米山隆一の10年先のために

　本日、安倍総理が、訪問先の岩手県岩泉町で

「筆舌に尽くし難い思いをされた慰安婦の方々のことを思うと、本当に胸が痛む思いだ。２０世紀は女性をはじめ、多くの人権が侵害をされた世紀だった」と述べたと報道されています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140427/t10014066581000.html

　これ自体は、当たり障りのない玉虫色発言ですが、中国韓国が日本を非難している状況下でのこの発言で、非常に残念なことに、世界の印象は、「従軍慰安婦問題に日本は責任がある＝強制連行はあった。」で固まってしまっただろうといわざるを得ません。安倍総理や、周辺の方々がこれから如何に勇ましい発言をしてみても、この期に及んで訂正や前言撤回は、事態を一層悪化させるだけで、もうこれは動かしようがないでしょう。

　「風が吹けば桶屋が儲かる。」でもなんでもなく、昨年末の不用意な安倍総理の靖国参拝によって中国韓国に日本非難の口実を与え、アメリカの離反を招いたことが、結局のところ今回の「安倍発言」による「従軍慰安婦問題の固定化」につながったと、私は考えます。

　安倍総理個人の思い入れと、世界から見た日本の名誉と、どちらが重要なのか、最終的に何を実現したいのか、言わずもがなで恐縮ですが、責任ある立場の方は、自らの行動のもたらすものをよく考えて動いていただきたいと思います。