本日長岡南倫理法人会にて、「日本の福祉の現状と展望」と題して講演をさせていただきました。団塊の世代が一斉に後期高齢者となる「2025年問題」を論じ、皆さん深刻な顔で聞いてくださりました。
極めて単純な統計的推計により、わずか10年後、我が日本は、団塊の世代が一斉に75歳以上となり、65歳以上の高齢者人口は3500万人(+500万人)、75歳以上の後期高齢者人口は2200万人(+700万人)、認知症罹患者320万人(+170万人)となると予想されています。
そして今の制度のままこの方々の医療・介護・年金に対処するためには、社会保障給付費が150兆円(+30兆円)、介護職員が350万人(+150万人)必要になります。
しかしながら驚くべきことに、この「+30兆円」の財源、「+150万人」の人員をいかに確保するかと言うことについて、実現可能な具体策は、どの省庁の将来推計、国のどの研究会の報告書にも提示されていません。(仮にこの「+30兆円」を消費税で賄うなら、単純計算で消費税を20%に上げる必要があります。また仮に介護職員を建設業従事者からの転職で賄うなら、現在の建設業従事者は500万人ですので、そのおよそ1/3に転職してもらい、その結果、2025年には建設業従事者数、介護職員数が伴に350万人で並ぶという時代の転換点を迎えることになります。)。
この問題を放置した場合、2025年に後期高齢者となる1000万人のうち要介護となる200万人(うち100万人は認知症)のおそらく100万人程度は施設に入れず自宅介護を余儀なくされ、さらにそのなかの30万人は65歳以上が65歳以上を介護する老老介護となります。
2025年問題は、今65歳以上のすべての人にとって「10年後ほぼ確実に、自らに訪れる、極めて深刻な危機」であり、65歳以上の親(祖父母・親族)を持つすべての人にとって、「10年後ほぼ確実に、家族に訪れる、深刻な危機」であり、直接自らが介護には関わらない人にとってさえ、「『消費税20%』並みの大増税の危機」なのです。
安倍ノミクスの夢に沸き立ち、「国土強靭化」の名の下に公共事業費を倍増して道路や橋を新設し、「地球儀外交」の名の下に他国に1兆円単位のODAをばらまくのも悪いことばかりではないでしょう。しかし、今、我々の足下の社会保障制度が崩壊の危機に瀕している現実を直視し、抜本的な改革を進めて、ほぼ確実にやってくる危機に対処しなければ、我々自身が、10年後、極めて悲惨な「崩壊の帰結」を体験することになります。
「夢がない」と言われようが、「いい加減にしろ」と言われようが、何処までも、粘り強く、社会保障制度改革の必要性を訴え、そして具体的で実現可能な改革を実行し、日本に住むすべての人の人生の危機を救いたいと、私は思います。
いつも拝見しています。今回のテーマはインパクトを感じました。待ったなしの難しい問題ですね。米山さんの「志」を応援しています。
都内にも講演に来て下さい
応援してます
もし都内から立候補されるなら米山隆一に投票します
老人を介護施設に閉じ込めてここから出るなということをしても、入所者の満足度は上がりません。介護施設に入所している老人に「何かご希望ございませんか?」と聞くと「お願いだからここから出して家でのんびりさせてください」という答えが返ってきます。たとえがおかしいかもしれませんが現実は、部屋の広い拘置施設といったところでしょうか。
長岡のあたりの医師あまり・クリニックあまりはかなりのものです。働くところのない医師のために老人が犠牲になっているのが現状かと思います。もう介護施設は今くらいの数でいいのではないでしょうか?これ以上増やしても、介護施設やそこに往診するクリニックに融資している銀行や信用金庫を肥やすだけで、その影でホームシックにかかった老人達のたくさんの涙があることを忘れないでください。
想像してみてください。米山さんだって、建物の入り口にカギをかけられ、「このフロアから出てはいけません」という生活を送ったら、数週間から数ヶ月で頭おかしくなると思いますよ。
現場の介護士さん、コメントありがとうございます。
そこは難しい問題ですね。介護を受けている方に、帰宅願望が強いのは、おっしゃる通りです。
ところが実際に帰宅してみると、だれより本人が十分な介護を受けることが出来ない不満を家族に当たり、家族がパンクするということがよく見られます。そもそも、大抵の家庭はぎりぎりまでは自宅で介護をされます。それがどうにもならなくなって、本人も納得して施設に入所したのだけれど、入ってしばらくすると、そんなことはすっかり忘れて帰宅を希望する、と言うのが実態なのではないでしょうか。
詩的な表現をするなら、「山のあなたの空遠く 幸い住むと人の言う 嗚呼、我人と尋め行きて 涙そめぐみ帰り来ぬ」を、自宅と施設の間で無限に繰り返されているのだと思います。
介護を受ける方の希望を100%かなえることが出来ればそれに越したことはありませんが、それが出来ないという現実の下、本人と家族の幸福のバランスを考えるなら、「施設介護」は否定されるべきでない選択肢であると、私は思います。
政府は医療・介護分野の人手不足を補うために外国人労働者の受け入れ拡大を検討しているようです。
>政府は20日午前、産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)を首相官邸で開いた。。医療・介護分野の規制緩和でこれらの分野を「成長エンジン」に育てることが柱になる。外国人労働者の受け入れ拡大も検討する。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikk
外国人を入れるのではなく、日本人の雇用を増やして欲しいものです。医療・介護職を女性の職場と限定すれば、人手不足になるかもしれませんが、男性を医療・介護職で積極的に雇えば日本全体では人手不足と言う事はありません。
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