選挙の傷も多少癒えたのか、最近自民党の方とお話しする機会が少しづつですが増えています。
私は会うたびに
 「安倍さんは色々良いこともやっておられると思いますよ。でも、基本それは『良いことは金に糸目をつけず全部やる』というスタンスだからです。10年間で公共事業200兆円がその典型です。本当に10年間も、毎年20兆円もの公共事業をやり続けられると思います?景気対策、地方対策っていいますが、5年後にぱったり終わったら、そこで働いている人にとっても、地域にとっても、はしごおろされた状態でよっぽど迷惑ですよ?」
と聞いています。
 勿論人によって答えは違いますが、多数派の答えは、
「いや大丈夫。1~2年で景気良くなるから。そこは自民党や霞が関の賢い人が、日本が破産しないようにうまくやってくれるよ。」
です。

 口論になるといけませんので私はだいたいここで
 「はあ…。そううまくいくといいですけど…。」
といって終えるのですが、せっかくですので、

 財政出動→景気回復→税収回復→財政再建

という、現在巷にあふれているハッピーケースシナリオの現実性を少々考えてみましょう。

 現在日本のGDPはざっくりと500兆円で、税収は40兆円、消費税を増税したとして50兆円です。対して自民党大盤振る舞い予算は、どう少なめに見ても、軽く100兆円は突破するでしょう。つまりこの時点で、50兆円もの赤字が出ているわけです。GDPに対する税収の割合が10%で変わらないとすれば、景気回復によって財政再建がもたらされるためには、日本のGDPはなんと倍の1000兆円にならねばなりません。
それには毎年8%程度の「高度成長」を10年間続けて「所得倍増」することが必要で、要するに自民党の「公共事業→景気回復→財政再建」シナリオは、嫌味でもなんでもなく、本当に
「昭和の高度成長の夢よ、再び!」
路線なのだと言えます。

 勿論実際にそうなれば誰も文句はありませんが、高度成長時代若者であふれていた地方は今、高齢者であふれています。「悪くならないまでも、人口減と高齢化によるマイナスを補って現状を維持するだけで精一杯」に終わる可能性も、正直結構あります。では、その場合、自民党の「100兆円予算-高度成長の夢よ、再び!」路線の結末はどうなるでしょうか?
 この場合、先ほど述べた50兆円の赤字が積もり積もって10年後には500兆円になり、国の債務残高は1500兆円になっています。そして、10年後の金利が、積もった国債残高と安倍ノミクスの影響で3~4%になっているとすると(インフレ率2%なら、金利3~4%が普通でしょう)、そのとき国債の利払い費は、ざっくりと50兆円となり、日本の税収に到達してしまいます。こうなったら、もう日本が、国債発行残高、通貨流通量をコントロールすべは、「大増税」しかなく、現実的には両者が際限なく増えて、現在「リフレ派」の方々が鼻で笑っている「ハイパーインフレ」のリスクが、現実のものとなります。

 「10年後」などというのはよくわからない遠い未来で、それこそ「どこか(霞が関?)の賢い人がなんとかしてくれるから」考える必要などないと、60代70代のリーダーたちは思っているのかもしれません。しかし10年なんてあっという間で、現在45歳の私にとってはまだ55歳の壮年期です。現在20歳の人、生まれたばかりの0歳の人にとっては、10年後は人生の盛りです。
 私の目には、自民党の「100兆円予算-高度成長の夢よ、再び!」路線は、時代も世界もまるっきり変わったのに、「公共事業で高度成長」という極めて勝率の薄い夢物語にほとんど全額突っ込んで、40代以下の人たちの10年後を途方もない危険にさらす、無謀な賭けに見えます。
日本経済の地盤沈下は、デフレが悪いとか、円高のせいだとか、公共事業が足りないからだとかという、「外部要因」によるものではなく、日本の政治経済社会の在り方それ自体が時代遅れになっているからだというごく当たり前の事実を直視し、その自己変革に10年かけて全力で取り組む姿勢が、いま政治には求められていると、私は思います。

 安倍首相はわざわざ大阪まで来られて、橋下代表代行に補正予算早期成立への協力を依頼されました。冒頭で述べたように「競争力向上」「安全の確保」「地域の活性化」等々「良いこと、必要なこと」は勿論しっかり協力して、早期に実現させていくべきだと思います。しかし、「削るべきところ、不要なところ」は未来の為に削るべきだということを、橋下代表代行には是非言って頂きたいと思います。

