ニュースの感想
ストラテジスト(って職業でしたっけ?)の永江氏が「米山新潟県知事に噛みつかれたので、喉笛を噛み返してみるわ(http://blogos.c
とはいえ、氏はそれなりに反論の材料を出しておられ、基本議論にはなるのかなと思いますのでコメントさせて頂きます。
先ずのっけから氏は、
「一般人が公人に噛みついてもなんのニュースにもなりませんが(安倍ガーのみなさんと同様です)、公人が一般人に噛みつくと大ニュースです。」
とおっしゃられておられます。
確かに私が誰かに物理的に噛みついたら相手が公人でも私人ではそれは大ニュースというか、某経済評論家のようにまあ逮捕の一つぐらいされる事は覚悟しなければならないとは思います。
しかし実際に私がやったのは、永江氏のブログを題材として自分のブログを書いただけです。昨今、氏のように、自分は他人に対して批判的・挑発的といわれて止むを得ない言論を展開しながら、少しでも批判されると、やれ「噛みつかれた!」「喉笛を噛み返す!」とかと過剰な反応をされる人が散見されるのですが、極めて残念な事だと思います。公に言論を提示している以上、私人からだろうが公人からだろうが、批判される事があるのは当り前、噛んだ噛まれたと騒がずに冷静に反論すればいいだけの事だと思います。
また、氏のような方はやたら「公人」「私人」にこだわりますが、公に言論を提示している以上、自らも少なくともその言論については公に影響力を行使しようとしているのであり、自分は私人だから公人からの批判は受けない権利があるなどと言うのは、ご都合主義の過ぎると思います。
繰り返し、公に議論を提示している以上、公人からだろうが私人からだろうが批判を受けるのは当り前、公人だ私人だ、噛んだ噛まれたと騒がずに、冷静に反論すればそれでいいことだと思います。
この点で氏の反論は、冒頭からずいぶん残念なものです。
次に氏は、
自民党 → 日本維新の会 → 民進党 → 社会民主党、自由党、日本共産党推薦という右から超左に触れた人なんだ。アタマが柔らかいのね(皮肉だけど)。チバレイの裏バージョン。で、上記のブログだが、ツッコミどころが多すぎて2万字くらい書けそうで書く前から楽しみだ。
との事です。
私の経歴について氏がどう考えるのもご自由にとしか思いませんが、私が政党を移ったのは、自民党での公認争いに敗れ、活路を見出すために 自民→日本維新の会に移った一度だけです。日本維新の会→民進党は日本維新の会自体が民進党に移行しておりますので、私の選択ではありません。その後の知事選で、社民党、自由党、共産党から推薦して頂きましたが、選挙において推薦を頂けるところからは頂くのは当り前、恥じるところはありません。
自分のブログに対する批判に対して反論したいなら中身について反論すればよく、私の経歴も、私の頭が固いか柔らかいかも無関係だと思うのですが、氏の様な方はどうしても相手に人身攻撃を加えてからでないと反論できないようで、その点も極めて残念だと思います。
次に氏は、
公人が一般人に噛みつくなら、少しは相手を調べてからにしてほしいものだ。
「ブロガーの永江氏が」と出だしがそうなっていますが、わたしはブロガーではない。Twitterの自己紹介もわざわざ「ブロガーじゃなくてストラテジスト」と書いてある
とご主張です。
この手の「俺の言論や背景を逐一調べてから批判しろ!」という主張もまた氏のような方が良くされるのですが、恐縮ながらたかが氏の書いたブログを批判するくらいで氏にそこまで気を使わなければならない理由はありません。このBLOGOSの氏の経歴に職業・肩書らしきものが見当たりませんでしたので、ブロガーとさせて頂きました。ストラテジストと言うのが世間一般に職業・肩書と見做されているか否かはさておき、BLOGOSの記事においてストラテジストと呼んでほしいなら、ブロゴスのプロフィールにおいてそう記載して頂ければいいだけと思います。これもまたずいぶん残念なご主張と思います。
次に氏は、
データ示して解説してるのに感情論で反論するのは時間の無駄
として、いるのですが、氏の元記事で氏が提示しているのは単なるつまみ食いの情報で到底「データ」と言える程のものではないのですが、それが「データ」だとしても結局氏が示しているのは、「ネットをよく見る人は保守が多い。」という統計的事実に過ぎないのであって、ネットをよく見る人は「現実的だから」保守によるのか、それとも「迎合的だから」保守によるのか、その因果関係についてはデータを示して立証ではなく、単なる推測をしているにすぎません。因果関係についての私も特にデータを示さない推論をしているにすぎませんが、それはお互い様、にもかかわらず、自分は「データを示して解説」、私は「感情論で反論」と思いこんでいるところがまた、残念だと思います。
次に永江氏は、「読解力がないのと書いてないこと並べるな」と小見出しをつけて、私の「永江氏が認める通り、所謂ネット民は日本の人口の2~3%しかおらず」に対して、
そんな事は一言も書いておらん!2〜3%というのはアーリーマジョリティ。つまりネット上の情報を多方面から(自分の興味ある範囲だけではなくてというところが重要)見まくって情報収集している人の数である。
との事ですが、私もそういう意味で「所謂ネット民」と言っております。つまり永江氏は「ネット民」はネットを使う人、その2~3%を情報を多方面から取る人と定義していますが、私は議論を簡潔にするために、後者の2~3%を「所謂ネット民」と定義しているのです。ある単語をどう定義するかは、その文章毎に筆者が決める自由があり、永江氏が使った言葉の定義と、私の「所謂ネット民」の定義が同じである必要はなく、読解力がないのはどちらなんでしょうと、これもまた残念だと思います。
この後は感情が高ぶったのか反論も大分支離滅裂になってきてコメントがしづらいのですが、氏は
「官僚が忖度でいろいろやることを防ぎたければそれを防ぐ法案を提出すればよい。防止策出さないで安倍ガーばかり言ってるから支持されないんだよ。」と、代替案を出せと言ってる。一体どこに「野党や氏の言う「『安倍ガー』の皆さん」が黙りさえすれば、これらの問題は解決するか、少なくとも好転する」なんて書いてるの??
