ニュースの感想
先日、私の東京での居所のすぐ近くで、大々的な反原発でもが行われました。私はちょうど車で外出するところで、渋滞した路上で、延々続くデモの行列を見ていました。
原発の全体的リスクや、他の代替エネルギーの可能性に考慮すべきことが多々あることそれ自体に異論はありません。しかし私は、デモ隊で非常に多く叫ばれていた「子供たちの未来に、原発はいない!」という言葉(かなり不正確ですが、趣旨は同じです)に、強い違和感を覚えます。
日本の未来に原発がいるかいらないか、そこは前述のとおり、意見が分かれるでしょう。しかし非常に明らかなのは、「日本の未来には電力はいる」ということです。勿論デモ隊は「自然エネルギーに転換しろ!」と言ってはいましたが、(デモなので当然かもしれませんが)日本の電力供給の1%に満たない自然エネルギーで、どうすれば日本の1/3の電力を供給している原子力を代替できるのかについては、触れようともしません。放射能の危険は強調しますが、今現在、原子力を補うためにフル稼働している火力発電が排出する莫大なCO2や大気汚染、それがもたらす肺癌をはじめとする肺疾患については沈黙しています。
多少議論は横にずれますが、反原発と同時に語られることの多い、消費税増税反対についても、増税の日本経済に及ぼす影響について考慮すべきことがあることそれ自体は、否定できません。しかし、これも非常に明らかなのは、「日本の未来には福祉が必要であり、福祉には財源が必要である。」ということです。消費税増税に反対される方は、ではいったいどうやって、今でさえ不十分な日本の福祉を今後維持していくのか、ぜひ沈黙せずに語っていただければと思います。
物事に、Noを突きつけるのは簡単です。一見理があり、筋が通っているように見えます。しかし、Noは結局のところ何を作り出すわけでもありません。Noは、実現可能なYesとセットになって初めて価値を持つことを、我々は確認すべきものと思います。
私は敢えて申し上げたい。「何より子供たちの未来の為に、エネルギーが必要です。何より私たちの未来の為に、福祉が必要です。そしてそれを作ることができるのは、NoではなくYesです。勇気と覚悟をもって、原発の再稼働と消費税の増税に、Yesといいましょう。そしてそこから生まれた、エネルギーと安心を使い、情熱と希望をもって、原発の問題点、日本経済・財政の問題点を解決し、新たな、より明るい、より幸福な未来を作りましょう」と。
否定と懐古から、未来は生まれません。
私も昨今の原発反対論には違和感を覚えています。
こんな事を言うとなかなか世の中の論調に合っていないような感覚を覚えていましたが。
脱原発は可能かもしれません。確かに放射能は危険です。しかしながら米山さんが書かれているように、エネルギーが必要であり現在の日本の現状や代替案無しの反対論は、将来的な日本の衰退を招くだけであると感じています。
政治家の方々も現状での原発論議に関しては世論を感じ取り、正面からの議論には及び腰のように感じています。もちろん、政治家であるので世論に敏感であることは必要な感覚ではありますが、将来を見据え世論を引っ張る様なリーダーが欲しいと感じるこの頃です。
私も一国民としてこの問題は真剣に考えていきたいと思っています。
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