 努力も苦労も自己変革もなく、国がじゃぶじゃぶとお金を使えばバラ色の未来が訪れるという期待感が国中にあふれていますが、1年後になるのか10年後になるのか、その夢が破れたとき、その結果をこうむり、自らの手で事態を収拾しなければならないのは、ほかでもない私たち現役世代だからです。


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コメント

米山さんこんにちは。

以前書き込みさせていただきました小千谷市民です。
その切はありがとうございました。

またコメントさせていただきます。

1日の日記でも公共事業への批判を書いてらっしゃいましたが、米山さんの文章からは相変わらずなぜ景気回復へとつながらないのか具体的な理屈がありません。

過去に公共事業をやってもダメだったのではなく、せっかく景気が上向いて来たのにその後の橋本政権と小泉政権による政策が問題だったのは明白でしょう。

バブル崩壊後に景気は回復しつつあり物価も上昇していたという事実はありますよね。

そして公共事業費の削減と共にサラリーマンの平均所得の減少し、その相関関係が非常に強いというデータはあります。

さて、この事実をどのように説明していただけるのでしょうか?

批判をされるのならば理論的に説明をお願い致します。

とりあえず既存のトンネルや橋のメンテナンスなど、やるべきことはありますしインフラもまだ整備しきれていない箇所もありますのでムダではないやるべき公共事業はやるだけでしょう。


もちろん競争力を高めることは必要です。

ですが、1998年を境に経済成長と物価上昇はストップしてしまい、日本は15年にも渡るデフレ不況に耐え、サラリーマンの給与は平均で60万円も減少し、経済は疲弊してしまっています。

先進国各国はインフレ率2%程度で安定した成長を続けていますが、日本は1998年からずっと低迷してるって異常事態としか言えませんよね。

正常な状態ではないのですから、競争させる前にまずは回復させるための休養をさせなきゃならないでしょう。

アスリートがインフルエンザに罹ったときに「たるんどる!」と言って練習させますか?

昔のスポ根アニメだけで十分ですよね。

そんなこと言わず、普通は休養を取れと言うはずです。

小泉政権により非正規労働者は増え、リーマンショックで多くの失業者を出してしまう結果になりましたね。

競争力を強化するのならば経済がまともな状態で適正な負荷を掛けて競争を行うことが必要でしょう。

行き過ぎた自由主義は共産主義のことを笑えない考え方でしょう。


ごく単純な話として、将来を楽観視できる状態といつ失業するか分からない状態ではどちらが人々は住宅ローンを組んだり大型の消費をするでしょうか?

もちろんそのままぬるま湯につかってるだけではいけませんが、ある程度楽観視できる状況は必要です。

日本の産業の中には変革をしなければならない、努力をしなければならないと感じる面も多々ありますが、まずは経済をまともな状態に戻してあげることが先決かと。


国債の利払いについて、インフレ率を2%としたら4%になっていたとしても実質の金利は2%ですよね。

先進国各国の金利をご存知でしょうか?

イギリスでも4%をはるかに上回る金利になることがあります。


そして、金利で増えた利息は一体だれに分配されるのでしょうか?

国債の95%程度は国内ですので、ほとんどが金融機関の利益となり国民の利益となるのではないでしょうか。

そして円建ての債券ですから理屈上破綻は考えられないでしょう。

それこそ過剰な競争の激化と規制緩和によって国民の所得を減らし、少子高齢化に拍車をかけ、更に負債を増やして大増税時代へ、デフレスパイラルで企業は淘汰され、供給力が落ち込み、それこそ何十年か後にハイパーインフレにっていう懸念はあります。

何度も申し上げますが、私は過去の実績がある公共事業は現状において効果的な手段と考えます。

  • Posted by 小千谷市民
  • at 2013/01/13 20:30:05

小千谷市民さん

コメントありがとうございます。

基本的には因果関係の理解が異なっているのだと思います。

高度成長時代、確かに公共事業は多かったですし、バブル崩壊以後小渕政権はともかく、橋本、小泉政権は公共事業を減らしました。

それは、「公共事業が多かったから景気がよく、公共事業を減らしたから景気が悪くなった。」のではなく、「景気が良いからお金があって、どんどん公共事業が出来た。景気が悪くなったからお金が無くなって公共事業が出来なくなった。」ということでしょう。

また、私は「公共事業が無効果」と言っているわけではありません。マクロ経済学の入門書を読んでいただければわかりますが、理論的に、「政府支出」であれば、その効果は、「公共事業」であろうが、「社会保障」であろうが全く同じです。にもかかわらず、「公共事業だけ」が景気拡大の効果があるとする理論的根拠は皆無です。

