ブログ記事「代案「ヨネノミクス」 ~ルールによる民間分配政策で、「自分の誇り」を取り戻せ!~(http://www.election.ne.jp/10840/97715.html)」

に対する、「Yamagishi」さんのコメント

「あたりまえに国際競争力を失うわけですから、あんな政策は、政策たり得るわけがないのですが、一面の真理を嗅ぎ取ることも可能なのかもしれません。また、現実に実施したら、全ての工場が、海外に移転するでしょうが。まあ、議論のたたき台を出しただけで」

へのお返事が長くなりましたので、稿を分けてアップさせて頂きます。
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Yamagishiさん、コメントありがとうございます。

 はい、ヨネノミクスはアップされているコメント以上の反響を呼んでいて、ご指摘の通り議論好きの私としては本望です(笑)。

 さて、それはそれとして、私は「サービス残業がなければ日本はやっていけない。」と言う論調が多いことに、少々驚いています。

 まずもって「サービス残業」と言うのはそもそもこの日本でも、「違法」であり、意図的に残業代を支払わないのなら、行政罰、刑事罰まであります。これがなければ社会は回らないという状況のほうが、むしろ不思議なことだといえます。
 諸外国においても、もちろんそれぞれの場所でそれぞれなりに「サービス残業的なもの」はありますが、これほど長時間、これほど広範に「サービス残業」を行う国は、それほどありません。アメリカでは、もちろん「ホワイトカラーエクゼンプション」があるからでもありますが、逆にこの適用を受けない人が、延々「サービス残業」で家に帰れないなどと言う状況はまず見たことがありません。そのアメリカは、現在世界経済の中で一強といってもよい状況です。 

 「日本の労働者は効率が悪い。」と言う主張も散見されますが、両方を見た限り正直労働者個人の効率は恐らく日本のほうがよく、日本は単に「働かせ方」「働き方」の段階で「効率」が重要視されないから(長時間の滅私奉公が何より重視されるから)そうなっているだけではないかと思います。残業代は必ず払わなければならないから、仕事と残業の「効率」(残業したならそれに見合うだけの仕事をしていること)が評価に直結することになったら、おそらく日本人は、完璧なまでに効率を上げるものと、私は思います。

 さて、前置きが長くなりましたが、本論として私は、「ヨネノミクス」が国際競争力を低下させるとは全く思いませんし、逆にむしろ国際競争力をあげるものと思います。

 まずもって、そもそも「国際競争力」を考えなければならないのは、当然世界市場に製品を輸出するいわゆる「輸出産業」なわけですが、そのような産業の「工場」では、工程上みんなが一斉に働かなければならず、現時点で「サービス残業」そのものがほとんどありません。
 これが見られるのは、製造業においては、むしろ本社の管理部門、更には営業部門なわけですが、こちらは基本国内での折衝ですから、国内のルールが一斉に変わったところで、「国際競争力」に与える影響は僅少でしょう。

 そして「サービス残業」の本丸は、そのままズバリ、「サービス業」なわけですが、これこそは、競争相手は国内限定どころか、ほとんどその県限定で、「国際競争力」とはほぼ何の関係もありません。海外に行って、アメリカやドイツのサービス業が、日本に比べてかなり「雑」といえば「雑」で、「サービス残業」どころか利用者の利便を無視して休みまくりなのは多くの方が経験しているところだと思いますが、アメリカもドイツも、国としての経済のパフォーマンスは日本よりはるかに上です。

 「サービス残業」のすべてが悪いとは言いませんが、一方それは国民から自由な時間を奪い、企業から「効率」と言う考え方を奪っています。結果日本企業は、国際舞台においてまで、「効率」ではなく「長時間の滅私奉公的労働」で勝とうとしている様に見えます。しかしいくら「長時間の滅私奉公」をしてみても、1日は24時間以上には増えませんし、労働コストを考えたら、新興国の労働者を複数雇うことにかなうわけでもありません。
 日本が本当に世界市場で勝ち残りたいなら、それぞれが効率よく働き、小さなイノベーションを積み重ねて、新興国の労働者が10人かかってもできない仕事を、一人でできる仕組みを作らなければならないはずです。
 もちろんそういったことができる人は限られるという主張は事実としてその通りですが、それならそれで割り切って、家族で楽しく過ごし、地域社会に貢献し、優秀な人材を増やすことに一役買っていただくことも、将来的に日本の国際競争力を増すことにつながるでしょう。

 要するに今までの日本は、「効率」も「私生活」も「家族」も無視して、ひたすら長時間会社と言う組織に滅私奉公することで成功してきたわけですが、その成功モデルは、「効率の低下」「私生活の崩壊による消費の低迷」「家族の崩壊による人口減少」によって、永続できなくなっているのだと、私は思います。
 そうであれば、古い成功モデルを墨守して、「企業が儲かるようになれば、そのお金で、今までどおりのしくみのままで問題を解決できる。」と考えていると思われる「アベノミクス」よりも、「今までの成功体験の問題点を直視し、勇気をもってそれを改善し、国全体で、新たなる成功モデルの構築とさらなる成長を図ろう」とする「ヨネノミクス」のほうが有効なのではないでしょうか。

 私自身、色々な苦闘の中にあり、何を実現でき、何を実現できないのかは今後の展開次第で恐縮なのですが、しかしそれでも私は、日本の現状の問題点を直視し、それを解決する策を世に問い続け、それを実現する努力を続けていきたいと思います(この部分は大分非効率ですが-笑。)。


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