8月16日にロシアの警備艇の発砲を受け、日本漁船の乗組員が亡くなられると言う痛ましい事件がありました。日本漁船が警備艇の呼びかけに応じていたなら発砲は明らかに行きすぎで、厳重な抗議をし、関係者の処罰を要求しなければなりません。しかし仮にそうでなかったとしたら、態様に問題があったとしても、威嚇射撃そのものを責めることはできません。事実関係が明らかでないので事の善悪を判断することは困難ですが、今回の件で図らずも明らかになったのは、「国境」と言うものへの日本と、日本を取り巻く周辺国の温度差であったように思います。
言うまでもなく、日本は「島国」であり、土地を隔てる目に見える国境はありません。しかしそれでも、海の上には厳然として、領海、もしくは経済水域の境界としての「国境」があります。土の上の国境であれ、海の上の国境であれ、「国境」と言うものは、弛まぬ外交努力と、時には実行力を伴う行動によって、意識的に守り続けなければ守れないものだと言うことを、国内に目に見える「土の国境」を有する日本以外の周辺諸国は、強く意識しているように思います。そして残念ながら日本は、今までこの面に関しての認識が甘かったと言わざるを得ないように思います。
現在日本は中国、韓国、ロシアのいずれとも境界問題を抱えています。あくまでそれは粘り強い外交努力で平和的に解決されるべきものですが、一方でそれは、時には実行力を行使してでも守る覚悟がなければ守りきれないものであることを、認識しなければならないと私は思います。
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