ニュースの感想

 新潟市で、高齢夫婦の遺体が見つかり、認知症の妻を介護していた夫が妻と無理心中したのではないかと推測されています。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/130902/ngt13090221000002-n1.htm

 記事は断片的であり、詳細を知らない私に、事件の本当の原因・背景は分かりません。

 しかし、「増え続ける社会保障費」が問題となる中で、国は、当初「家庭内介護から社会全体で負担を分かち合う施設介護へ」を旗印に創設した介護制度を、「施設介護から費用の掛からない自宅介護へ」と大きく転換しています。
この事件は、行政は高齢の夫が妻を介護する老老介護状態それ自体は把握していましたが、訪問介護で対応する中で、発生しています。国の「可能な限り自宅介護へ」と言う方針が、それをする能力のない家庭にまで適用され、悲劇を生んだ可能性を否定できません。
そして同じような悲劇を生みかねない状況は、私が知るだけで現実に複数存在し、十分な行政的手段がないまま、放置されています。
率直に言って現在の介護制度は、一世帯に一人の親を複数の子供が介護する「幸福な標準世帯」の様なものが暗黙の前提となっており、「老老介護」「お一人様」に代表される、日本の急速な少子高齢化に対応できていません。

選挙期間中から再三申し上げていたことですが、日本の介護、医療制度は上記事例をはじめとする様々な点で危機に瀕しており、このような悲劇があまり大きく取り上げられないまま、日々浮かんでは消えています。
 選挙を支援してくれた団体の期待に応えるために予算分捕り合戦に血道を上げるエネルギーとお金があるのなら、是非今こそ、介護制度・医療制度を見直して、社会保障費の際限のない拡充を防ぎつつ、すべての人が少なくとも最低限度の介護・医療を受けられる制度を再築し、目の前で今起こっている悲劇を防ぐべきだと、私は思います。
 
まだ見ぬ敵に備える安全保障や、まだ来ぬ災害に備える対策が、大事な国家的課題であることに異論はありませんが、今目の前にある悲劇に対応し、すべての人に訪れる老いと病に備えることも、同じように重要な国家的課題であり、政治が全力で取り組むべき課題だと、私は強く申し上げたいと思います。


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