから）。

　しかし鳩山首相の場合、これは自分の政治資金の出所の殆どを全く知らなかったと言うことを意味します。そんなことは常識で考えてあり得ないし、もし本当にそうだとしたらとんでもなく脳天気というか、結局の所「最後はママの所に行けば良いんだから、お金のことは心配しなくて良いのさ」と思っていたこと－要するにお金の出所についてなにがしかは知っていたことを意味します。

　なにがしかのことを知っていて、なにがしかの危惧を抱きながら敢えて触れずに放置していたならその責任は逃れようがないし、万が一本当の本当に全くお金のことは全く気にしていなかったなら、そんな方に日本経済の行く末を導いていただくのはとてつもなく危険だという事になります。いずれにせよ、この一件は鳩山首相の国のリーダーとしての資質に大きな疑問を抱かせるものだったと思います。

　来年度予算では、ガソリン暫定税率や高速道路無料化と言ったマニュフェストの一部が実行されず、国の無駄遣いは雀の涙ほどしか削減できませんでした。私は現在の経済状況を考えればそれ自体が間違っているとは思いません。しかしだからと言って、わずか４ヶ月前に民主党が掲げたマニュフェストがそもそも実現不可能なものであったという事実は、消えません（私はそれを主張しましたが残念ながら届きませんでした）。民主党は何かにつけて「民意」を強調しますが、この「民意」の少なくとも何分の一かが、実現不可能な幻によって作られたものであることを、否定することは出来ないでしょう。

　そうであるなら、予算編成が終わった後、改めて、今度こそ共に実現可能な二つの選択肢－（１）国債発行によって得た資金を国民にあまねく分配することによって経済の回復を図る民主党路線か（２）国の支出は必要な社会保障に限定しつつ、規制緩和と民間投資によって経済を発展させる自民党路線（必ずしも党内がこれでまとまっているわけではありませんが－苦笑）かのどちらかを選択してもらうのが、私は有るべき姿ではないかと思います（多少自分の希望も入っていますが－苦笑）。

　鳩山首相、自らと民主党の主張の正当性を確認すべく、衆参同日選をしませんか？