オオダイラさん、地方医療の未来形さんから、地方の医師不足の解消策について、ご質問がありましたのでお答えします。
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地方に住む人間、そして地方での行政に携わる人間にとって、医師不足、医療機関不足は非常に頭の痛い問題です。開業医は診察待ちであふれ、地方の中核病院は入院施設が足らず、高度医療・高度救命救急の施設を作りたくても必要な医師を確保することが出来ません。あまりに長い期間この問題が放置されているので、地方の住民も行政関係者も、地方には医師がいなくて仕方がないとさえ、思っています。
しかしこの問題には、極めてシンプルかつ(制度を変更さえすれば)実現可能な、解決策が存在します。それは、たった一つ、
「保険医登録できる医師数を、都道府県(若しくは市町村)ごとに、人口比例で割り当てる。」
と言う条文を、健康保険法(並びに関連する政令に)、入れることです。
「保険医登録」と言うのは、健康保険から診療報酬を受け取る資格、要するに「保険診療」をする資格のことです。皆さんがかかっているお医者さんは、それぞれの都道府県に保険医登録しています。だからこそ皆さんはそのお医者さんが行った診療の治療費の7~9割を保険から支払ってもらうことが出来、お医者さんはこれを受け取ることが出来ます。逆に言うと、保険医登録がなくても医師であれば診療・医療行為は出来ますが、患者さんは健康保険を使うことが出来ず、従って治療費は100%自費になってしまいます。
現在医師は、住所地(勤務地)に申請さえすれば必ず保険医登録をしてもらえますので、どうしても都会に集中します。これを、東京の保険医登録数がいっぱいになったら、それ以上は登録できず、医師が足りない地域で登録せざるを得ない、とすれば、100%自費の治療をするのでない限り、医師は保険医登録できる地方に移動することになります。状況は異なりますが、かつて弁護士過疎が問題となっていた弁護士業界でも、「都会では食えない」状況が生じた途端、地方への弁護士の移動が発生し、現在ほとんどの地域で、極端な弁護士過疎は解消されています。
たったこれだけのことですが、「食えない」と言うことの効果は絶大です。「保険医登録数の人口比例割り当て」が実現すれば、おそらくさしたる年限を要せず、かつ自然に、日本中のすべての地域に、平均して医師がいる状態を実現することができると私は考えます。
では、このような改革は、現実問題として、可能でしょうか?上記のとおり法案そのものはシンプルでその実行も容易です。
以前厚生労働省が検討した、医師の開業制限や強制的な医師配分制度では、職業選択の自由や営業の自由が問題になりましたが、この制度は保険者(保険組合)が、その支払いをする相手を選ぶだけですから、いずれの原則にも抵触しません。
また、極めてそもそも論的に、保険者(保険組合)は全保険加入者(国民)から同じ保険料を集めているのですから、人口割で同じ数の医師を配置して全保険加入者(国民)に等しくサービスを提供するのは、むしろ義務であるといえます。
そしてアメリカでは、少々趣旨は違いますが、州ごとに専門医の数が割り当てられ、その専門医だけに保険会社から保険が支払われるという形で、地域ごとの医師数の平準化が一定範囲で達成されています。
勿論、本当にこの制度を、実行しようとするなら、特定の地域の限られた定数に申し込みが殺到した場合、どのように選択するのか、また、「人口割」とはいえ、離島や山村に配慮した配分をどのように決定するのか、更に逆に、大病院・先端施設への配分をどう決めるのか等、様々な技術的な問題は生じます。
そこに関しては、かねて私が主張しているように、現在の市町村単位、職能組合単位の保険運営をやめ、すべての保険組合を統合した全国一組合を作って本当の意味の「国民皆保険」を実現し、その中で配分や運営を定めていくことで実現可能だと思います。その結果、組織運営の効率化やコスト削減による医療費の抑制、さらには国民健康ビッグデータの活用による新たな医療産業の育成までもが可能となると私は考えます。
