本日川口順子 参議員環境委員会委員長(元外務大臣)が本日解任されました。

 私が自民党の時代、2009年の選挙の応援演説で川口元外務大臣は長岡、魚沼にまで来て下さりました。その後微妙な立場に陥った私に、政治への志を捨てないよう、陰ながら励ましても下さりました。非常に賢明かつ良識にあふれた方で、「人材の活用」という意味で国が失ったものは大きいと思います。
 このような結果に陥ったことは率直に残念であり、我が日本維新の会をはじめとして、野党の対応が本当に妥当なものであったのか、よく考えてみる必要があると思います。

 しかし一方で、我が日本維新の会橋下代表が言うとおり、自民党・安倍政権の対応にも、大きな問題があったと思います。
 今回川口委員長が突然のスケジュール変更を余儀なくされたのは、そもそも論的に、自民党の閣僚の方々が靖国神社に参拝し、正直挑発的と言ってもよい発言を繰り返されたことが背景にあります。これを修正するのに、「環境委員会委員長」という外交とは無関係な立場にある川口元外務大臣が訪中したのは、自民党内に他に中国に強いパイプを持つ人物がいなかったことの裏返しでしょう。
 今回の件はおそらく、「予定は分からないが川口氏なら会ってやっても良い」的な中国の誘いに自民党が乗って川口元外務大臣を訪中させ、当初の予定を無視したオファーに唯々諾々と乗ったがゆえに生じたもと推測されます。「中国外交に良いようにあしらわれた」と評価されてしかたないものと私は思います。

 繰り返し、私は靖国参拝も、中国やアメリカに対して言うべきことを言うことも、むしろ賛成です。しかし、本日安倍総理がアメリカの反応を受けて歴史認識を修正したように、さしたる勝算もなく「自己陶酔」的な「国家主義的主張」を高々と打ち上げた後、あたふたとその対応に追われ、時に簡単にそれを取り下げるのでは、日本という国家の言葉の重みを失わせるだけで、全く国益にはかないません。
 自民党・安倍政権は、自らの理念を国際社会に理解してもらう為に、周到な準備と、準備が揃うまでの忍耐と、確実に実行できることに主張をとどめる自己抑制を兼ね備えた、成熟した外交を、展開していただきたいと思います。

 今回の件は、起こったことは起こったこととして、川口元外務大臣一人の処遇を超えて、野党、与党がともにより良い国政運営を行うための、教訓とすべきものと私は考えます。


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コメント

今回、これはこれで良かったんじゃ無いかと思いますがね。
元々中国とは話し合いなんかしても無駄だと言うことがわかっていたわけだし、
以前一部の野党の方が「中国、韓国を最優先にせよ」とおっしゃっていました

それが、今回「中国高官と会談すると野党に文句を言われる」という事例ができたので、
何かあっても中国は後回しにできるわけですし


実際問題、安倍政権というのはまず景気回復最優先で政策を実施する必要があり、
中国や韓国にあまりかまっている時間が無いはずで
少なくとも、「中国は後回しにしても良い」という与野党のコンセンサスがとれたわけです(本当はこれって屁理屈ですが、中国を相手にしなくてすむ口実にはできますよね)

まずは安倍首相には国内の問題をとにかく最優先で片付けてほしい物です

いちろうさん

コメント、ありがとうございます。

お言葉ですが、それは「少々矛盾しているのではないでしょうか。」と思います。

もし「中国は相手にしなくてよい。」というのなら、そもそも川口元外務大臣を、国会会期中に中国に送る理由はありません。他ならぬ自民党自身が、「中国と何とかしなければならない。」と思ったからこそ、川口元外務大臣を外遊させたのですし、本件が起こってからも、「国益にかなう行為だった!」とおっしゃられているわけです。
そしてもし、川口元外務大臣を中国に送った行為が国益にかなうというのなら、そうしなければならない原因を作った、重要閣僚の靖国参拝と挑発的言辞は、「国益にかなわないものだ」ということになります。

我が維新の会をはじめとした野党がどっちつかずなのは否定できませんが、自民党もその実相当にどっちつかずで、「解任」が妥当であったかどうかはさておき、自分で騒動を起こして自分でその火消しに奔走し、結果国会を軽視した責めは、受けるべきものと思います。

尚おっしゃる通り、今日本は国内に最優先で解決すべき重要諸問題が山積しています(その中には、安倍総理が「必要ない」と答弁された「年金制度の抜本改革」も当然入ります)。外交において、自分で騒動を起こして自分で火消しに回るようなほとんど得るものがない行為は慎んでいただきたいものだと、私は僭越ながら思っています。

  • Posted by 米山隆一
  • at 2013/05/12 20:43:22

「中国を相手にしなくて良い」というのは少々屁理屈ですが、
川口元外務大臣は、別に靖国云々では無いでしょう
尖閣に関して国際会議で中国が変なことを言いそうだったから、現地に残ったはずですが・・・

靖国に関しては、(総理を含め)誰も火消しをしていないと思います
むしろ安倍内閣は「靖国参拝の何が悪い」という姿勢は一貫しているように思います

それと靖国参拝ですが、いつに間にかハードルが上がってますね
以前は終戦記念日以外は、結構行ってる人が多くても(例大祭なんかほとんど全員行ってますが・・・)何も言ってこなかったのが、
どんどんエスカレートしてきています
いちいち相手をするから、騒ぎ立てられるので相手がいくら文句を言ってきても一切無視でいいと思います


年金改革は、民主党時代に
全国民の年金を統合するが、公務員だけは税金で支払時に上乗せする
というなかなか気違いじみた案でほとんど決まりかけていましたが

とっとと統合してほしいんですが(というかワタシは自分で運用するので今まで払っていた分を全額返却してほしい物です)

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