ニュースの感想

 新潟日報が、2013年度の山古志地域の出生数がゼロであったことを報じました。山古志地域の人口は、地震前の2184人から、地震後1188人に半減し、高齢化率は37%から45%に増加しています。

 そしてあまり語られないことですが、地震後今までの間、山古志地域には、およそ1000億円の復興予算(その半分は土木工事予算です)が投じられています(詳細の計算は困難ですが、震災直後見積もられた1000億円のほぼ全事業が行われたこと、中越地震全体の復興予算が2000億円超であり、その1/2程度が山古志地域で使われたと推定されることから、さして遠い数字ではないと思います。)。
 単純計算で、残った人一人当たり1億円が投じられているのです。

 良い悪いは、価値観ですから何とも言えません。
 しかし、道路と橋だけを復旧しても、人がいなくなれば、集落は消えます。

 すべてを悲劇と美談のベールにくるみ、議論と検証を行わない時間は、地震後間もなく10年となる今、終わったと考えるべきでしょう。東日本大震災からの復興が日本全体の課題となっている今、過去の復興が何をもたらしたのか、真剣に議論と検証を重ね、これからに生かすべきものと思います。


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コメント

こんな事、誰もしっかりと見つめて議論をしない事が現代の政治の問題点でないでしょうか?

中越大震災の後、大声で皆が叫んでいました。復興という大儀を振りかざし、過疎地域でもある山古志地区に私達の税金を投入していく様は正直滑稽であったと言わざるを得ません。勿論山古志は素晴らしい地域であり、そこに住んでいた方々の思いや故郷への哀愁を考えれば、間違いであったとは思いません。しかもその時の村長さんを皆で持ち上げて国会議員にまでしています。
日本のインフラ整備(特に山間の道路や河川工事等)はかなり進んでいると思いますが、未だに人の入らない山奥に無駄な道路を作り、河川をコンクリートで固めているような気がしてなりません。勿論必要な箇所は大いにやるべきです。

言いつらい事には口をつぐんで、大儀のありそうなことだけを大声で叫ぶ。こんな事ではいつまでたっても前進していけないような気がします。

私も含めて大人達の本気の議論と取り組みを進めたいものです。

  • Posted by 新潟出身者
  • at 2014/04/13 15:49:31

「そもそも限界集落に住むというのは無茶苦茶贅沢なことなんだ。行政サービス、電気、ガス等々、無茶苦茶コストがかかる。
街に出てくれればもっと効率よくサービスが提供できるのに、その贅沢のためになんで他の人が負担しなければならないんだ」
と言っていた人がいました。経済学的・財政的にはある意味正論かと思ってしまいました。
どう論破します?

  • Posted by 名無し
  • at 2014/04/26 08:59:00

名無しさん、コメントありがとうございます。

私の答えは、「半分賛成で、半分は反対です。」です。

先ず私も東京半分魚沼半分で暮らしていますが、正直、魚沼の暮らしはものすごく贅沢です。広い家に住んで、美味しい水と美味しいご飯を食べて、四季折々の美しい風景に出会えます。東京で同じことをしようと思ったらものすごいコストがかかることは間違いありません。地方は地方の良さがあり、ここに住んでいる人はそれを享受しているのですから、「俺たちはお金がないんだから東京の人がコストを払え。」と言うのは、違うでしょう。

一方で私は東京のど真ん中に法律事務所を構えてお金を稼いでいますが、この東京がビジネスの中心地として成立するには、当然周辺のベッドタウンに住む人が必要で、そのベッドタウンに住む人が食べる野菜や、使うものを作るには、その周辺に農村地帯や工場地帯も必要ですし、観光や息抜きに訪れる場所だって、やっぱりいります。要は国家と言うのは全体で機能しているのだから、全体でコストを持ちあうものであって、何処かがどこかだけを持てばそれでいいという話ではないのだと思います。

ただ、そこにはおのずと「維持可能性」と言う限度があります。山古志村に1000億かけて誰も困らないなら当然全国津々浦々そうすればいいのですが、それでは、日本どころか当の山古志村すら維持できないから、やり方を改めるべきだと、思うのです。

その具体的方法は、我が野望(笑)「日本列島再開発計画」の一環となりますので、また稿を改めて述べさせていただきます。

  • Posted by 米山隆一
  • at 2014/04/26 20:01:09

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