ニュースの感想
来春からの消費税上げがほぼ既定路線になりつつある中で、2014年度予算に向けた概算要求が過去最大の99兆円に達したとの報道がなされています。
因みに2013年の当初予算は92兆円です。今後の予算編成次第ですし、補正予算もありますから何とも言えない部分も多々ありますが、少なくとも単純比較で、来年度の予算は、社会保障費の自然増1兆円分を除いて昨年より6兆円ほど多く、消費税3%増税分は、「そっくりそのまま社会保障ではなく、予算の拡大に雲散霧消する。」と言え、「いったい何のための消費税増税なのか?」といわれても仕方ないものと思います。
安倍政権の経済運営に対する国民の期待は尚高水準を維持していますが、私は正直に言って、安倍政権は、
① 財政出動による景気浮揚
② 増税による財政再建
③ 民間の投資拡大による成長
という相反する政策を、取捨選択しないまますべて同時に行おうとしており、目的の実現は不可能である、と考えます。
まず①は、冒頭に記載した通りで、現在衆参両選挙に大勝してねじれを解消した自民党は現在「国土強靭化」を筆頭に、従来通りの大量の国債を発行して国の財政出動で景気を回復しようと、奔走しています。それはそれで、短期間に限るならあっても悪くないのでしょうが、①をやりながら②をやるのでは、マクロ的にはアクセルとブレーキを同時に踏むようなもので、公共事業を請け負う建設業者のように直接政府から仕事を受注する団体以外への景気の浮揚効果は極めて限定的なものになります。
また逆に、政府、とくに財務省は②の消費税増税を筆頭に、日本の危機的財政状況を改善しようとしていますが、一方で前述のとおり①の自民党的財政拡大圧力はコントロールできておらず、結局のところ「増税分はほぼそのまま、公共事業を始めとする国の支出に消える。」ことになってしまっています。
そしてさらに安倍総理は、今国会を「成長戦略国会」と位置付けて、③のさまざま成長戦略を打ち出されています。しかし、現在、前述した①をファイナンスするために、1年で40兆円、GDPの8%にも上る国債が新規に発行されています。これはつまり、本来銀行から企業に貸しだされるはずの資金が、そっくりそのまま国債の購入に充てられていることを意味し、どんな成長戦略を打ち出そうが、構造的に民間にお金が回らない構造は維持されたままです(そこは金融緩和で何とかするということなのかもしれませんが。)。
もし本当に政府が 景気回復、財政再建、経済成長を同時に達成しようというのであれば、
① いったんは財政出動をするが、景気対策としての財政出動は、可能な限り短期に切り上げる。
② 増税のみに頼らず、特に社会保障を中心とする支出を抜本的に見直し、恒常的な予算拡大を防ぐ。
③ 政府の直接的関与、国債発行を可能な限り減らし、民間の投資に資金が配分されるようにする。
と言う、「切り上げる」「削減する」と言う方向の政策も、絶対に必要になるのですが、安倍総理、政府自民党に、そういった「痛みを伴う決断」を「批判を引き受ける覚悟」をもって実行する意思は、今のところないように見えます。
これは結局のところ、国民にとって、さしあたり都合の良い政策を、取捨選択することなく実行しているだけで、「不景気・危機的財政・成長力不足」という根本的な問題は先送りにされ、遠くない将来に、より悪化した形で顕在化するに過ぎないと、私は思います。
衆参で圧倒的多数を保有する自民党には、今だからこそ、目先の利害の囚われず、将来の為に、「痛みを伴う決断」を「批判を引き受ける覚悟」をもって実行していただき、将来の「好景気・財政の健全化・高成長」を実現していただきたいと思います。
正直に書き込みをさせていただきます。
既に原発に関してはチェルノブイリ並の対応が早急に必要だと感じています。
故郷やそこに住んでいた人達の悲哀は理解していない訳ではありません。
しかしながら、事態は付け焼刃の対応で終わる状況なのでしょうか?
原発を作った時点で安全性0など有り得ない事は解っていた筈です。そこを多数決であったにせよ、民主主義で決定し、原発政策を進めて来たのは政治家だけではなく自分たち自身、日本国民の責任だと思います。
では今、この切迫した状況の中で重要なのは何なのでしょうか?!
知恵や知識の足りない私が意見するのもおこがましいですが、とにかく事故の現状を把握し、その拡散をいち早く止めるべきだと考えます。
残念ながら東電も国も国民も現状を正確に把握出来ていないのではないでしょうか?
日本人としてこんな状況は恥ずかしいです。津波の時の倫理的行動は素晴らしかったのに。何故、原発への対処はこんなにもお粗末になってしまうのでしょうか?!
こんな状況で、オリンピックの招致で日本は安全だ!完全に解決してみます!と発言している首相も気がしれません。世界的に考えておかしいでしょう。。。。。 違うんでしょうか?!
凍土とか良く解らない物に頼り、断片的な対応しか出来ていない状況より、私は完全に封鎖する位の対応が絶対的に今の現状として必要な段階に来ていると感じます。
原発反対のデモをやる位なら、もっと現状見ませんか?!そこまで切迫していますよ。自身や今いる家族、これからの家族、友人、世界の人達の危機ですよと思っているのは間違っているのでしょうか?!
長文ですみません。あまりの危機感の無さに驚き、嘆き、私が出来る事をもっと考えながら投稿させていただきました。不躾な文章と文言、知識、言葉足らずな面はお許し下さい。
米山さんの意見や考えが多くの人に浸透し、世界が変わる事を願っております。
新潟県人さん、コメントありがとうございます。まさに国際公約になりましたね。そして、私がこの記事をアップした9月5日から8日までのわずか4日で、さまざまな前提条件が二転三転しています。オリンピック自体は結構なことですし、決意表明も素晴らしいのですが、正直「事実とは異なるところからスタートした、あまり根拠のない断定。」をしてしまった政府が、にっちもさっちもならなくなった時に本当に正しい情報を伝えられるのか、公約とは異なる、しかし現実に実現可能な最善の策を打たなければならない事態が訪れたときにそれが出来るのか、危惧されます。いずれにせよ、後3年は、頑張ってもらうしかありません。そして3年後は、おそらく収束していないその危機の解決の、一翼を担える立場に是非上がりたいと思います。
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