米山隆一の10年先のために

　先日我が維新の会の橋下代表が、在特会の代表と討論（と言えるようなものでもありませんでしたが）を行いました。
　率直に言って私は、在日本韓国人、朝鮮人の人達への差別的言動を、「カッコいい」「愛国的」とする昨今の風潮を嫌悪しています。

　第2次世界大戦当時、在米日系人は、たとえアメリカ国民であっても、強制収容を受け、言われない差別に苦しみました。その経緯は、すでに懐かしいものとなった「山河燃ゆ」をはじめとする数々のドラマや小説、ノンフィクションで語られています。
　
　私が仕事でアメリカにいた2000年代に少なくとも日本人に対してそんな差別はありませんでしたが、しかしそうはいっても異邦人です。言葉も片言、アメリカ人とは行動様式も好みも違う中で、孤独感も疎外感もありました。そんな中で、現地のアメリカ人の方々がかけてくれる温かい言葉、地域のコミュニティへの招き（私は地元のテニスサークルに参加したり、公園で知り合ったアメリカ人とテニス仲間になったりしました）に、どれほど救われたかは、筆舌に尽くしがたいものがあります。

　在日韓国人、在日朝鮮人の人達は、日本の法律に基づき、正当に日本に居住することができる一般人です。勿論文化が違うのですから、考え方や行動様式にある程度の違いがあるのは当然ですが、そんなものは、それこそ在米当時の私とアメリカ人の違いに比べれば微々たるものですし、それ以上に「同じ人間」という共通点から比べたら、無視できる違いにすぎません。

　
　過去の歴史において日本人が受けた言われない差別を繰り返さないために、日本人がいままでも現在も様々な外国の人達から受けている温かい思いやりに報いるために、日本にいる外国人に思いやりと尊重の念を持って接することこそが、「誇りある日本人」のありかただと、私は思います。