鳩山政権の決定を受け、1月15日をもって、海上自衛隊はインド洋での補給活動から撤収します。そしてこの補給活動の引き継ぎを中国海軍が検討していると、報じられています。
勿論報道では、現時点では中国が本当に引き継ぐのか-アメリカ主導の多国籍軍に参加するか否かは不透明であるとも触れられています。しかし3年、5年という長い目で見れば、どこかの時点で中国は間違いなく多国籍軍に参加するでしょう。
インド洋から、そして国連の多国籍軍から日本の自衛隊が消え去り、中国がやって来る、これが日本の未来にとってどれほどの意味を持つのか、鳩山政権は本当に認識しているでしょうか。
実戦経験を一切積めず、他国の軍隊と協力関係も築けず、情報も共有できない自衛隊は張り子の虎と化し、変わって中国海軍は、その全く逆の事実を積み上げ、東アジアの雄となるでしょう。そして普天間基地問題がこのまま進めば、その時海上自衛隊に代わって中国を抑えてくれるはずの沖縄米軍すら存在しなくなる可能性もあります(現政権にとってそれこそが望む所なのかもしれませんが)。
それは、ただ安全保障の問題に留まらず、東南アジアの海が中国の内海になる事-東南アジア貿易の覇権を中国が握る事を意味します。その時日本は、自らの繁栄の生殺与奪件を、実質的に中国に握られることになるでしょう。
「友愛」を掲げて「米中等距離外交」を指向するのも、中国に大使節団?を送るのも善隣外交としては何をしても結構ですが、鳩山政権が今後の外交政策を定める際には是非、中国もアメリカもそんな浮世離れした理念とは全く別次元の極めて現実的計算に基づいて、とことん自らの国益を追求しているのだという事を前提にして、意思決定をしていただきたいと思います。
鳩山首相自身が理念として掲げる「友愛の海」が、「支配と服従の海」へと代わる事を防ぐ為に・・・。
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