「世界に誇る国民皆保険制度」はよく使われるフレーズですが、実のところ日本の保険制度は、公務員か、会社員か、自営業かで加入する保険が異なるばかりか、その内部でも1000個単位の保険組合が存在し、組合ごとに給付内容が異なる(共済年金と国民年金で、給付の差が極めて大きいことは、皆さんもよくご承知の通りです)という、極めて不公平なものになっています。そしてその中で、膨大な事務経費が発生し、重複診療・重複給付が生じています。
この問題は取り上げられるたびに、ことに自民党政権下で、「過去の保険料徴収、給付があり制度の統一は難しい」として葬り去られてきました。しかしながら国民全員に負担を強いておきながら、事務経費や重複診療・重複給付の無駄を放置することは許されませんし、職業や住所によって給付内容が全く異なる制度を維持することは筋が通りません。
消費税アップが決定し、国民の多くが医療・介護・年金の社会保障制度に高い関心を持つ今だからこそ、万難を排し、政治的決断をもって、国民全員に適用される同一の制度を構築し、事務作業を大胆にシステム化して重複診療・重複給付の無駄を排除し、例えば健康状態と保険料をリンクさせたり、介護状態と年金給付をリンクさせたりする新たな給付コントロール措置を講じて、更なる消費税アップをすることなく、誰もが安心して、医療・介護・年金を受け取れる社会保障制度を創るべきものと思います。
尚この「大胆なシステム化」に多額の費用が掛かることは論を待ちませんが、それは一方で日本のIT産業の育成と景気対策にもつながります。現在、道路や橋を作って建設業を育成するのと、大規模社会保障システムを作ってIT産業を育成するのと、どちらが日本の為に資するか、そしてどちらが景気の回復に役立つのか、私は明白であると思います。
給付の職業・世代間の不公平をなくし、誰もが、安心して、十分な医療・介護・年金を受け取れるために、私は是非抜本的社会保障制度改革に取り組みたいと思います
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