活動報告
大阪都構想が佳境を迎えています。最新の世論調査で賛成39%対反対47%ということで、賛成派には厳しい状況となっています。維新の党として当たり前ではあるのですが、私は都構想に賛成で、是非大阪の皆さんに都構想の意味するところをご理解いただき、大阪を前に、進めさせていただきたいと思っています。
わずか数か月前までは賛成派優勢であったのがここまで情勢が変わってしまった要因は多々あるのですが、反対派の「大阪市の税収が市外に流れ、大阪市のサービスが低下する!」という主張が功を奏したのが最も大きいと思います。
確かにこの主張は、「俺の稼いだ金を他人にとられてたまるか!」という素朴な感情に訴える分かりやすいもので、反対派がこの主張をメインに据えたのは、少なくとも選挙戦術上は成功であったと思います。
しかし、ではこの主張が正しいかというと、私はそうは思いません。そもそもこの主張は、「大阪市の税収は、大阪市民が稼いだものである。」ということが前提になっていますが本当にそうでしょうか?大阪の昼間人口は大阪の夜間人口の1.33倍です。大阪の税収のもととなる経済活動の少なくとも1/4は、大阪市以外の人が、大阪に来て働いて、ショッピングをして、観光をすることで成立しているのです。それはすなわち、大阪の税収の少なくとも1/4は、そもそも大阪市民が稼いだものでなく、大阪市外の人が稼いだものであり、それが大都市に富として集積したに過ぎないということです(より厳密に見積もれば、市外の人が稼いだ割合はもっと大きくなると思います。)。そしてそれは、大阪市の税収は、ただ単に大阪市内に投下するだけでなく、大阪市に働きに、買い物に、観光に来る方々のためにも使われるべきだということを意味し、逆に言うなら、そうやって大阪市外の地域との連携を高めることによってこそ、富の集積地としての大阪はより発展できるのだということを意味します。
大阪に限らず、大都市は、周辺の土地や人々があってこそ栄えます。「大阪市の税収は大阪市外ではびた一文使いたくない。」という主張は、一件もっともに見えて、NIMBY(Not In My Back Yard「(迷惑施設は)私の裏庭には持ってきてくれるな。」)ならぬ、OIMBY(Only In My Back Yard「(利益は)私の裏庭だけにあればそれでいい。」)な、少々視野の狭い主張であるように見えます。
大阪がかつての繁栄を取り戻し、東京の向こうを張る2大都市として発展することをめざすなら、大阪市民の皆さんには是非、「うちらの税金はうちらの裏庭にしか使いまへん。」なんてけち臭いことは言わず、「うちら大阪の税金で、大阪府(都)どころじゃありまへん、関西全域ひいては日本全体まで豊かにして見せまっせ!」という気概を持っていただきたいと思います。
かつてJohn F. Kennedy は、後にLet Things Go Forth!(物事を前に進めよう!) と題されるようになる有名な演説で、「国家が自分に何をしてくれるかではなく、自分が国家に何をできるかを、考えよう!」と呼びかけました。大阪市の皆さんも是非、大阪市が自分に何をしてくれるかだけではなく、自分が大阪に、そして日本に何をできるかを考えて、大阪都構想にご賛同いただければと思います。
私は新潟を拠点として活動していますが、日本各地の人がそれぞれに、OIMBY(私の裏庭だけに)の論理を超えて、自らが直接利益を受けるより少しだけ広い地域の利益のために、自分が何をできるかを考えることが、それぞれの地域と日本を前に進めることになるのだと、私は信じています。
ちなみに、新潟州構想もそれは同様と見て大丈夫でしょうか?
はい、基本的な考え方は同じです。ただ新潟市ですと、そこまで大がかりなことをせず、政令市である新潟市と県の権限の調整から始めるべきかもしれません。大阪市は、正直市内は結構開発が飽和しているのに、市外とのアクセスが今ひとつのところがあり、また逆に市外も市内の都市部で、同一の経済圏として機能しているように私には見えます。
新潟ですと、新潟市自体が合併でできたばかりで、周辺部はまだまだ開発の余地があり、また新潟市を合併で広くしたおかげで、新潟市経済圏は新潟市に包含されており、市外は一応別の市の経済圏という感じに見えます(ざっとした感覚ですが)。更に新潟は全般に道路はよく、市外とのアクセスにはさほどの問題はないように思います。
そうすると新潟市については、まずは新潟市内の開発が優先で、その経済圏が広がるにつれて、周辺地域とのアクセスを考えていくという方向がよいのではないかと私は思います。
基本的に同じ考え方をもったうえで、実行に当たっては、それぞれの地域の現状と課題に即した解決法がふさわしいということだと思います。
ありがとうございます!
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