そうであるなら、「公共事業」にこだわらず、さまざまな「政府支出」のなかから、最も効果的なものを選ぶべきです。インフラのメンテナンスが必要なのは当然ですが、それは計画的に、一定のペースでやるべきものであって、「景気対策」として無理やり大量に行うのは、そもそも「メンテナンス」という概念に反します。メンテナンスは、1年に1回なり2年1回なり定期的にやるから意味があるのであって、無理やり1年に10回やったからと言って安全度が高まるわけではありません。

「国債の95%程度は国内ですので、ほとんどが金融機関の利益となり国民の利益となるのではないでしょうか」については、「最終的に日本国民がもらうかどうかが問題なのではなく、日本国民のだれがもらうかが問題なのです。」とお答えいたします。
税金だって、「日本国民からとって日本国民に払う(公務員だって日本国民です)」 のですから、結局は日本国民の利益です。ですが、増税となると大問題になるのは、貧しい人からとってお金持ちに支払われると思われるからです。
国債も全く同じで、利息は国債を保有できるお金持ちに支払われます。つまりは、国債の発行は、純粋な意味での「借金」だから問題なのではなく、将来において、貧しい人から税金を取ってお金持ちに利息を付けて払うという、所得再配分の逆をやらざるを得ないから問題なのだと言えます。つまりは国債の発行は、「所得再配分」という懸案を次の世代に先延ばしすることが問題なのです。積み上がった国債をキャンセルアウトするだけの、逆所得再配分が出来なければ-増税が出来なければ、、たとえ国内で100%消化されていても、破たんはありえます。

極論になるのかもしれませんが、「今苦しいから、ともかく目前の安心がほしいから、問題解決はすべて後の世代に先延ばしして、楽をしたい。」という姿勢に、私は異議を申し上げたいと思います。

  • Posted by 米山隆一
  • at 2013/01/13 22:51:27

>メンテナンスは、1年に1回なり2年1回なり定期的にやるから意味があるのであって、無理やり1年に10回やったからと言って安全度が高まるわけではありません。


理屈的にはその通りですが、根拠のない無駄という観念の元ずっと公共事業費は削減され続けてきたので、必要なメンテナンスが行われていない場所が多々あります。
そういったつもりに積もったメンテナンスが定期的行えばいいように回るまでは集中するのは仕方ないのでは?
先伸ばしできるのであれば景気回復後という手もありますが、耐震補強や老朽化ってのは早急の課題でもあります。
景気対策は今までの右に習えのやり方でやっていくのは失敗すると思います。
地域ごとに特性というものがあるわけなので、その特性を活かせる柔軟な刺激策を取らなければ経済の再生はごく一部だけになるでしょう。
そう言った意味ではあなたの言う事は正解でもあり間違ってもいると思います。

  • Posted by とおりすがり
  • at 2013/01/14 09:09:21

とおりすがりさん

コメントありがとうございます。

基本的におっしゃる通りかと思います。当面必要なものを集中的にやることは構いませんが、それこそ公共事業費が5~6兆円程度に減らされてきたのに、「耐震措置・老朽化メンテ」だけで年間20兆円必要というのはにわかに信じがたいものです。

ご参考までに、国土交通省が平成21年度に出した公共投資の「維持管理・更新費」をもとの記事にアップいたします。この中で、維持管理・更新費は、2010年代で5兆円程度、2040年代でやっと10兆円程度と推定されています。その後地震があったとはいえ、「年間20兆円」はどう見ても「維持管理・更新・耐震」の範囲を超えており、そのかなりの部分が結局「新設費」となることが予想されます。そしてその新設された公共設備は新たな「維持管理・更新費」を必要とします。
笹子トンネルの例でも分かりますが、公共設備は、一度持ったら、持ち続けるにも、非常な費用と労力がかかります。「何を持つべきか」だけでなく、「何を持たないべきか」まで慎重に検討して作るべきもので、ろくな検討もなく、あわてて20兆円もの公共投資を行うのは、次の世代に、第二、第三の笹子トンネルを残すという、全く逆の結果をもたらしかねないことを、今を生きる私たちは肝に銘じるべきだと思います。

「地方に応じた柔軟な対策」が必要なのは全くその通りです。トンネルを作るよりも、バスを運行したほうがいい地域もありますし、バスの運行よりも、医師を確保したほうがいい地域もあります。そしてトンネル一本作るお金で、バスは何本も運航でき、医師は何人も確保できます。限られたお金を何に使うのか、私たちは本当に真剣に考えるべきです。

