ニュースの感想
政府が、集団的自衛権の行使についての公明党との協議において、一旦表明していた自衛隊の後方支援活動についての4条件を撤回し、
①現に戦闘が行われている地域には支援しない。
②支援地域が戦闘状態になった場合は活動を中止する。
とする新条件を提示する方針と報道されています。
http://mainichi
私は、これは、「欺瞞的なだけでなく、自衛隊と、多国籍軍を危険にさらす危険極まりない基準であり、後方支援活動を行うなら、戦闘に巻き込まれる可能性を全面的に認めてこれに対処するか、さもなければ、全く行わないかのどちらかにすべきだ。」と考えます。
私は、コストも危険もかさむ多国籍軍への参加-集団的自衛権の行使を、嬉々として主張する立場ではありません。しかし、一国での世界秩序の維持が困難となっている国際社会の現状に鑑み、集団的自衛権の行使-多国籍軍への参加は、やむを得ないものと思います。
そして、どのような活動であれ軍隊として参加する以上戦闘に巻き込まれる可能性は常にあり、そうであるならば、ひとたび戦闘が始まったら、可能な限り速やかに、可能な限り徹底的に、相手方の戦闘能力を奪い去ることが、自らの身を守るための最良の戦法であり、その心構えと準備を万全にしておくことこそが、むしろ戦闘に巻き込まれる可能性を最小にするものと思います。
「戦闘状態になった場合には、迅速かつ徹底的に反撃する」準備をすることなく、それどころか、「支援地域が戦闘状態になった場合は活動を中止する」などと事前に表明している軍隊は、相手方から見れば、そこをほんの少し攻撃すれば一目散に逃げ出すか、少なくとも指揮命令系統が混乱してろくな反撃をしてこない「カモ」以外の何物でもありません。私が相手方指揮官で、かつ本気で事を構える気があるなら、間違いなく、自衛隊若しくは自衛隊が後方支援をしている部隊をまず真っ先に攻撃します。
政府の掲げた新基準は、そもそも危険がある後方支援活動を「安全」として国民を偽る欺瞞に満ちたものであるだけでなく、自衛隊自身を、そして自衛隊が支援しているはずの多国籍軍を、戦闘どころか壊滅の危険にさらす、極めて危険なものと言わざるを得ません。
繰り返し、私は、集団的自衛権の行使を、嬉々として主張する立場ではありません。しかし、それが避けられないなら、きちんとそのコストとリスクを国民に説明した上で了解を取り、徹底的かつ完璧に行使すべきものと思います。
政府にその覚悟がないのなら-集団的自衛権の行使についてのコストとリスクを隠蔽し、あたかもそれが安全であると欺き、結果として自衛隊員の貴重な命を危険にさらし、時として現実に命を失わせる事態まで発生させるなら、いっそのこと集団的自衛権の行使などと言う過大な義務を放棄して、一切何もしない方がましです。
原子力発電、TPPへの参加、集団的自衛権の行使、これらの当然にリスクとコストがかかる問題を、安倍政権は何かと「リスクはない、安全だ、大丈夫だ。」と言う「安全神話」を創作して推し進めています。その「安全神話」に基づく「覚悟無き政策実行」が、やがて日本に大きな厄災をもたらさないことを、祈ります。
これは、集団的自衛権という言葉を何とかして残したいだけ?これが実行されたら、最もあてにならない連中に成り下がりますな。
私は世界でも「自国を自分達の手で守らない」と宣言しているのは日本人だけではないかと感じ、違和感を感じています。集団的自衛権の考え方自体は必要な事だと思いますが、機能しないような法案にならないことを願っています。
最近のコメント一覧