ニュースの感想
大津市の学校で起こった痛ましい「いじめ」事件が、連日報道されています。
多くの人のトーンは、「とんでもない」ということで、ある種「自分には関係ないけれど、世の中には悪い人がいる」という論調ですが、海千山千とは言わないまでも、海を3つ、山を3つほど乗り越えてきたと自負する(苦笑)私としては、「どこにでもあることだし、むしろ『いじめ』をしない/加担しない人の方が少なく、いじめを根絶するためには、強力なリーダーシップが必要です。」と申し上げたいと思います。
社長だろうが、首相だろうが、はたまたクラスにおける担任教師だろうが、餓鬼大将だろうが、「リーダー」というのは絶大な権力を有するようで、常に「一人で多人数に対峙する」という難問と向き合わなければなりません。「能力」とか「人格」とか「言葉」といったもので、これをこなせる「力量」がある方は問題ないのですが、それがない方がリーダーになると、組織をまとめるには、組織から少しでも外れた人間を吊し上げ、誹謗中傷したのち仲間外れにするという、「いじめ」しか手段がなく、意識無意識は別として、ある種の組織防衛上の必要悪として「いじめ」が実行されることになります。さらにその組織防衛的「いじめ」を実行する力すらない方がリーダーになると、リーダー自身が、部下の「いじめ」におびえ、迎合する事態が発生します。
実情を知らずに全くの想像で恐縮ですが、今回の大津市の事件では、おそらくは担任の教師は上述の3番目の類型に属する方で、自分自身が生徒の「いじめ」の対象になることを恐れて、注意することができないどころか迎合するような態度を示し、被害生徒へのいじめをエスカレートさせたのだと思います。
この痛ましい事件にかかわった一人一人が自らの行為の責任を取るべきなのはもちろんですが、この事件の再発を防ぐには、教室における教師のリーダーシップの在り方、更に進んで、日本全体としてリーダーシップのある人材の養成の仕方、さらには、リーダーシップを受け入れる側の受け入れ方(最近はこれを「フォロワーシップ」というようです)、その養成の方法について、深い議論がなされるべきであると思います。
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