お金は国債で借りればいい、国債を買うお金が無くなったら日銀が刷ればいい、根拠はないがともかくどれだけ国債を出しても日本は破たんしない、いま私たちがそう考えているのならそれは、実際に国債を返さなければならない世代、破たんの影響をもろに受け、その後始末をしなければならない世代への背信だと、私は思います。

  • Posted by 米山隆一
  • at 2013/01/14 09:50:20

返信ありがとうございます。

景気が悪くなったからお金がなくなってできなくなったというのは違いますよね。

バブル崩壊後に景気を押し上げてきた公共事業を減らしていき、デフレ期の構造改革と規制緩和というタブーをやってくれた結果が今日の平均所得の低迷を招いてますよね。

お金があるからできる、お金がないからできないのではなく、減らすべきときに減らさず、増やすべきときに増やさなかったのが問題です。

インフレにはインフレの、デフレにはデフレの薬がありますよね。

ギリシャの様な状態になればお金が無いから雇用対策、所得向上ができないという言い訳も通用するでしょうが、現状の日本においてはそれができます。

国債が95%国内で償還されているだけでなく、円建ての債券であることから破綻しないということができます。

自国通貨建てで過去に破綻した国はありましたか?

ジンバブエは破綻ではなくハイパーインフレになりましたね。
アベノミクスであの程度の金融緩和と国民に還付される負債増でハイパーインフレになることの方が非現実的でしょう。

そして日本の対外純資産がどの程度あって、バランスシート上では黒字です。

だからこそ円高、超低金利の国債という現状があるわけですよね。

将来への負担というものが仮にあったとしても、まず目の前の大きな問題を片付けないと競争力をつけることも少子高齢化の問題にも対処できません。

景気は人の心で動くものですから、目の前の安心を得られ財布の紐が緩まなければ今置かれている現状はどうにも解決できません。


社会保障と公共事業は同じという点ですが、所得の配分という意味では確かに同じです。

ですが、需要の創出という意味では決定的に違いますよね?

ダイレクトに需要を創出し雇用と所得の向上につなげる効果があるかどうかという決定的な違いがありますよね。

先行きを心配して個人も企業もお金を使わなくなるので、需要と供給のギャップを解決する手段として、需要を作り出すかどうかわからない社会保障よりも物やサービスに直接投資を行う需要を作り出す事業が優先されるのは当たり前のことでしょう。

民主党政権に交代した際に公共事業費の削減を行い、子供手当てというバラマキを行った結果をみていただければよくわかるのではないでしょうか。

もちろん建設業界への投資が全てではありませんので他にも費用対効果の優れた公共投資を行えば良いと思います。

おっしゃるように、バスの運行や医師の確保も地域によっては良いと思います。

新潟県のように山の中で生活しているお年寄りが多く、買い物に行く足が無いお年寄りの方々にはその方がはるかに地元経済の発展に繋がることでしょう。

お年寄りは物が欲しい、街中のお店も物を売りたい、需要と供給を結びつける効果として非常に効果的だと思います。

既に自民党政権が打ち出していますが、保育所に入りたい子供達という需要があるのですから保育所の整備も良いと思います。

女性の社会進出を促すのであれば必要でしょう。

それらは非常に良い案あと思いますが、その前にまずは大元の方向性が一致してきゃならないわけですよ。

自民党に相対するのであればまずは自民党よりも費用対効果のすぐれた、エネルギー政策ではありませんがベストミックスな公共投資をを打ち出さなければならないでしょう。

より効果的に所得と雇用の向上に繋がり、尚且つインフラとして更なる発展を期待できる公共投資を打ち出しぶつけるべきだったのでしょう。

流通を促進、観光の促進など、必要なインフラはメンテナンスの費用がかかっても続けるべきですよね。

身近な例ですと、日本海東北道が山形の高速道路とリンクしたら山形、秋田方面への観光客は増えると思いますし、製造業の部品などの流通も増えるのではないでしょうか。

経済への悪影響が少ないのならば削減し、効果的な公共投資に回すという手段があっても良いとは思います。

ただ、公共投資が需給ギャップを解消する手段として必要だということは既に間違いの無いことなので、より効果的な投資の分配を考えるだけでしょう。

野党にはようやく正しい方向性になったのを引っ掻き回すのではなく、自公政権の穴を補完しより効果的な政策となるように指摘をお願いしたいのです。

国債の利払いについてですが、国債の利息が分配されるのは金融機関や年金基金、投資家などですが、金融機関や年金基金にお金を預け、利払いが増えたときに利益を受けられるのは誰でしょうか?

