衆議院選挙は、中盤にして早自民圧勝の報道が出そろっています。野党の一員として逆転に死力を尽くしますが、結果は結果として受け入れる心づもりも必要なのかもしれません。
伝え聞く限り自民党陣営は、公式にはどうあれ、内部は浮かれています。確かに政治的には、完膚なきまでに野党をたたきつぶしての勝利が目前に迫っているのであり、
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」
という心境でしょう。
しかし残念ながら、国内で権力闘争に勝てるということと、日本の経済を適正に動かせるということは全くイコールではありません。衆議院選での勝利はアベノミクスの信任ではあるでしょうが、アベノミクスが正しいということを立証するものではないのです。
それどころか、衆議院圧勝予測の昂揚感の陰で、円の為替市場は7年ぶりに121円をつけNYダウが、ひそかに上昇を続けています。
経済の予想は当たらないのですべきでないのですが、敢えて私は、比較的近い時期の、株の暴落リスクが高まっていることを、申し上げたいと思います。
このブログで再三指摘しているところですが、今回の自民党圧勝で、アベノミクスはどう見てもあと2年、おそらくはあと4年続きます。それは、日銀の常軌を逸したともいえる黒田バズーカ2と自民党政権によるバラマキが今から4年間ほぼ確実に継続し、その間必然的に円が下落し続けることを意味します。たとえ円安が行き過ぎたとしても、利上げをして円を防衛することは国債の暴落を招き、今すでに困難ですし、これから一層難しくなるでしょう。そこに、アメリカの好景気による株高が加わります。如何に日経平均が上昇しているとはいえそれは、多くの海外投資家にとって、日本株、日本円を売ってアメリカ株を買う方が得であり、日本円と日本株が、もはや投資すべき対象ではなくなることを意味します。日本の株式市場の売買の6割を海外投資家が占めている現状で、それはそのまま日本株の暴落につながります。
それがいつになるかはわかりませんが、おそらくその時も、時の権力は、あらゆる言い訳を駆使して、失敗を他の要因のせいにするのでしょう。しかし何と言い訳してみたところで、その時日本経済が大きな打撃を受けることに、変わりはありません。
この総選挙における自民党圧勝が、アベノミクスという饗宴の終わりの始まりであることを、敢えて述べさせていただいたうえで、私は私の立場で、次の勝負のために、力をつけ、爪を磨こうと思います。
ところで素朴な疑問ですが、選挙期間中なのに自民圧勝の報道をすることは法律的にみてどうなのでしょうか。世論の誘導のようにもみえますがね。
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