すなわちこの案は、エッセンスのアイディアとしては、「保険診療を出来る医師を人口割で配置する。」と言う極めてシンプルなものですが、同時に、「医療保険そのものを作り直し、長期的に継続可能な保険制度を作り、IT技術を駆使してさらなる医療産業の発展を図る」と言う極めて壮大なものでもあります。
選挙演説のようになって大変恐縮ですが、改めて私は、皆さんに問いたいと思います。もう何十年も、自民党、民主党を問わず、数々の国会議員が、数々の首長が、数々の地方議員が、選挙のたびに「中央と地方の医療格差を無くす。」「わが故郷に立派な病院を建てる。」「わが街の医師不足を解消する。」と言ってきました。そして時に自らのコネで、時に政治力を駆使して、一つ二つの病院を作り、何人かの医師を地方に招聘してきました。しかし、それでこの新潟の、地方の、日本全国の、医師不足は解消したでしょうか?答えは、「No」です。今ある医療制度の矛盾を放置したままで、弥縫策を講じても、この問題を解決することが不可能であることは、本当はとっくに皆気が付いています。
それであれば、問題を正面から見据えて、最初から地方にも等しく医療を提供できるような制度を作ればいいのではないでしょうか。今の日本の医療制度は、実は40年前に田中元首相がその基礎を作ったものです。それはそれで偉大なことですが、中央と地方の医療格差、増え続ける医療費の問題は深刻化する一方で、少子高齢化の現代にそぐわなくなっていることは否めません。
そうであるなら、今を生きる我々が、今の社会にふさわしい医療制度を、自らの力で作るべきです。それこそが、田中元首相の遺志を継ぐということだと、私は思います。
野党の、しかも支持率1%の政党の候補者のお前に出来るものかと言われる方も、おられるでしょう。勿論、未来のことを断言することは出来ません。
しかし、私には医療と法律の専門知識があり、医療政策をともに学んだ多数の友人がいます。自信過剰と言われるかもしれませんが、立場をいただけば、多くの方の協力を仰ぎながら、私の構想を、「法案」と言う形に作りこむ自信はあります。
そして幸い、我が維新の会は与党自民党と決して悪い関係にはありませんし、私自身も、新潟ではいざ知らず(苦笑)、自民党本部の方々とは決して悪い関係ではありません。「がん対策基本法」がそうであったように、少なくとも法案のエッセンス部分については、与野党横断の議員立法として成立に持っていくことは、可能であると考えています(医療制度全体の再構築は、少なくとも厚労大臣くらいにならないと難しいでしょうが)。
「中央と地方の医療の格差」はすなわち、「中央と地方の命の格差」です。そしてこの格差は、日本の医療制度そのものの矛盾から、生じています。この制度矛盾を何年間も放置して来た人たちにいくらお願いを続けても、まだ現れてもいない英雄の再来を願っても、何一つ現状は変わりません。
大業な言い方で大変恐縮ですが、私は人生を賭して、「中央と地方の命の格差」を解決したいと心から思っています。そして、「私は人生を賭けるから、私を信じて、地域の未来を賭けてほしい。」と、粘り強く訴えていくつもりです。
ありがとうございます。
良くわかりました。
医療保険の政策もその通りだと思います。
ご提案のような根本的な政策が必要だと思います。
大きな仕組みを変える政策を今後も訴えてください!!
私は政治に詳しくないので,難しい事はわかりませんが,素朴な質問を少しさせていただきたく思います。
米山さんがお持ちのその構想は,米山さんが議員にならなくてはできないものなのですか?
医療と法律の専門知識がある議員は,自民党や維新の会の中にいらっしゃらないのでしょうか。
もしいらっしゃるのならば,米山さんのその構想を伝え,動いていただくことはできないのですか?
その構想が本当に実行容易で,有効なものであるならば,動いて下さる議員さんがいらっしゃるのではないですか?