と述べておれらます。
私も別に氏が「野党や氏の言う「『安倍ガー』の皆さん」が黙りさえすれば、これらの問題は解決するか、少なくとも好転する」と書いているとは書いていません。単に氏の主張に対して、「だけど『安倍がー』と言わなくたって、何も変わりませんよね。」と言っているだけです。
次に氏は
提案してから言え → 死ぬほどしてるわ
との事ですが、それは、少なくとも氏の書いた記事の中にはありません。氏の様の方は批判されると、何かと、「あっちでこう書いた。」「こっちでこう書いた。」「それを読んでから批判しろ!」とおっしゃいますが、読み手としてそんなものをチェックする義務はありません。死ぬほど提案している事を前提として読んでほしいなら、せめて記事内に、「私のようにブログでたくさんの提案をすべきだ」と書くべきかと思います。この点でも、残念だと思います。
この後氏は、自分の提案ブログが如何にPVを稼いだか延々解説されています。これもまた氏のような方に多い主張なのですが、PVが世の中の一つの評価基準である事は認めますが、それは、氏の書いた政策が複数の理由で人目を引いたことを示すだけであって、その政策の実現可能性が高い事を示すものでも、その政策が社会的に意義あるものである事を示すものでもありません。実際氏の示している国立競技場の案などは、まあそれは聞かれたら面と向かって駄目ともいえませんから「面白い」と答えるとは思いますが、一体全体どうやって競技と両立するのか皆目わからない荒唐無稽な案にしか見えません。ネットの反応を万能と思いこんで自分を過大評価している点でもまた、残念だと思います。
その他氏が「政策提言」として挙げているものについてのコメントは以下の通りです。
・熊本のふるさと納税に貢献されたならそれは立派とは思いますが、熊本のふるさと納税のすべてが氏のブログ記事のおかげというのは、我田引水に過ぎるでしょう。
・Welqについての武勇談についても似たような話で、氏のブログが一定の寄与をしたのはそうかもしれませんが、寄与度については不明じゃないでしょうか。
・景気回復についての永江理論については、到底理論と呼べるようなものではないですし、そもそもあちこちで言い古されたもの過ぎず、それだけでもうあまりに中二病的で恥ずかしい感じです。
・豊洲の事は批判的指摘ではありますが、政策提言と言えるようなものではありません。
・安保法案についても「廃案にしたいなら次の選挙で勝って政権交代して廃案にしろ。」とのことで、当たり前すぎてとても政策提言と言えるものではありません。
文末で氏が勧めてくれる「自分が考える『本当の意味での』地方再生論」も読んでみましたが、もったいぶっている割にその結論は結局「真摯に意見を取り入れる首長の姿勢」という当たり前すぎるもので、これまた到底政策提言などと言えるものではありません。
そして極めつけに氏は、
米山新潟県知事はいままでわたしのブログを1回も目にしたことがないということなら
ネットリテラシー、低すぎ!!
と、なんとご自分のブログを1回でも読んだことがあるか否かが人のネットリテラシーを測る基準だとご主張です。あまりの中二病感に「残念ですねぇ。」以外のコメントは思い浮かびません。
以上が氏の反論に対する私のコメントですが、とはいえ、氏はそれでも一応論拠をもって反論されており、中二病を脱するとより良い議論ができるようになるのかもしれないと思わないでもありません。
新潟県人、そして灘校の同窓としてご期待申し上げております。
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