政府与党が減反の廃止を「遂に」と言う感じで打ち出しました。県内各自治体首長の反応は割れており、私の生まれ故郷では、魚沼市は反対、南魚沼市は賛成です。

 私は維新の会ですから当然賛成と思われていると思いますが、意外や「国民年金だけで暮らせる社会保障制度改革をしない限り反対」と言う立場です。

 「お前は本当に何から何まで社会保障制度改革に結びつけるなぁ。」と思われるかもしれませんが、私としては、これにはまっとうな理由があると思っています。
 米を作らないだけでお金がもらえる「減反政策」とこれによる米価の維持が極めていびつな政策であり、早晩終了せざるを得ないことは、理の必然ではあります。
 しかし一方で減反政策が存在したには存在したなりの理由があります。それは地方の小規模零細農家に、米作そのものと合わせて平均年230万円の収入を与えることで、地方での生活を成立させていた、つまり減反政策は、形を変えた農村の社会保障だったということです。
 今突然減反政策を停止し、減反調整金の給付を止められ、米価の低下に見舞われたら、冗談ではなく本当に、その年の冬に、数は少ないでしょうが国民年金だけで暮らす何人かの高齢者に餓死者が出て、地方の経済は崩壊に瀕するでしょう。
地方の零細農家、なかんずく高齢者が、わずかな稲作収入に頼って生きているのは、彼らの多くが年間わずか64万円と言う国民年金しか、稲作以外には計算できる現金収入がないからです。

 要するに自民党は、一方で平均月額23万円と言う共済年金を公務員に支払いながら、農家は平均月額5万3千円と言う国民年金で放置し、その穴埋めを、公共事業のバラマキと減反政策と言ういびつな米価維持政策で行ってきたのだといえます。

 これが弥縫策でなくてなんでしょうか?

 私は、最初の選挙から8年、変わらず訴えています。

「公務員だろうが会社員だろうが農業だろうが非正規雇用だろうが、みんなが同じ年金に入れる、本当の国民皆年金制度を作りましょう。そしてその年金で、誰もが贅沢ではなくても、きちんと暮らせる制度を作りましょう。そうしてこそ、みんなが本当に安心してこの故郷に住めるようになります。それをせずに付け焼刃の公共事業と農業保護をしても、故郷は守れません。」と。

 挑戦的な言辞で恐縮ですが、故郷の自民党議員は、もう8年間、口を開ければ「故郷の為に」「故郷を守る」と言いつづけています。しかし、地震の後、総額200億円1人当たり800万円をつぎ込んで公共事業を行ったその故郷の人口は、8年間で2200人から1200人へとほぼ半減し、高齢化率は45%に達しています。付け焼刃の公共事業で故郷は守れないことに、私たちは気づくべきです。
 そして今その自民党は、到底それだけでは暮らせない国民年金制度を放置したまま、限界となった減反政策を突如放棄しようとしています。繰り返しで恐縮ですが、その結果、数は少ないでしょうが、本当に高齢の零細農家に餓死者が出かねないことを、今、故郷の介護の現場にいる私は、知っています。自民党の政策は、本当に「故郷を守る。」ものでしょうか?付け焼刃の弥縫策を続けて、この新潟で、高齢者の国民年金と若手の収入で生きている方々の暮らしは、本当に守られるのでしょうか?

 国や県の公共事業予算や農政のあり方に翻弄されることなく、本当にみんなが安心して暮らせる社会保障制度を作ってこそ、本当に故郷の暮らしを守ることが出来るのだと、私は粘り強く訴えていきたいと思います。


  • コメント (1)
  • トラックバック (0)
トラックバックURL :
http://www.election.ne.jp/tb.cgi/96478

コメント

弥縫策ですらないでしょう。
合法的な買収です。

  • Posted by 名無し
  • at 2013/11/03 11:57:30

エレログTOP | エレログとは | 運営会社 | 免責および著作権について | お知らせ

政治家ブログ”エレログ”地方議員版ができました。参加お申し込みはこちらから

政治家専門サイト ele-log 国政版 お申し込み 政治家専門サイト ele-log 地方版 お申し込み
国会議員、都道府県知事、市区町村長、都道府県議、市区町村議、および立候補予定者専用

Copyright by Promote committee of Online-Election.,2001-2007, all rights reserved.
ele-log and the ele-log logo are registered trademarks of
Promote committee of Online-Election