これまで実際に他の議員にその構想について何度もはたらきかけたが,うまくいかなかったので,自分が議員となってやりたいというなら理解できるのですが,その点はいかがなのでしょうか。
それから,ツイッターやいくつかのブログを読ませていただいて,感じている事を一つ付け加えさせていただきます。
米山さんの書かれる文章から,米山さんが真面目で,誠実で,一生懸命に頑張っていらっしゃるようすは十分に伝わってきますが,「落選に落選を重ねて」とかいったような自虐的なことはあまりおっしゃらないほうがいいのではないかと思います。
今回のブログでも,「野党の、しかも支持率1%の政党の候補者のお前に出来るものかと…」と書かれていますが,維新に対して偏向報道を繰り返しているマスコミが発表した支持率をそのまま鵜呑みにしているような表現は,拝読していて,「こんなことをあえて書かなくても」と思ってしまいます。
率直に申し上げて,米山さんは議員になることが目的なのではないかと感じてしまうことがあります。維新の会の人達にとって,議員になるのは改革を進めるための手段であるはずなのですが…。
私には,米山さんの維新に対する思いがあまり感じられなくて,その点が少し残念です。
いろいろ失礼な事を申し上げたかも知れませんが,維新の会を応援する者としての率直な思いとして,ご容赦ください。
sayaさん、端的にお答えしますが、私は私の構想を実現することは、私が議員にならなければできないと、自負しています。
国会議員は、誰でもできる、専門知識も技術もなくても、だから人柄だけで選べばいいと、思っている方もおられるように思います。しかし、法律の作成、更には国家制度の変更には、様々な困難、さまざまな根回し、さまざまな知識、そして何より、明確な目的と、それを実現する折れない鉄の意志が必要です。国会議員ならだれもがそれを持っているわけではありません。
自虐的コメントを全く抜きに言うのであれば、私は誇りを持って、自分はそれを出来ると思っているし、私以外の方が、私以上の情熱で、それを実行できるとは思いません。だからこそ私は、何度落選しようと、国会議員になろうとしているのです。
維新の会はとてもいい党ですが、同時に改めるべきところもあります。あすなろ会をはじめとする多く仲間、多くの先輩とともに、多くの方の思いを実現できる政党に成長していければと思います。
お答え,ありがとうございました。
自虐的コメントや,もっとこうさせてもらえたらこうできるのにというような表現ではなく,その強いお気持ちをストレートに前面に出し続けられたらよいと思います。
維新の会はまだ若く,支持者の目から見ても,不満な点は多々あります。
おそらく,橋下さんが潰されてしまったら,その存続さえ危ぶまれるのではないでしょうか。
大阪では,その改革の成果を実感できるので,支持者の方達が橋下維新を支えようと必死になっていらっしゃいますが,地方では,マスコミを通してネガティブな情報ばかりがもたらされ,維新はもう終わったと印象付けられています。
今発信すべきは,維新が改める点ではなく,マスコミが決して報道しない,橋下維新の成果,頑張っている点ではないでしょうか。
米山さんは,橋下さんをあまり認めていらっしゃらないのかもしれませんが,良くも悪くも,組織をもたない維新はまだ橋下さんの存在に頼る所が大きいわけで,橋下さんが大阪で上げている成果を地方に伝えることは,維新の支持率upにつながると思います。
米山さん自身の政策にもっと耳を傾けてもらうためにも,地方における維新の支持率自体をupさせる必要があるのではないでしょうか。
マスコミは決して伝えませんが,実際に,大阪では,周り中抵抗勢力に囲まれながら,数々の改革を行い,成果を上げています。大阪の事情は他の地域とは違う点があるとはいえ,その事実をもっとアピールして,維新が本気の改革政党であることをもっと新潟の皆さんにも知らせるべきと思います。
偏向マスコミを真に受けて支持率1%などと嘆いていないで,もっと維新をアピールして下さい。維新を応援したいと思っている人達は,たくさんいます。でも,大阪以外では点の状態で存在していて,なかなかつながれないのです。そういうところが,維新の勿体ないところと思います。
私は,政治に詳しくないながらも,維新が潰されたら,この先の改革はどうなってしまうのかという危機感をもっています。そのため,少し熱くなりすぎた点があるかもしれません。その点はご容赦ください。
米山さんの維新なご活躍を期待しております。頑張ってください。
新潟にも維新を! ぜひお願いいたします!
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