普通預金の金利、定期預金の金利、公社債ファンドの運用益、厚生年金、国民年金基金の金利など、富裕層にばかり戻ってくるのではなく国民の多くに分配されるものですよね。

そして物価上昇率に対して、実質的に金利の負担がどれだけ増えるのかというのも考慮する必要があります。

だからといっていくら借金を積み重ねても良いというわけではなく、今はできる状況なんだから最大の問題点にまずは対処してくださいと思うわけです。

借金を心配して現役世代の低所得化が進み、雇用は不安定なまま、少子高齢化に歯止めがかからないままではそれこそ更なるデフレ、将来ハイパーインフレの道へまっしぐらです。

  • Posted by 小千谷市民
  • at 2013/01/14 11:52:55

小千谷市民さん

長文のコメントありがとうございます。本来ここでやめるべきかもしれませんが、ポリシーとして反論させていただきます。尚きりがありませんので、一応この議論はここで打ち止めとさせていただきます。

>景気が悪くなったからお金がなくなってできなくなったというのは違いますよね。バブル崩壊後に景気を押し上げてきた公共事業を減らしていき、デフレ期の構造改革と規制緩和というタ>ブーをやってくれた結果が今日の平均所得の低迷を招いてますよね。お金があるからできる、お金がないからできないのではなく、減らすべきときに減らさず、増やすべきときに増やさなかったのが問題です。

因果関係についての、根拠のない思い込み・断定にすぎません。統計的事実から、そのような結論を論理的に導くことは不可能です。

>インフレにはインフレの、デフレにはデフレの薬がありますよね。ギリシャの様な状態になればお金が無いから雇用対策、所得向上ができないという言い訳も通用するでしょうが、現状の日本においてはそれができます。

ギリシャの累積債務の対GDP比率は108%、日本は192%で、日本の方がよほど危ないといえます。
現在日本が拡張的財政策を現在実行できることは否定しませんが、今後出来るかというか、今後とも何の問題もなく実行できるかは、分かりません。予期しない悪い結果となるリスクを否定できません。

>国債が95%国内で償還されているだけでなく、円建ての債券であることから破綻しないということができます。

日本の累積債務は1000兆円ですから、5%といってもそれは50兆円、GDPの10%にあたり、税収を超えます。「破綻しない」と断言できる根拠はゼロです。現に今、「札割れ」という国債の落札未達状態が発生しており、日本の資金繰りは綱渡りです。

>自国通貨建てで過去に破綻した国はありましたか?

日本は現在「世界史で稀に見る多額の累積債務を抱えた国」です。過去の例は参考になりません。自国通貨建ての場合、基本的には、日銀がお札をすればいいのですから、「デフォルト」を回避する策はひねり出せるでしょうが、それが現在アメリカで起こっているような政治的対立で実行できない可能性もあり、「破綻しない」と断言することはできません。

>ジンバブエは破綻ではなくハイパーインフレになりましたね。アベノミクスであの程度の金融緩和と国民に還付される負債増でハイパーインフレになることの方が非現実的でしょう。

日本で、ジンバブエで起こったような1000倍、1万倍のハイパーインフレが起こると考えている人は極少数です。しかし、2倍(100%)のインフレで、日本人にとっては十分な悲劇です。それどころか50%でも大概の人にとっては害の方が大きくなります。少しコントロールを失えば、その程度のインフレは起こり得ます。

>そして日本の対外純資産がどの程度あって、バランスシート上では黒字です。だからこそ円高、超低金利の国債という現状があるわけですよね。将来への負担というものが仮にあったとしても、まず目の前の大きな問題を片付けないと競争力をつけることも少子高齢化の問題にも対処できません。景気は人の心で動くものですから、目の前の安心を得られ財布の紐が緩まなければ今置かれている現状はどうにも解決できません。

ご意見として拝聴します。

>社会保障と公共事業は同じという点ですが、所得の配分という意味では確かに同じです。ですが、需要の創出という意味では決定的に違いますよね?ダイレクトに需要を創出し雇用と所得の向上につなげる効果があるかどうかという決定的な違いがありますよね。

全く違いません。違うという論理的根拠は、ありません。

>先行きを心配して個人も企業もお金を使わなくなるので、需要と供給のギャップを解決する手段として、需要を作り出すかどうかわからない社会保障よりも物やサービスに直接投資を行う需要を作り出す事業が優先されるのは当たり前のことでしょう。

