米山隆一の10年先のために

　昨日朝2時10分、私の祖父が89歳の生涯を終えました。

　祖父は大正7年（西暦1918年）に、現在私が住む新潟県魚沼市（旧北魚沼郡湯之谷村）に、富農（だったらしいです）の長男として生まれました。徴兵で満州に渡り、シベリア抑留を経て命からがら日本に帰還しましたが、帰ってき時には農地解放で財産はほぼゼロになっていたとのことです。
　その後養豚業を興して私の母をはじめとする子供たちを育て（父は母方に婿入りしています）、30年ほど前に父に家業を譲りました。

　子供の頃の私の目には祖父は非常に頑健で、又時に頑迷と言えるほどに自らの意見を押し通す一家の絶対君主でした。それが時と伴に老い、私自身が大きくなったこともあるのでしょうが次第に体が小さくなり、やがて自らの起居さえままならなくなり、遂に息を閉じた、その全課程を目の当たりにしているものとして、人生の無常を感じずにはおれません。

　私自身が見ても周囲の評からも、私は祖父に似ています。又実際祖父の言から学んだことも多々あります。祖父が残してくれたものを次代に引き次ぐ事を誓いつつ、故人の冥福を心より祈ります