私の先の記事「オバマ大統領就任 ~希望に向けて~」に対して、「ジェノサイド好きのアメリカ人は嫌いです。byインディアン嘘つかない」さんからのコメントをいただきました。このコメントに対するレスポンスが長くなりましたので、改めて一つの記事として記載いたします。
===以下本文====
おっしゃるとおり、政治は本来的には国民生活の「脇役」若しくは「調整役」であるべきものです。国民生活全体を野球の試合に例えるなら、政治はルールを作ったり興業を行ったりする「プロモーター」の役割を果たすのであって、決して「プレーヤー」ではありません。興業が上手くいっているとき脚光を浴びるのはプレーヤーで、プロモーターはほとんど意識すらされません。プロモーターが目立つのは興業が上手くいかず、何らかの変革を必要としていると言うことです。オバマ氏がこれほどの期待と注目を集めるのは、裏を返せば、それだけアメリカが困難に直面していると言うことに他なりません。
しかし、困難に直面しているのはアメリカだけではありません。日本も、同じ、若しくはより深刻な困難に直面しています。そして、おっしゃるとおり、日本ではこれまでは、困難に対して、アメリカ流の「個人のリーダーシップ」によってではなく、何とはなしに決まる「全員の総意」で物事を解決してきました。
しかし、それはあくまで高度成長の中で誰もが成長の恩恵に与れる「一億総中流」という時代を背景として、「簡単に多数派が形成できる」政治状況が前提でした。「巨人・大鵬・卵焼き」が国民の圧倒的多数の支持を集められた時代も今は昔で、今や好きなチームどころか好きなスポーツ、果ては休日に何をやるかについてまで、一家や夫婦の間でも意見の食い違いは当たり前です。ねじれ現象下での国政の停滞を見るまでもなく、「なんとなく多数派」を形成して全体方向を決めることがきわめて困難な時代になったことは否定しがたいのではないでしょうか。
日本が直面している本当の困難は、この社会状況の変化に対応して、意志決定を行う仕組みができていないこと、それ故に政治の機能不全が放置されていることだと、私は思います。最近は小泉時代の反動からか、アメリカで行われていることを何から何まで「日本とは違う!」「日本には当てはまらない!」と否定することの方がむしろ多いように見受けられますが、実際は日本人とアメリカ人の間には、相違点よりも共通点の方が多いと、私は思います(だからこそ、戦後65年間もの間強固な同盟関係を組んで来られたのではないでしょうか)。日米の社会政治制度の差の相当な部分は、民族的相違に基づく根本的なものなどではなく、単に「アメリカの方がより早く近代化され、豊かになった」事によるものではないかと私は思っています。
アメリカが公民権運動によって今日のように多様な価値観を認める国になったのはつい30年ほど前のことで、それまでのアメリカはキリスト教保守主義というWASP的価値観が支配する国でした。変革の原動力は勿論政治でしょうが、「違いを主張(許容)できる豊かさ」を、アメリカが真っ先に手に入れた事もまた大きいのではないかと思います。そうであれば、アメリカに引き続いて豊かになった日本に、程度の差こそあれ「多様な価値観」が発生し、それをまとめる困難に直面しているのはむしろ当然のことであり、この困難を解決する上でアメリカから学ぶべきところは多々あるのではないかと、私は思います。
また先ほど日本は「これまでは」「全員の総意で物事を決めてきた」と書きましたが、これまたそうなったのは戦後の高度成長というごく最近の出来事に過ぎません。戦国時代や、明治維新という激動の時代には、何人かの傑出した指導者が出て、そのリーダーシップで国難を解決してきました。「なんとはなしの総意」は、決して日本独特のものではなく、「それが可能な高度成長という幸せな時代」の副産物だったに過ぎないと言う面もあると思います。そうであれば、アメリカのオバマ大統領からだろうが、明治の坂本龍馬からだろうが、学べることは柔軟に学ぶべきだと私は思います。
個人の人生は勿論社会のあり方とは全く独立の、希望と絶望にあふれています。どんなに希望に満ちた社会にも絶望はあり、どんな絶望的な社会にも希望はあります。しかし、希望に満ちた社会では絶望のなかにすら希望が見いだせるけれど、社会全体が絶望に沈んでしまったら、希望すら薄ら寒いものなってしまいます。
私は政治を目指すものとして、是非とも、1人でも多くの人が希望を持て、例え何かの事情で絶望的な状況になったとしても尚希望を見いだせる、そんな社会を作りたいと思います。そしてそのために役に立つなら、アメリカだろうが中国だろうがロシアだろうがそして勿論かつての日本からだろうが、何でも柔軟に取り入れていきたいと思っています。
これ政治家の傲慢と思い上がり也
↓
「1人でも多くの人が希望を持て、例え何かの事情で絶望的な状況になったとしても尚希望を見いだせる、そんな社会を作りたいと思います。」
早朝の手振り、お疲れ様です。雪国ですから雪やみぞれで寒い日もあったと思いますが、例年に比べ暖冬で雪も少なく、お天気も味方してくれたのでしょうか。
百年に一度の大不況を前に、アメリカのオバマ大統領は、党派を超えた協力や、民間部門が弱体化した今、政府主導の経済対策に対する理解をよびかけました。不況から脱出できそうです。
一方、日本はどうでしょう。国会が最優先しなければならないことは何だろう?党派が違えど、目的・ゴールが一緒なら、多少の相違は摺り合わせ目的にたどり着く方が今は重要ではないだろか。(国会内の仕組みはそんなに単純ではないのかしら…個人の欲、派閥の欲、党の欲を捨てればできるかもしれない!)
麻生総理の迷走は事前準備不足と思っています。もうすぐ直る!と信じます。もちろんタイムリミット付きです。
もしも解散、総選挙でオバマと書かれた投票用紙があったら、それは単なる悪ふざけではないと思います。日本の国会、政府の在り方に疑問と失望を持った悲しき無効票だと思います。
今日は建国記念日。ガンバレ日本!
最近のコメント一覧