社会保障は、需要がある方に配るものです。

>民主党政権に交代した際に公共事業費の削減を行い、子供手当てというバラマキを行った結果をみていただければよくわかるのではないでしょうか。

自民党のばらまきを批判して政権に就いた民主党が社会保障にばらまいたのは悲劇でしたが、その民主党がだめだからそのばらまきを批判して政権に復帰した自民党が再び公共事業にばらまくのは、悲劇を通り越してもはや喜劇です。結果はどちらも一緒です。

>もちろん建設業界への投資が全てではありませんので他にも費用対効果の優れた公共投資を行えば良いと思います。おっしゃるように、バスの運行や医師の確保も地域によっては良いと思います。新潟県のように山の中で生活しているお年寄りが多く、買い物に行く足が無いお年寄りの方々にはその方がはるかに地元経済の発展に繋がることでしょう。お年寄りは物が欲しい、街中のお店も物を売りたい、需要と供給を結びつける効果として非常に効果的だと思います。既に自民党政権が打ち出していますが、保育所に入りたい子供達という需要があるのですから保育所の整備も良いと思います。女性の社会進出を促すのであれば必要でしょう。それらは非常に良い案あと思いますが、その前にまずは大元の方向性が一致してきゃならないわけですよ。

ご理解いただき幸いです。問題は予算感でしょう。自民党の政策はともかくも公共事業が優先で、数兆円規模で、全体の半分を使ってしまいます。後の政策は、防衛費ですら1000億円規模で、所詮焼け石に水です。世の中に解決すべきことはたくさんあり、景気に対する効果も同じなのに、なぜ、「なにがなんでも、何より優先に、お金のほとんどを使って、公共事業」なのか、きちんと説明していただきたいと思います。

>自民党に相対するのであればまずは自民党よりも費用対効果のすぐれた、エネルギー政策ではありませんがベストミックスな公共投資をを打ち出さなければならないでしょう。より効果的に所得と雇用の向上に繋がり、尚且つインフラとして更なる発展を期待できる公共投資を打ち出しぶつけるべきだったのでしょう。

その、「ともかく公共事業」という固定概念を、改めましょうと、提案しています。

>流通を促進、観光の促進など、必要なインフラはメンテナンスの費用がかかっても続けるべきですよね。身近な例ですと、日本海東北道が山形の高速道路とリンクしたら山形、秋田方面への観光客は増えると思いますし、製造業の部品などの流通も増えるのではないでしょうか。経済への悪影響が少ないのならば削減し、効果的な公共投資に回すという手段があっても良いとは思います。

「メンテナンス費用」を払えなければ、続けようがないということもご認識ください。

>ただ、公共投資が需給ギャップを解消する手段として必要だということは既に間違いの無いことなので、より効果的な投資の分配を考えるだけでしょう。

繰り返しですが、「公共事業は絶対必要、絶対善」という論理的根拠は、皆無です。

>野党にはようやく正しい方向性になったのを引っ掻き回すのではなく、自公政権の穴を補完しより効果的な政策となるように指摘をお願いしたいのです。

誰もが自民党の政策に賛成しなければならない、自民党を補完しなければならないとお考えなら、それは民主主義の否定です。

>国債の利払いについてですが、国債の利息が分配されるのは金融機関や年金基金、投資家などですが、金融機関や年金基金にお金を預け、利払いが増えたときに利益を受けられるのは誰でしょうか?

貯金のあるお金持ちです。

>普通預金の金利、定期預金の金利、公社債ファンドの運用益、厚生年金、国民年金基金の金利など、富裕層にばかり戻ってくるのではなく国民の多くに分配されるものですよね。

それら富裕層ほど多く持っており、したがって富裕層ほど多くもらえます。消費税どころの逆進性ではありません。

>そして物価上昇率に対して、実質的に金利の負担がどれだけ増えるのかというのも考慮する必要があります。

それは別の議論です。経済学の議論は、名目でしているときは名目、実質でしているときは実質と、統一しなければなりません。実質で議論するなら、そもそも今は、デフレですらありません。

>だからといっていくら借金を積み重ねても良いというわけではなく、今はできる状況なんだから最大の問題点にまずは対処してくださいと思うわけです。借金を心配して現役世代の低所得化が進み、雇用は不安定なまま、少子高齢化に歯止めがかからないままではそれこそ更なるデフレ、将来ハイパーインフレの道へまっしぐらです

