米山隆一の10年先のために

Upが遅れましたが、3月26日に、長岡市上条町でミニ集会を行いました。色々な話題が出ましたが、私は、農政改革関連3法案の今国会への提出で、平成19年度から始まることが予想される品目横断的経営安定対策と、担い手絞込みに対するご意見に最も強い印象を受けました。

WTOの規制や国の財政状況を考えると、農業支援に対するある程度の量的制限はやむをえないと思います。しかし、大稲作地の新潟県においてさえ、農家の大部分が小規模兼業農家である現実を考えると、これが、国内農業の大幅な衰退を招く可能性は否定できません。この政策は、1）大規模農家のみに対する直接支払いの実施　2）それによる農業の大規模化・集約化　3）大規模化・集約化による農業の効率性向上による農業の発展　をシナリオとしています。3）が可能であるなら、望ましいシナリオであること自体は、間違っていないと思います。しかし残念ながら、政策の提示が急であった事、周辺法制が整備されていない事、政策内容の周知が未だ不十分である事などから、2）がスムーズに進む状況になってはいません。そして2）が機能しなければ、この政策は小規模農家の廃業と言う結果のみを残すことになります。又、今後の日本農業の発展を図る上で、果たして3）だけが唯一の道なのか、またそれは日本農業の現状からどれほど現実的なことなのかも、疑問が残ります。

必要であれば果断な変更を含めた国会での慎重な審議が求められると同時に、実行が決まった場合には、地域の農業がスムーズに対応できるように、十分な措置をとることが不可欠であると考えます。