私のブログ記事
「ウクライナにベットせよ ~蝙蝠はすべてを失う~(http://www.elec
に対して、「さて」さんから
>クリミア半島は、元はロシアの領土でフルシチョフの時代に委譲されています。住民もそのまま管轄が移されました。その住民の意思によって移りたいと言っているのです。後から人を送り込んで独立宣言したのではありません。
とのご指摘がなされましたので、これに対する回答、すなわち私が、何故日本がウクライナを支持すべきと考えるかその理由を、稿を分けて述べさせていただきます。
理由は、①功利的観点、②国際法的観点 ③現実的観点 の3つあります。
①まず功利的観点ですが、
たとえば尖閣問題について、日本は当然これを日本領だと主張しており、私もそう信じています。しかし少なくとも中国はそうでないと主張しており、例えばヨーロッパの第3国から見てどちらが正しいかを客観的に判断することはほとんど不可能です。結局これらの国にとって、どちらに味方するかは、日本と中国のどちらを信じるか、どちらの陣営に就くのが得かという功利的観点で決まるものと思います。
クリミア半島に対する日本の立場も同じことが言えると思います。ロシア側はクリミアの自治を掲げていますが、一方でウクライナにはウクライナの主張があります。我々はそのどちらが正しいか本当のところ知る由はありません。私は、ウクライナ、西側陣営、そしてアメリカを信用して、そちら側に就いた方が、日本の尖閣問題等で今後ヨーロッパ諸国やアメリカに味方してもらうのに明らかに得であると思いますので、功利的にそちらに着くべきだと思います。
②次に国際法的観点ですが、
「各民族の自決権は、関係各国の同意がある場合を除き、独立時点における既存の境界線を含むものではない(uti possidetis juris 現状維持原則 参照)」
-民族の自決権は、関係各国の同意なしに既存の国境を変更する権利を含まない。
は国際法上の通念となっています。
①の功利的な問題以前に、現在の国際社会の理屈・理念上も、理があるのはウクライナ、アメリカの側であり、「民族の自決権」という一見もっともらしい旗を掲げながら、無理を通しているのはロシアであると、多少なりとも国際法を学んだものとして、私は思います。
③最後に現実的な観点ですが、
いかなる経緯であれ一旦合法的にある国の領土になった地域について、歴史をほじくり返し、住民投票で独立を認め、更には隣国への編入まで許すとなったら、世界中で領土問題が噴出してしまいます(たとえば中国が、元や清の頃領土だった地域に大量の中国移民を送り込み、独立運動を展開するということが理屈上可能になってしまいます。)
またロシア自身も、このような理屈からは真っ先に独立を認めてもよさそうなチェチェン自治区の独立を全く認めていません。
結局「独立」さらには「編入」は、パレスチナを見てもわかる通り関係各国の粘り強い、息の長い交渉によって実現されなければ、紛争と怨讐とテロの連鎖を招くだけであり、この様なドタバタの中で実現されるべきものではないというのが、現実的意見だと、私は思います。
以上私は、①功利的、②国際法的、③現実的理由から、日本はウクライナを支持すべきものと思います。
パレスチナは解決する気配すらありませんね。
現実的に見ると時間が過ぎれば追認せざるを得ない状態になっています。
私は独立は認めるべきであると思う一方で、ロシアが併合を宣言したこと自体は拙速だと思います。が、いずれは時間がうやむやにするでしょう。
中国の少数民族のように。
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