日本の将来を憂う気持ちは同じだと思います。しかし問題の解決方法は「公共事業」一つだけではないし、「公共事業」が最善でもないということを、ご理解いただければと思います。

  • Posted by 米山隆一
  • at 2013/01/20 07:42:53

小千谷市民さんの意見は、認識が不足していると思います。

大学で経済学を学んだのでしょうけれども。

 実は、積みあがった国債の残高は、目いっぱいの所まで来ているので、そろそろ危
険水域に入っています。の残高は、目いっぱいの所まで来ているので、そろそろ危険水域に入っています。

2015年あたりで、日本国民の保有する金融資産と国債の発行残高がクロスしそうです。同時に間の悪いことにそのあたりで、国際収支の経常収支が、赤字になりそうなのです。為替の水準の決定事項は、いろいろありそうなのですが基本は経常収支でしょう。つまりは、円安に反転するだろうということです。ちなみに、今現在の円安は、円安のスイッチが入ってのものではなく、あくまで投機によるものです。このまま腰の入った円売りになる可能性がないとは言えませんが、いずれ円高に振れるでしょう。

よって、国債の暴落や財政の破綻が、2015年あたりに起きるかもしれないのです。いや、起きるでしょう。起きれば、いまの金融機関である銀行、保険会社、郵貯は、国債を大量に抱えていますから、国債が暴落すれば多額の評価損を出して、大半は、倒産せざるをえません。実際には、日銀による無制限の保証で、死なないようにするでしょうが。

以上を踏まえて申し上げます。私はアベノミクスが功を奏するとは思いません。財政出動の分の景気底上げだけで終わるかと思います。もしも功を奏したと、仮定して申し上げます。

企業が成長を見越して、大きく投資をしたとします。こうなると、自前の資金を銀行から引き下ろして投資にあてる、ないし銀行から借金して投資にあてます。銀行はこれまで、そういうお金で国債を買い込んでいたわけですから、国債を購入することを止めるか減額します。よって、国債は暴落します。

国民が大きく消費にお金を回したとします。そうなれば、銀行にお金を預けるのをやめるか、預金を引き下ろして消費にまわします。これも国債暴落につながります。

円安に振れたとします。いままで、円高傾向にあったがため、海外投資に向かわなかったお金が、積極的に日本を出ていきます。国内の銀行への預金が大きく減りますから、国債は暴落します。

また、国債の大半が国内の人たちに保有されていると、その国債は破綻しない、とおっしゃっておられますがその根拠は、なんでしょうか。深く考えてみたことがありますか。実は、全く、根拠のない、ただの思い込みなのですが。「国家は破綻する」という名著が、金融の専門家の間で、読まれているのですが、この800年間の国家の財政破たんを分析した本なのです。大半の破綻は、国内のみで保有された国債のデフォルトによるものなのです。海外からの投資家に持たれていないケースで破綻すると、あまり目立ちづらい、と言う説明がついています。

更に、破綻がありうる、それも相当に厳しい状況にあることを理解するということは、自分の資産や将来の生活について、考えを巡らせて、近い将来の破綻に備えるということでもあります。もっとしっかりと、考えてみてください。

  • Posted by Yamagishi
  • at 2013/01/27 13:59:08

はじめまして。
読ませていただきましたが、基本的には同意です。
ただ間違えてはいけないのは、公共工事そのものは悪くないということかと・・
たとえば知り合いにトラック会社の役員がいるのですが、大橋ジャンクション(と連絡線)が開通したことによって、首都高の渋滞がものすごく減ったようです。
それによって1,3倍ほど回れる会社の数が増え、燃費効率も格段によくなったようです。そして予定していたより何台か多く、新車トラックを購入したらしいです。
このような道路は作るべきです。
だからこそ自民に詰め寄るべきは、費用便益分析の結果をしっかり公表することと、その分析を国交省を含めた利権団体にやらせないことです。

