ニュースの感想

戊辰戦争と党議拘束と自主投票

  • 米山 隆一
  • at 2008/4/10 01:35:15

 3月16日、小千谷で女性向けの集会を行いました。場所は河井継之助が戊辰戦争の際、船岡山に陣取る幕府軍に中立を訴えて叶わず、帰路失意のうちに食事をとったという由緒正しい料亭、「東忠」です(写真は女将さんが旅館の由来を説明して下さっているところです)。

  

ここのところ「明治維新」づいていて、何からないまで明治維新と比較してしまうのですが(苦笑)、戊辰戦争の歴史と現在の状況とはつい比較せずにはおれません。勿論長岡や会津、はては函館に至るまでの戊辰戦争はあからさまな内戦で、ずいぶん無駄な血を流し国力を消耗しました。それは時代の変革期には、ある程度避けられないことなのかもしれません。しかしそれでも当時の両陣営は「江戸城無血開城」という知恵を出し、日本が決定的に傷つくことを回避できました(背後にイギリスの要請があったとのことですが、それにしても最終的に決断したのは両陣営のトップだったでしょう)。我が故郷の河井継之助も、叶わなかったながらも、「中立」と言う選択で、無意味に国土が傷つくことを避けようとしました。抜き差しならない対立を続ける自民党と民主党も、何らかの知恵を出し合って国政の重要な決定を迅速に行う仕組みを作れないものかと、さすがに多くの人が思っているのではないでしょうか。

それではおまえに案があるのか?と問われると勿論困ってしまうのですが、やや非現実的ながら対応策が一つ、あることはあります。
それは重要な案件について、与野党合意の上で、双方が「党議拘束」を解き、ともに議員自身の判断で「自主投票」を行わせることです。この案の良い点は、とかく談合的になりがちな「大連立」と違って、あくまで与野党の対立構造を残し、議論をオープンにしたままで、一定の結論を得られる可能性が高いことです。勿論それでも衆参両院の決定が食い違う事態は生じ得ますし、2/3条項を使えない分より不安定になるのかもしれませんが、選挙も間近な昨今各議員はそれこそ選挙民の厳しい目を意識せざるを得ないわけで、「民意の反映」という意味できわめて本来的な議論がおこなわれ、基本的には常識的な線で結論が出るのではないかと、私は思います。またこれを行うと党内で意見の食い違いが表面化し、政党の存立が危ぶまれるという危険は勿論あるのでしょうが、アメリカの例を挙げる前でもなく、そこをまとめ上げるのが、党・党首・党執行部の度量というものでしょう。最後にこの策は、勿論「政界再編」という激変をもたらす可能性を有します。しかしそれはむしろ今後の日本にとって必要なことなのであり、そうであれば、まさに江戸城無血開城のように、国家の為に、相互に対等な条件の下、そのリスクをとるという選択はあっても良いと思います。

この案が実現することそれ自体はきっとあり得ないのでしょうが、与野党両トップが、日本の国力の低下を防ぐために、知恵を絞り妥協しあって、国家の意志決定を迅速に行う何らかの方式を見いだすことを、心より期待します。

 


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