わたしは都市論を軸に公共工事についてブログに書いています。始めたばかりですが、見てみてください。

国債についてコメントします。

今現在、年間の新規の国債発行額は、おおざっぱに言えば50兆円です。しかし、そ
れ以上に償還される国債が120兆円以上あり、これの支払いに充てるために、やはり国債を発行しています。よって、合計の年間の国債発行量は、120兆円に上ります。一か月の発行額は14兆円以上です。これをしっかりと集めるのは、並大抵ではありません。しかも、しだいに増えていきます。一か月ごとに発行される国債のどれ一つでも、利払いや償還が滞れば、デフォルトとされクロスデフォルトの原則によって、発行済みの全ての国債が、デフォルトとされます。そんなことにさせるわけにはいきませんから、日銀法の改正をするか、緊急事態として、改正しなくとも日銀券を大量に発行し、とりあえずの利払いと償還に直接あてることになるでしょう。しかし、この時点で、アメリカの格付け機関は、日本国債をデフォルトとすることでしょう。この段階で、日本国債は、全く売れなくなり、既発債市場でも、価格が一気に下げ続けます。利回りが7%以上になるまでは下げ続けます。銀行も保有国債が、大幅に評価損を出すので、そのままでは倒産に追い込まれます。やむをえませんからまず保有する株を売却しますから、株式市場も大暴落します。そんなことになると困るので、日銀は、銀行を無制限に信用保証します。この段階で、ハイパーインフレを迎えることになります。貴兄のおっしゃるように、2倍で済むとは思えません。ギリシャ危機でもあの破壊力ですが、その数十倍の破壊力を持って、世界経済を襲います。

日本国債が、大半が国内で所有されているから、ほとんど問題がないなんて言う人達
がいますがどういう根拠で、そんなことを言うのか。まず、買い手に国債を買う能力がなくなるか、買う意思がなくなるかで、簡単に破綻するのですが。大量の償還に応じなければならないのですから。それ以外に、海外のファンド等が、売り崩すことができないと思っているのでしょうね。これも間違いです。既発債の市場以外に、先物市場があるのです。額面100円で、金利6%の日本国債が売買されているのです。今は143円位でしょうか。金利が最低限に貼りついているので、これ以上、価格が上がることはないのです。空売りの怖さは、どこまで価格が上がるか、わからないところにありますが、今以上に価格が上がらないとなれば、安心して売ってきます。なお、この市場は政府の管轄下にはなく、影響下にもありません。一切の規制がかかりません。ここでついた価格は即座に現物市場に波及します。

  • Posted by Yamagishi
  • at 2013/02/02 11:19:22

長文につきあっていただきありがとうございました。

少しだけ言わせていただきますと、私は自民党万歳な根っからの自民党支持ではなく、アベノミクスに対する疑問も多々あります。
大規模な公共投資という大元の方針には賛同していますが。

野党にやっていただきたいのは自民党に賛同するのではなく、問題点を提起し浮き彫りにして政策の形を作っていただきたいと思い、そういう意味での補完です。

失礼ながら米山さんのおっしゃることはただのちゃぶ台返しにしか思えず、どのようなビジョンを持ってどのような手法で行っていくか、具体性が見えないのです。

yamagishiさん

私は大学ではほとんど経済については勉強せず、社会人となりFPと中小企業診断士の勉強を通じて得た知識を元に経済、金融の本を読み勉強してきました。

つい2年ほど前までは日本経済は直に崩壊すると考え資産フライト考えていた人間です。

とある方に完全論破されて勉強し直してたら真逆の意見になってしまいました。

資産といっても目の前の生活費と確定拠出年金が数十万円程度の資産価値しか無かったのですが(苦笑)

資産フライトという目的が主なものではありませんが、安全性と利回りを求めカナダ国債の購入を考えています。


国債の暴落論についてですが、金利の上昇に価格の下落は当然起こることでしょうが、果たしてそのような状態になるのでしょうか。

金融機関の資産の内、国債が占める割合は何%でしょうか。

そして、いくら国債を増発するとどれだけ価格が下落し、それが金融機関がどれだけ評価損となるのでしょうか。

償還までの残りの期間によっても評価損は変わってきますので、残りの期間が何年の国債がどれだけあって、それぞれどれだけ価値が下がるのか、そしてそれが金融機関の保有する資産のうち何%減になるのか、その辺りは試算されてみたのでしょうか。

私には金融機関の資産の保有状況程度しかデータが調べきれずその辺りの数値はまるで分かってません。

そして、円建ての債券ですので政府が破綻させない方針であれば極端な話うちでの小槌のようなものでは?

日本国債の暴落を煽る金融の専門家の皆様はもう何年も前から日本国債の暴落を声に出していますが、ことごとく予想は外れていますよね・・・。

同じ金融の専門家と呼ばれる方には正反対の意見をお持ちの方もいらっしゃいます。

メールアドレスを入力しておきますので、続きはメールにていただければと思います。

  • Posted by 小千谷市民
  • at 2013/02/02 22:36:55

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